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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第六章  咎めの闇編
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第78話  新旧蛇遣い座達

「"P"=Plant」


 タイルの床から植物が大量に生える。

 床からだけではない。

 壁からも天井からも生えてくる。

 まるで植物園のようだ。


「何考えてんのか知んネェけどさァ、アポン、テメェとは一対一でやりテェ訳な訳よ」

「何て?ちゃんと解るように喋ってもらえる?」

「そーゆー所がさァ……」


 ソール=Sは裂けた口を歪める。


「マジでウゼェんだよッ!!魔錬具破動改造ッ!!」

「っ!いきなりかよ……!!」


 アポンは足元に気配を感じる。

 見下げると、地面から蛇が湧いて出て来ていた。


「な、何!?キモいんDAKEDO!」

「ガキんちょ!絶対に噛まれるな!」


 アルティスは言われる前から逃げ惑っていた。

 こんな少女が大地を照らす13星座シャイニングゾディアックの一人だと言うのだから不思議だ。


「アイツは大丈夫だな……問題はこっ、ち……」


 腹に鋭い衝撃。

 振り返ると、そこには禍々しい爪が両手を覆っているソール=Sが。

 その爪はアポンの腹を貫いている。


「オレ様を忘れちゃってなかったかァい?」

「ッ……………はっ、忘れてる訳ねーだろー」


 アポンの背中から木の槍が飛びだし、ソール=Sの左肩に突き刺さる。

 しかし、禍々しい爪が傷を塞ぐ。


「コリャぁ…………」

身代り木製人形(ウッドスケープゴート)。オレの十八番だ」

「逃げるのが大得意なテメェがよく使ってたやつか」


 お互いの手の内は大体読まれているらしい。

 この勝負、アルティスの存在が大きいのだ。


「つーか、このウザい蛇共さ……」


 アポンが手を横に出す。

 すると、天井から木が伸びて、地面に居る蛇を押しつぶす。


「掃除しても良かったんだよな?」

「………蛇を倒しただけで図に乗ってンじゃネェよ」

「ならアンタも蛇出す以外の攻撃しろよ」


 ソール=Sの魔錬具『蛇死爪』。

 その破動改造された姿『煉獄蛇死爪』。

 その爪には猛毒がある上に、蛇を呼び出す力を持つ。

 その蛇の牙にも猛毒が仕込まれている。


(あの爪に掠っただけで終わり。蛇に噛み付かれても終わり、か)

