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正義の過失(あやまち) ~大血修学旅行編~  作者: 総務省
第1編 大血修学旅行
4/11

第一日目ー4

4

<2014年6月30日 午後11時 生き残り数19>

~移動~

俺の目の前、二人が失踪した。古川と横山である。俺は池戸と立ち尽くしていた。これは俺の失態なのである。俺がこの部屋を開けて、脱走なんてしなければ、、、。俺は必死にできることを考えた。この二人はもう殺されているかもしれない。だが俺はこの二人を捜しに行くべきだろう。二人に対してもこれまで死んだ者に対しても、それが俺の義務であろう。俺は何をすればいいのだろう。

『捜しにいこう』

声を出したのは、池戸だった。なんて俺はだらしないのだろう。そう思ったが、今なら池戸の言葉を素直に受け止め、笑って言えた。

『あぁ。』

こうして、俺と池戸の本当の脱獄が始まった。

ホテルを出た。そして見たのは血の跡である。まるで、敵の方向を示すかのごとく、その跡はあった。

『いくぞ!』

掛け声とともに、俺と池戸は走った。ひたすらその跡をはしった。どれくらい走ったかはわからない。だがかなりの距離は走ったであろうそのころ。血の向かった方向には『沖縄宮殿』と呼ばれるものがあった。そしてその前、血の先には死体が転がっていた。これだけの跡をたどっただけある出血量、そりゃもう死んでいた。

『よこやま!!よこやま、しっかりしろ!!』

池戸が必死に話しかける。だがもう死んでいるから無意味だと思ったとき

『い、い、い、、、け、、ど、、、。』

『おお!よこやま!』

『お、お、、、、れ、は、、ま、、だ、、、、』

俺は人の奇跡を見たと思った。そして救急車に電話をかけようとした。絶対に横山を助けるの一心で、俺が人の命を諦めてしまった償いとして、携帯に手をかけ、109を押そうとした。だがその時

『事を広げてはダメ。私の記憶術もかばいかれなくなる。』

止めたのはこれまでの事件をある機械によってなかったことにしてくれている家三(やみ)夏世(かぜ)だった。俺は人の命がかかる前、この言葉を論理的に受け止め、納得してしまった。俺は、俺は何とも(ひど)いやつなのだろうか。その時!

バンッッ

俺は池戸に殴られた。

『ふざけんな!お前は目の前の死にかけてるクラスメートを見殺しにできるっていうのか!?たとえどんな故があろうと、それだけは俺がゆるさ……』

夏世により、頭に機械が添えられ、池戸は倒れこんだ。

『何をしたんだ?』

『記憶操作機を使って、ここまでの記憶を飛ばし、一時的に眠らせているだけ。そして横山くんの死体の処理だけど、今パソコン隊がこっちに向かってるらしい。私、実は犯人について少し目星が付いてるの。先いきましょう。』

『…………………………………よこやま、すまん』


~宮殿1階~

そして、俺らは沖縄宮殿へと足を踏み入れた。時刻はまもなく0時で入れるはずもないのだが、係員を記憶操作し、無理矢理入ることとなった。中は真っ暗だった。手探りで俺たちは進んだ。

『ところで、なんで来たんだ?』

『私はあなたの行動、いえ、この一連の事件には追っている。そもそも、そうしないと無かったことにはできないでしょう。』

『ああ、そうか。俺もこの事件を突き詰めないと死んだやつに示しがつかないと思ってきた。でもこのまま続けて死者を増やすことへの疑問も感じ始めている。』

『世の中ことすべてが信じれるなんて思わない。疑うまじくが疑問。だからといってすべてを問いただす必要もあなた一人で抱え込む必要もないの。なんならあなたの嫌な記憶を消してあげてもいい。』

『それはちょっと、怖いかな。』

俺は肩をすくめて、苦笑した。

『ところで、お前はエスパー的力で記憶は操れないのか?』

『……』

『どうした?』

『伏せて!』

急でなにもできなかった。しかしそんな俺に夏世は飛び込み、倒れこんだその時だった。

パンパン

2弾の銃弾が撃たれた。夏世の腕にかすったようで、赤の水溜まりができはじめている。刺客は一人。サングラスをして、マスクをして顔を覆っていた。こいつが犯人だ。俺はすぐにそう判断して許さないという衝動に駆られた。そして銃相手無理があったが、襲いかかった。

『うおーー!!!』

声とともに、おれは相手に突進し、銃をとろうと、相手の右手にしがみついた。必死でとろうとするも、相手の力も強く銃をもった手と、その手をもった俺の手で、それらは外側に向かって振り回された。

パン パン パン

その間にも次から次へと撃たれた。幸い俺のしがみついた手もあって、すべて天井向けだったが。たが相手は力を一気に振り絞って無理矢理、銃を銃弾がかすって倒れこんでいる夏世の方に向けようとした。そして向かう。

『やめろー!!!』

こちらも一気に力を振り絞って、そのまま突進し、倒れこんだ。銃はそのまま転がり滑って、何とか助かった。俺は急いで両手首を警察がごとく、後ろで拘束しようとする。暴れる相手。そしてその荒れ狂いを止めようと手で相手の顔を押さえつけようとした。手はそのままの勢いではらわれた。そして相手のサングラスだけふきとばされる。そしてその全貌が明らかになる。

こ、こいつは……………!?

