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光輝と茉莉

「茉莉、明日から学校いく?」


「そうですね〜行かないとですよね。」


「まぁ、そうだね。専門学校だけど。」


「真田さんに迷惑かけたくないですし。」


「うん……じゃあ行こうか。」


「はい!」

僕と茉莉は結構前から知り合いだった。

中2の時階段から落ちる前からずっと。



茉莉が階段から落ちた理由は、本人は先生だと言っていたけど実際は孤児院の人。

ちょうど孤児院を抜け出したのが中2の時で、学校にわざわざ来たらしい。



当時中3だった俺は心配で両親に相談し、一緒に暮らすことになった。

名字を一緒にしないのは気分ってやつかな。笑


「光輝さん出来ましたよ!」

気付けば目の前には肉じゃがが。


「ありがとう。」

茉莉はこれからも記憶がなくなる。

明日には僕と居たことでさえ忘れる。



「茉莉……」

よく周りに好きな人はいないのか、と聞かれる。


「はい?」

実際いない、いやでも居るのかも知れない。

でも茉莉は違う。茉莉は妹みたいなもの。


「好きな人っているの?」

こんなこと聞いても記憶がなくなる茉莉には分からないだろう。


「……何故そんなこと聞くんですか?」

分かってる。聞いたって分からないことを。


「ちょっと気になったから笑」

気になっただけ。そう、気になっただけ……。


「居ませんよ。1日もしくは半日しか持たない記憶の中での恋愛なんて辛いだけじゃないですか。」

その通りだ。1日もしくは半日しか持たない。

眠っちゃえばさっぱり忘れてしまう。


「だよな笑」

僕は何を心配していたんだろう。

茉莉に好きな人なんて、居るはずないのに。





なのに何だろう、この胸騒ぎは。

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