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恋を知らない男の話  作者: しの
6/6

カラオケ ~カミングアウト~

今日は水曜だが祝日で休みだ。まさか雪野さんとカラオケに行くことになるとは思わなかったが。集合は昼だから、まだまだ時間があるのでのんびりテレビを見ながら勉強することにした。


えっとそろそろ準備始めるか。と言ってもあとは着替えて寝癖直すだけだが。のんびりしすぎたなんてこともなく15分前に集合する駅に着いた。


一番最初か。さすがに単語帳見て待つのはあれだと思ったのでスマホのゲームを起動した。今起動したのは某サーヴァント系ゲームだ。最近はログインしかしてないけど……他ゲームもログインし終えたので、ツッタカター(要するにT◯itter)を開いて暇潰しをする。今使っているのはオタ系の趣味垢なので色々な情報が流れてくる。特に映画化の情報は精神的にきついよな。だって受験のせいで見に行けないんだよ……

そんなことを嘆きながらスマホいじっていると両耳イヤホンしている雪野さんが前から来た。


「おはよう、いや時間的におはようではないか」


「ん、そうだね」


なんか静かなんだけど…イヤホン外すそぶりないし…え?友達と遊びにいくときって両耳イヤホン普通???

スマホにRAIの通知が来たので何かと思って見てみると寺久保がちょっと遅れるとのことだった。ちなみに個チャではなく、俺と寺久保と雪野さん三人のグループに連絡が来たので雪野さんにもいってるはずなんだが、黙々とゲームしている…とりあえず何か話そうと思い寺久保のRAIのこと言ってみる。


「今寺久保から遅刻のRAI来てたけどあいつ何してるんだよw」


「あ、そうなの?通知切ってるから気づかなかった。そうか~遅刻か~謝罪が楽しみだなあ」


そういいながら雪野さんはイヤホンを外してこっちを見て会話を続ける。


「遅れちゃったんだし、これは奢ってもらうしかないなあ☆」


「遅れるのはたしかにあれだけど、許してやれよw」


最近思ってたのだが、雪野さんテンションの落差とてつもないよな。人の機嫌とか思ってることとかわりと察するの得意だけど、雪野さんはよくわからない。


「とりあえずあそこのベンチ行こうぜ」


「ん」


二人でベンチに座って適当な話していると右の方から声をかけられる。


「おお、荒井と雪野じゃん」


「うん?神島か、びっくりしたー」


神島琢磨。クラス1の陽キャだ。俺はそこそこ仲良いけど正直そこが見えない。あの健太が話すようになった人の一人でもある。神島のコミュ力すごいよな。


「いや、こっちのセリフwじゃあー」


「じゃあね」


予想外のイベントがあったが無事に寺久保とも合流できカラオケボックスに向かう。


「今日って寺君の奢りなんでしょ?」


「なぜ?」


「だって遅れたし、ね?」


雪野さんに同意を求められたので乗ることにした。


「たしかにそれはあるなあ」


「ちょっと何言ってるかわからない。そんなことより今日はどれくらい歌うの?」


そういって寺久保は話題を変え始めた。可哀想でもあったので答えることにした。


「3時間くらいでいいんじゃない?まあ、そのとき決めれば」


「そうだね」


そんなかんじで話ながら歩いてついに?カラオケに着いた。


「で、誰から歌うん?」


正直、寺久保が上手いとは思えなかったので雪野さんから始めて欲しいところだが…なんかたまにあるじゃん?最初がそこそこ音痴だと場の空気が変になるやつ。というわけで雪野さんで良くないと思ったが…


「じゃんけんで時計回りで!」


謎にテンションの高い雪野さんが言った。




・・・結果俺から歌うことになった。


まあ、良いんだけどさ。ここで俺は「神知ってる」という有名なアニソンを初手から歌うことにした。もちろんオタバレ覚悟である。あとで思ったのがなんでこんなことしたのか俺でもよくわからない。久しぶりに遊ぶということもあってテンションが上がってたのかな。


そんな俺のアニソンから始まったカラオケは5時間経過の末終焉を迎えた。二人がほとんどアニソンとボカロしか歌わなかったとか、寺久保が普通に上手かったとか色々あったが、そんなことより……

なぜ、アニソン歌ったのに何も言われなかった!?たしかに友達が歌ってたからーとか言い訳してたけど……なんか悲しいのでオタ趣味隠してたことを話すことにした。この行動も今までの自分から考えると謎である。


「今日は楽しかったね。明日から二人は受験頑張ってね」


「やめてくれえええw」


寺久保教室だと陰キャ極めてるけど、結構テンション高いときあるんだな…

さあ、趣味のこと言うか。


「てかさ、今日結構アニソンとか歌ったと思うんだけど何にも思わなかった?」


「ん?どういうこと?」


二人は不可解な顔をして言った。


「いや、そういうイメージ俺ないと思ったからさ」


「まあ、そうだね」


「それで私的にオタク宣言したつもりだったんだけど、スルーされたからさあ」


「あー、なるほど。じゃあこれからよろしくね。オタク荒井君」


「おい、やめろw」



そんなこんなでカラオケ会は幕を閉じた。最初は成り行きだったけどそこそこ楽しかったなあ。その日は雪野さんとちょっとRAIして寝た。














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