雨唄
どこからともなくやって来て
下手なギターを構えて奏でるは
調子外れな雨の唄
雨が降るのを待つかの如く
唄はしっとりと
しっかりと音を外す
それでも
いつまでたっても空は青い侭
爪引く弦は半端に震え
奏でる音は頼りなく
晴天に乞い願うようでもあり
掠れて小さな
悲しげに響く歌声は
雲一つない青空を妬む様な声色だ
結局のところ傍から見れば
空に向かって祈っているのか
はたまた呪っているのか
どっち付かずでわからないまま
それでも彼女は
下手な雨唄を奏でる