「何か作戦NAINO!?」

「作戦っつってもなー………そう言えば、お前の破動って何だよ」

「言わないとDAME?」

「言いたくないなら別に良いが」

「―――――死ぬゾ」


 いつの間にか、二人の間にソール=Sがいた。

 そして、そのまま、二人の体を鋭い爪を貫く。


「………また身代りカよ」











「教えなかったらあーなるぞ」


 アポンとアルティスは茂みに隠れていた。

 相手は一人だが、かなり厄介だ。


「仕方ないNE……。教えてあげるYO」


 アルティスがアポンに耳打ちをする。

 その能力は、まさに一撃必殺。


「KEDOコレ使うにはかなり時間が必要なんDAKEDO」

「しゃーねー。そん位の時間は稼ぐ」


 そう言うと、アポンは茂みから飛び出す。

 いつの間に作ったのか、手には木刀。


「お、自分から出てキタナ」

「ぶっ飛べ……!!」

「あん?」


 アポンは木刀を横に薙ぐ。

 しかし、いとも簡単に弾かれる。


森羅磐衝しんらばんしょう!!」


 アポンが地面に手を付くと、全ての植物がソール=Sに襲いかかる。


「こんな技で倒せると、思っテンのかァッ!?」

「思ってねーよ」


 背後からの声に振り返る。

 アポンが木刀を引いている。


「これで終いだ!」


 引いていた木刀を突き出す。

 木刀とは言え、先端は尖っている。


「何が終わりだァァッ!!」


 力に任せて腕を振り回す。

 爪がアポンの腹を横に切り裂く。


「―――――アンタさ」


 またもや背後から声。

 背中に掌を当てられている。


「後ろ、取られ過ぎ」

「っ―――――!!」

散枝翠明さんしすいめい


 アポンが言うと、ソール=Sの全身から、皮膚を突き破り木の枝が突き出て来る。


「グォォオオオッッ!!!」


 ソール=Sは発狂し、地面に倒れ込んだ。

 その様子を見ていたアルティスは不服そうに茂みから出てくる。


「MOU!倒しちゃったらmeの出番無いJAN!」

「バカ!まだ終わってねぇ!」


 ガプッ。

 そんな音が、アポンの足からした。

 蛇が噛みついている。


「しまっ……!」

「今度はニセモンじゃなかったミテェだナ」

「E!?どういうKOTO!?」

「クソッ!ウゼェ!」


 アポンは噛みついている蛇を潰す。

 ソール=Sからは黒い靄が出ている。


「聞いてんだろ……コイツ等は、体の中に、闇族ゲルティアを……」

「ヒャハ~、オレ様のはただの闇族じゃネェ」

「どういう事だ……?」

「オレ様の体ン中にイんのは五闇柱ゲルフィーアが一人、ジャックだァ!」


 以前、シルゴートが戦ったダイダラボッチと同じく、五闇柱。

 だが、それを聞いてアポンは笑い出す。


「おもしれー……おもしれーなー……」

「あ?」

「アンタを倒したら五闇柱を一つ潰したようなもんなんだろ?」

「……テメェ、そんなナリでよくそんな事が言えたモンだな」


 今のアポンは、足はふらつき、手は震え、口や鼻からは血を流し、目は焦点があっていない。

 そんな状態で尚、笑っている。


「持って後10分クレェか?」

「バカか。こんなナリだからこそ言えんだろーがよー……がきんちょ、アレの準備しとけ」

「わ、わかっTA!」


 アルティスは後ろに下がる。


「そうか、これが死にそうって事なのか……」

「あ……?」

「今まで面倒な事は避けてきたから解んなかったわー……」


 ソール=Sはアポンの目を見て慄いた。


「ありがとう。死ぬ前に、勉強できたわ」


 アポンの目は、既に生者のそれではなかった。

 完全に死を悟った目。

 否、死人の目。


「ま、勉強面倒だったから―――――」


 アポンは高速でソール=Sに迫る。

 既に、生きて帰る事を諦めている。


「嫌いだったんだけど」


 アポンは今出せる全力でソール=Sを殴り飛ばす。

 殴られたソール=Sは後方に吹っ飛び、壁に激突する。


「なっ……!?」


 ただ、殴られただけならここまで驚きなどしない。

 いつの間にか、壁に木刀が刺さっており、それが更にソール=Sの腹を貫いた事に驚いたのだ。


「―――――散枝翠明」


 地面に手を付いて言う。

 すると、地面から鋭く尖った木の枝が飛び出す。


「クソッ!」


 地面から飛び出る枝を両腕でなぎ払う。

 だが、アポンは攻撃の手を緩めない。


「森羅磐衝」

「ウゼェェンだよォォッ!!!」


 襲ってくる植物を全て薙ぎ払う。

 すると、植物に隠れて近付いてきていたアポンが、目の前で木刀を振りかぶっていた。


「ァァァァッッ!!」


 アポンが爪に貫かれる。

 だが、それは身代り木製人形だった。

 本体はソール=Sの背後。


「テメェのその手もイイ加減飽きテんだよ」


 アポンの首に蛇が噛みつく。

 それと同時に、アポンは手に力が入らなくなり、木刀を落とした。


「が……あ………」

「やっと大人しくなったナァ」

「………オレ達の、勝ちだ……」

「はァ?」


 そこで、ソール=Sは気付いた。

 両腕が動かない事に。

 見れば、両腕が木で固定されている。


「……ハッ、オレ様の動きを止めヨーが、テメェは死ヌンだよ」

「だから……言ってんだろ……」


 アポンは笑って言った。


「オレの勝ちだ、ってな……」


 アルティスからはげ問い光が放たれる。

 どうやら準備が整った。


「……行け、ガキんちょ」

「な、何する気だ……!?やめろォッ!!」

「"A"=―――――」


 ソール=Sは両腕を固定されて身動きが取れない。

 つまり、躱す事が出来ない。


「All」


 そこで、アポンの意識が無くなった。

 心なしか、アポンは、笑顔だった。

ちょっとアンケート取ります。


この作品が終わった後の事についてです。

詳しくは言えませんが、予定では最終章で完結となっています(当然だろ)。

その後、続編的な物も書けるような終わり方なんですが……正直見たいですか?

短編で番外編みたいなのをするという手もあります。


①見たい

②どちらでも良い

③本編だけで良い

④短編で良い

⑤短編も別に良い

⑥新作作っちゃいなよ

⑦その他(この場合は、どうすればいいか書いて頂けるとありがたいです)


選択肢は以上7つ位で良いのかな……。

とりあえず①が3人以上居たら、続編考えます。



これは、活動報告と同じ内容なので、そちらに答えて頂いても構いません。

よろしくお願いします。


あ、これは活動報告では言ってませんが、答えが無かった場合は自動的に⑥になります。

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