考える間もなく、男は次の一手を打ってきた。

シュパッ

後ろのポケットからだされたナイフによって腕を切られた。いってー。そのままナイフがふられる

ひゅうひゅうひゅう

何とかしてそれを()ける。そして一か八か。突進した。ナイフは何とか吹き飛んで、ゴロゴロした争いとなる。凶器はなくなったものの、相手は大人で力は強くこれは、壁越しに押さえつけられた。それからだった

『ハーハッハ!!何をしている大野!さっさと始末しろ!くそやろう!』

『今、こいつを押さえつけている!そこにおる女を撃て!』

さらなる刺客を前に絶体絶命。ついに夏世に狙われた。

『やめろー!!!夏世、逃げろー!!!』

押さえつけられた俺は、叫ぶことしかできなくていた。もう一人の刺客が銃を夏世に向ける。俺は最後の力を振り絞って、男を突き飛ばし解放される。そして夏世に向かって全力で走る。だがギリギリ間に合いそうもない。ついに撃たれる瞬間

ぽわわわーん

謎の空間に包まれた。青い神秘的な空間、そしてその後、俺の目の前から刺客二人、夏世は消えていた。

『な、なにが起こったんだ!まさかここまで殺人事件と隣り合わせにあった超能力(エスパー)的能力なのか。この事件はいったい………』

俺は迷路のような宮殿の中、夏世を探し回った。しかし、見つかるはずもなかった。しかし、代わりに見つけたものがあった。

それは、階段。


~宮殿2階~

2階の階段をのぼっている。1階ではとても恐ろしい刺客と闘った。二人とも知り合いだった。担任大野先生、そしてカメラマン。どういうことだ。飛行機ではクラスの中から殺人犯が出てきた。最初の事件もどうからどう考えても、このクラスに犯人がいる。そいつの目的はいったいなんなんだ。どうしてこれまで共に生活してきた仲間を殺すんだ。俺はそいつを許さないこの先にいるであろう敵を。そして絶対に突き詰める。すべての謎も。

2階は宿泊ルームだった。俺の目的は最終的には犯人確保かもしれない。でもそれより俺は命をほっとくことはできない。失踪中の古川のことである。そいつも必ず俺が助ける。その一心でおれは次の階段にはまだ上らず、すべての部屋を確認することにした。

すべての部屋を確認した。すべての部屋、そこにあったのは、人の死体だった。

『……………どういうことなんだ』

俺は必死に考えた。これまでの事件はこの修学旅行の俺のクラスの中だけで起こっていた。だが今は一般市民が死んでいた。これらの事件に関連性はないのだろうか。これはもはや、テロだ。

そして次の階段へ。


~宮殿3階~

ここも宿泊ルーム。俺は部屋の確認を始めた。いるのは血の水溜まりと死体。ざっともう100人はもう見ただろう。このテロの犠牲者を。そして希望の欠片(かけら)とともに進んだ最後の部屋へ俺は入った。そこにいたのは、ボロボロだが、まだ息のある老婆だった。そいつは俺を見るなりナイフを突き付けてきた。

『なにやつじゃ。どうしてこんなとこに来たんじゃ。飢え苦しむ老婆を見て愚かに思うんじゃか。』

『あなたは何で死んでないんですか。』

『無礼な!なにをゆうじゃか。わしはまだピンピンしとるわい!』

『あ、すいません。もうたくさんの死体を見すぎて頭が朦朧(もうろう)としていました。ただ、今、この宮殿内でテロがあったんです。犯人は二人以上。お婆さんは大丈夫だったんですか?』

『ふんっ。年寄りじゃからってなめよって。わしは年寄りにしてもこの時代の人間やない。ある男の時間操作の実験台に使われてこの時代に来てまったんや。わしは27世紀に飛ばされそこから40年、この沖縄にすんどるんじゃ。』

