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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第一章 始まりの炎編
9/83

第9話  新たな始まり

 コケコッコー

 外から鳥の鳴き声が聞こえてくる。

 

(もう朝か…)

 

 まだ眠いので、カインは二度寝しようと目を閉じた。

 だが、目を閉じる前に見てしまった。

 というより見えなかったという方がおかしい。

 何故なら―――――

 

「また潜り込んでやがる…」

 

 カインの真横に少女が寝ていたからだ。

 寝る前は確かに誰もいなかった。

 ということは寝ている間に入ってきたんだろう。

 鍵はちゃんと閉めた筈だ。

 だが少女の能力の前ではどんな鍵も意味を成さない。

 その少女とは

 

「ミラ…」

 

 天城ミラだ。

 最近、といっても数ヶ月前からこんなことが3日に1回位の頻度であるのだ。

 

(起こさないようにこっそり出よ…)

 

 カインはそろりと後ろに下がっていった。

 しかし、何かに当たった。

 前言撤回、1人ではなかった。

 

「リル!!?」

「………ん、はい…」

「何でいんの?」

「起こしに来たんですけど、寝ている二人を見ていたら段々と……」

「寝ちゃったと…?」

「……はい」

 

 リルは下を向いてしまった。

 

「まぁ良いや、とっとと行ってこようぜ」

「それって昨日言ってた……」

「『アース』だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カインとリルは準備を終えて今とある建物の前に来ていた。

 

「ここですか?」

「ああ、入るぞ」

 

 中に入っていくと、カウンターに眼鏡を掛けた長い赤髪の女性がいた。

 マンガを読んでいる。

 

「ボス来たぞー」

「ん?あぁ、カイン君!中に入っといて」

「あんたも来るんだよ」

「待って、これ読み終わったら……って、いだだだだだだだ」

 

 カインは女性を引っ張って奥に入っていく。

 リルもそれについて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、自己紹介から、あたしはスウェル・マクシード。ここのボスやってまーす」

「あっ、えーと、私はリル・コークレインです」(女性がボスなんだ…)

 

 スウェルは強引に連れてこられてマンガを没収されたのでふて腐れている。

 

「早速やけどあたしから仕事出したいと思っとるんよ」

「もしかして……私にですか?」

「せや、天秤座リブラ…やのうてレイウスから新人が来るって聞いてたんやけど―――――」

「ちょっと良いか?」

 

 スウェルはまだ続けようと思っていたらしく、話の腰を折られてまたふて腐れてしまった。

 

「おっさんはここに用事があるって言ってたんだけど、もしかして……」

「さすがカイン君!察しが良いやん」

 

 少し機嫌が直ったらしい。

 リルはスウェルがいまいち分からなかった。

 さらに何を言ってるかも分からなかった。

 だが次の言葉でようやく分かった。

 

「せや、あたしは大地を照らす13星座シャイニングゾディアック魚座(ピスケズ)や」

「やっぱな」

 

 これでカイン達は3人の大地を照らす13星座に会ったことになる。

 天秤座のレイウス。

 蠍座(スコルピオ)のDr,ジェット。

 そして魚座の我らがボススウェル・マクシードだ。

 

「俺からはこんだけだ」

「ほな、続けるで。でリルちゃんは『アース』に入るんか?」

「私は……」

 

 リルは先日、カインを傷つけてしまった。

 今後そういった事が起きないとは言い切れない。

 

「この前の事なら気にすんなよ?」

「!」

 

 心の中を見られていたのかと思った。

 カインはこういう面で妙な鋭さを発揮する。

 

「で、どないするんや?」

 

 スウェルは頬杖をついて聞いてきた。

 

「……入ります、入りたいです」

「よっしゃ、決まりや。という事でリルちゃんには決めてもらいたい事1つと、守ってもらたい事が2つあんねん」

「何ですか?」

「決めてもらいたい事は決め台詞や」

「えっ?」

「やっぱこれダサいんだって」

「まぁ、それはとりあえず置いといて…」

 

 リルは思わず声を上げてしまった。

 ちなみにカインとエリサの決め台詞は既に出ている。

 

