光輝の両親
学校から帰ってくると茉莉が居なかった。
「茉莉?」
部屋を1通り探すがやっぱりいない。
茉莉の部屋に入るといつもあるノートの束、出かける時に持っていくカバン、財布が無かった。
タンスも中途半端に締まっている。
「……茉莉?」
嫌な予感がした。
ポストを除くとこの部屋の鍵が入っていた。
「茉莉……。」
慌てて柚希に電話をかける。
学校に行ったものの柚希に1度も会っていないからな。
『お掛けになった電話は只今電話に出ることができません。』
「あいつ……電源切ってんな。」
そう言えば柚希の家に行ったこと1度もないな。
場所も教えてもらったことないし……。
今度は茉莉に電話をかける。
『プルプルプル・・・』
一応呼び出しはする。安心した。
『留守番電話サービスです。』
「チッ。茉莉今どこ?どこにいるの?早く帰ってきて。茉莉が居ないと僕死んじゃうよ。」
茉莉が居ないと……茉莉が居ないと……。
留守電を残した後、折り返し電話がかかってくることは無かった。
僕は両親に電話をした。
「もしもし?母さん?」
『あら光輝珍しいわね。どうしたの?』
「茉莉が……茉莉が居ないんだ。」
『え?いないってどういうこと?』
「家にいないし帰ってこないんだよ!!朝はいたのに……。」
『あんた茉莉ちゃんに何かしたんじゃないの?』
「告白した。やった。それだけ。」
『それがいけないんでしょ。茉莉ちゃんの気持ち聞いたの?』
「でもヤったあと茉莉は寝たんだよ?」
『寝たふりかも知れないでしょ。昔よく言ってたじゃない。事故の当時は怖くて寝たふりばかりしている。って。』
「そうだけどさ……僕茉莉が居ないと死んじゃうよ」
『はあ……。あんた、今いくつよ。もう専門学生でしょ?仮にも茉莉ちゃんは妹なの。』
妹……。そうだ茉莉は妹……。
「うん……。」
『あんたがしたことは近親相姦なのよ。茉莉ちゃんだって記憶が1日しか持たなくても好きな人くらい出来るわ。それに』
「それに?」
『あんたのそう言う一方的な気持ちが茉莉ちゃんを困らしてそれで家から出ていったんじゃないの?』
「え……。」
『いい歳の男女が同じアパートに住むなんて……しかも兄妹なのよ?だから私は反対したのに……茉莉ちゃん可哀想に。』
「……。」
『とにかく茉莉ちゃんに学校とかで会ったらちゃんと謝りなさいよ。後、あんたのしつこいとこもついでに直しなさい。』
「……うん。」
『父さんにかわる?』
「うん。」
『もしもし』
「久しぶり。」
『どうしたんだ?』
「茉莉が居なくなった。」
『またやらかしたのか。お前は茉莉ちゃんに依存しすぎた。茉莉ちゃん離れをしろ。』
「父さんも同じこというんだ……。」
『今だからいうけど前から言ってたぞ。事故の当時は助かってたけど度が酷い。って。』
「茉莉……が?」
『そうだ。こっちから見てもそれは分かる。仮にも兄妹なんだからみっともない事をするな。』
「兄妹……。」
『茉莉ちゃんも好きな人が出来て、その人と居たいと思ったんだろう。いちにちくらい茉莉ちゃん離れをしろ。このままだと茉莉ちゃんが可哀想だ』
「ん、わかった。じゃ。」
茉莉離れね……。僕は依存してたのかも知れない。
でもそれくらい大事なんだ。欲しいんだ。
手に入れたいんだ。