『た、タイムスリップ!?』

『そうじゃ。じゃからテロから見つからん方法なんぞいくらでももっちょる。』

『それって、超能力(エスパー)的な能力ですか?』

『まあ、そんなところじゃが、見た方がはやいじゃろ。百聞は一見に如かずじゃ。』

完全に俺への注意はなくなったのか。ナイフは机の上に置いた。そして、おれの刺客にやられたナイフの傷に向けて謎の力を発した。

ぽわわわ~ん

そして謎の空間になる。青い神秘的な空間。数秒たって、傷口は完全に治っていた。

『!?』

俺は驚きを隠せなかった。犯人がこんな力を持っているのではないかと予想したものの、実際に見てみると、本当に驚きだ。ということは

『他にも未来からの使者はいるんですか?今回僕たちは修学旅行なんですけど、その超能力(エスパー)的な能力に振り回されているんです。』

『わしは最初にきたからわからんが、あの実験がうまくいっちょるちゅうことは可能かもしへんのう。じゃが世界はパラレルワールド、真界・変界があるんじゃ。そんな単純には考えられん。』

『…………………』

『ああ、お主らこの時代の人間にはまだしられていないのじゃったな。なら話そうじゃか。この世界について、この世界のいく末、そしてこの時代の悲惨さについて。』

『でも、僕、先を急いでいるんです。』

『お主はテロについておっちょるんじゃろ?驚いたじゃ。この時代の流れに操ろう者が出てくるちょは。お前さんがこのテロを暴き、未来を変えちょくれ。それがわしの願いじゃ。わしはお主を気に入った。』

『……………でも、時間が。』

『時間にゃんてわしに任せろ。わしの能力で止めることは可能じゃ。その空間で話そうじゃ。』

『そんなこともできるんですか!?』

『ふっ。わしを(あなど)るな。なんでもできるわい。27世紀当時の技術ならなぁ。』

『では、聞かせてください。このお話を』

『その前に、お前さんの名前を聞かせよ。』

『あぁ。俺の名前は曾右(そうう)夢莊(むしょう)です。あなたは?』

『わしは実験をしたゴルゴ・ローレンツ・バイ・タツヤの姉、ゴルゴ・ローレンツ・バイ・スミス。それでは話そうか。この世界について。』

そして話は始まった。



※※※

時は27世紀のこと。 1914から18年の第一次世界大戦後、世界は世界超安定期に入り、それ以来、今日(こんにち)まで、大きな人為的戦争はなく、自然の力にのみ、世界は動かされていった。そして 全世界は長崎会議により日本の配下となり、時点速度変化で閏年も2年に1度と決められた。世界は平和とはいえた。戦争はないからだ。しかしその代償として起こっていること、それは世界の不均衡である。それは世界が世界なりに成り立っていないと言えばいいだろうか。言葉では言い表せないような通りの通らないことが数多くあったのだった。例えば、世界は日本の配下というものの、それは概念的なもの、言わば今で言う『世界』という言葉になりつつあるのだが、それで世界は国々には一応別れていて公用語も違う中で世界な主要なリーダー的存在な人間は日本語をしゃべるのだ。他にもその人たちが日系人の顔をしていたり、ソ連がいつまで経っても解体しなかったり、かつての日本は国的には『倭』と呼ばれていたりする。そこで弟のタツヤがこの世界はあるパラレルワールド現象からできた間違った世界、『変界』と名付けた。そしてすべての矛盾が解消された世界を『真界』と名付けた。おそらく真界では『ファティマ第三の予言』という代物に基づく第二次世界大戦等が起きて、均衡が保たれているのではないかという仮定である。こんなことは証明できない上、仮定しかできなかった。しかしそれはタツヤへの(あなど)りだった。タツヤはさらに心臓を早く動かすことを利用して時を止める技術を生み出した。そしてそれの実験台に私が頼まれ、そのまま吹き飛んでここにきたってわけだ。

そして今度はこの世界の歴史について。実は今のこの21世紀の時代は日本が世界の侵攻を始めた時代。さっきも言ったが、支配は軍事的ではなく会議的にだ。その会議に至ったのは、日本の力が見せつけられたからだ。この時代、力を見せつけると言ったら、テロへの対処度だろう。それで日本が始めていくのはテロの自作自演。これから次々にテロを起こし、そのテロを解決を見せつけていく。それで今はその時代。きっとお前らもこの時代の渦に巻き込まれているのだろう。いやそうとも考えにくい。犯人がはっきりしない限りは…。

ここから、大きなテロが数えきれないほど起きる。覚悟せよ、この時代にいきる青年よ!




※※※

話は終わった。そんな複雑ではなかったが、今ではわからない感慨もあって、俺は少し考えていた。

『考えている暇はないぞ。青年よ。』

『俺は…』


俺は…!

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