「で、守ってもらいたい事は、ってゆーてもそんな固っ苦しいもんとはちゃうで?」

「何ですか?」

「1つ目は仲間を大切にする事、それが守れれば喧嘩でもなんしてもええから。けど2つ目、こっちの方が重要や」

 

 スウェルは一呼吸置いて続けた。

 

「絶対に生きて帰ってくる事や」

 

 生きて帰ってくる――――

 それは簡単なようで意外と難しかったりする。

 それだけセーブの仕事と言うのは、いつも死と隣り合わせなのだとか。

 

「分かりました!…で仕事って何するんですか?」

「せや、言い忘れるとこやったわ~」

「……まさか、あれか?」

「そう、そのまさかや」

 

 リルはまたしても何の話をしているか分からない。

 置いて行かれることが多いな、とつくづく思うリル。

 

「仕事は決め台詞を決めてもらう事や」

「…そういえば何で決め台詞がいるんですか?」

 

 何か重要な理由があるのだと思ったが…

 

「それは……あったほうが格好エエからや」

 

 案外どうでも良い理由だった。

 

「ほんでな、急に決めろ言うたって無理や思うねん。そこでや…」

「?」

「挨拶がてら、他のメンバーと一緒に仕事行って参考にしてほしいねん」

「で、俺はその付き添いだと?」

「当たりや、カイン君」

 

 そう言うと何かの紙をカインに渡した。

 というより、飛ばした。

 

「そこに、一緒に行ってもらうメンバー書いといたから」

「……あいよ、で話は終わり?」

「終わりやで」

「リル、ちょっと外で待っててくれるか?」

「………はい、分かりました」

 

 リルはカウンターで待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…上級闇族(ハイランクゲルティア)と戦ったんやって?どやった?」

「手も足も出なかったよ」

 

 カインはすんなり答えた。

 

「まぁ、その首巻取らんと勝つどころか、相手にもならんわな」

「……あと『聖冠団』に居場所バレた」

「そうか…ほんで?」

「ここにいて大丈夫なのか?」

 

 スウェルは黙る。

 

「ぷっ」

「?」

「はははははっ!」

「……何だよ」

「いやぁ、そんな事かと思ってな」

 

 カインは少しホッとした。

 

「駄目や」

「……………」

 

 思いがけない答えが返ってきた。

 カインはそれも当然かと思った。

 だが

 

「なんて、言うと思った?」

 

 カインはスウェルのこういうところは苦手だ。

 人を無駄に不安にさせる、こういうところが。

 

「久しぶりに会ってみよかな」

「誰に?」

「『聖冠団』の団長さんや」

「もしかして、そいつも…」

「大地を照らす13星座や。確か…双子座ジェミニやったかな」

「……そうか、じゃあ、終わったしもう帰るわ」

「最後にカイン君、分かってると思うけど…」

「あぁ、仲間がいる所じゃこれは外さねぇよ」

 

 そう言ってカインは首巻を指差す。

 それを聞くとスウェルは安心してバイバーイと手を振った。

 

「罪を犯した者には必ず罰が下る…か」

 

 そう言って立ち上がるスウェル。

 

「若い子に任せるのもエエけど、大人しか出来ひんこともあるからなぁ。あと、今度リルちゃんに力の使い方教えてあげなあかんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カインとリルは家に帰って来ていた。

 そしてカインは自室に戻り、スウェルに渡された紙を見る。

 

「んで、最初は誰だ?……げ、こいつからかよ」

 

 カインは最初に書かれている名前を見て溜め息をついた。

 

「レックス・セルベシア……」

第9話いかがでしたでしょうか


(スウェル)「ヤッホー」

(雪龍)「今回はスウェル!?」

(ス)「せやで、リルちゃんより先に来てもうたわ」

(雪)「まぁ、良いんだけど」

(ス)「せやけど次回からはここ人物紹介になるから来れへんやん」

(雪)「…まぁ、リルは当分出れないけども…」

(ス)「次回からはリルちゃん中心やもんな!」

(雪)「そう!次回からは【セーブ『アース』編】です!」

(ス)「お楽しみにな~」

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