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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第六章  咎めの闇編
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第76話  出発

 カインはとりあえず、頭の中を整理する為に家に帰った。

 蟹座キャンサー、クラビス・オールメスはタダで死んだわけではなかった。

 クラビスは30人の『闇の幻影』に襲われたのだ。

 クラビスが魔術師なので、多人数で攻めた方が良いと思ったのだろう。

 魔術師は基本、後方支援。

 1対30等、幾ら13星座の一人と言えど、勝ち目はかなり低かったのだ。

 しかし、先程も言ったようにタダでは死ななかった。

 29人を道連れにしたのだ。

 そして、残った1人に発信魔術を付けたのだ。

 発信魔術とは、ものの居場所を特定の受信機に発信するという物。

 そのおかげで、『闇の幻影』のアジトの場所の特定が出来たのだ。


 そして、明日、大地を照らす13星座シャイニングゾディアックの総力を挙げて『闇の幻影』を叩く事になった。

 それに、13星座の部下の破動輝流士も参加する事となった。

 つまり、『アース』のカイン、リーフ、カレン、クラウン(スランは負傷の為参加せず)や『聖冠団』のアルバシスや、ダルトも参加する事となったという事だ。


「ただいま」


 カインは力なく挨拶をして、家に上がる。

 すると、リリカが誰にでも解る位焦って走ってきた。


「カイン!大変!!」

「どうした?」

「スランが!いなくなったの!!」

「……別にアイツなら大丈―――――」


 その時気付いた。

 もし、スウェルの部屋での会話を全て聞いていたとしたら。

 いくらリリカが治療したとはいえ、完治どころか、深い傷は激しい動きをすればまた開いてしまうだろう。

 彼は恐らく、止められると思ったのだ。

 いや、実際に止めるが。

 今回の件は、スラン自身に大きく関係している。

 自分には何も関係が無いのなら、無理して行こうとはしないだろうが、今回ばかりは違うのだ。


「あのバカ……!!」


 カインは家を飛び出す。

 スランを見つけるのはかなり難しいだろう。

 彼の耳の良さは正直、捜す方としては厄介だ。

 なんせ、足音を聞きわけ、近付いても逃げられてしまう。

 だが全て、万全の状態だったらの話だ。












 とは言っても、見つけるには苦労した。

 あの傷では遠くまでは行けないだろうと、高を括って近くから捜し始めたのだが、案外遠くに居た。


「捜したぞバカヤロー……」

「捜すなよバカヤロー」


 スランはベンチに座っていた。

 顔色が悪い。脇腹は血が滲んでいる。


「傷開いてんじゃねぇか。ほら、帰って治療してもらうぞ」

「こんなのツバ付けときゃ治る」

「よし、じゃあさっさと付けろ。そして帰って治療してもらうぞ」

「お前はオレの何なんだ?母親か?」

「せめて父親だろ」

「世話を焼かすな」

「お前がな」


 頭に血が回ってないのかもしれない。

 いや、普段からこんな感じと言えばこんな感じなのだが。


「……全部、聞いてたんだろ?」

「それはどうかな。オレは何も聞いてないし、何もしていない。無罪だ」

「全て聞いてるし、実際に逃げ出してる。有罪で執行猶予なしだ」


 二人は睨みあう。

 スランは脇腹を抑えながら立ち上がる。

 カインが支える為に近付こうとするが、顔の真横を音の衝撃波が飛んで行った。


「分かってんなら誤魔化さなくて良いか。そうだ、全て聞いてた。そして、オレは行くぞ」

「勿論俺は止める」

「言っとくが、説得しようと思ってんなら無駄だぞ」

「だろうな。だから―――――」


 カインは右手に青い炎を灯して言った。


「ぶん殴って止めてやる」











 結果だけ言うと、ドローだった。

 というのも、スランがすぐに貧血で倒れたからだ。


「ただいま~……」


 カインはスランを背負って来たのだが、男一人を運ぶのが案外辛かったようで、スランを下ろすと、そのままうつ伏せに倒れた。


「きゃぁぁっ!!!」

「あ?」


 カイン達を見たリリカが叫び出した。

 正確には、カインを見たリリカが叫び出した。


「何だよ」

「な、何って……背中大丈夫なの?」

「背中?」


 背中を見てみると、スランの血で真っ赤だった。

 ここまで背負って来たのだから当たり前だ。

 しかも、この状態で倒れていた為、背中をザックリやられたと思ってしまったのだろう。


「俺は普通に大丈夫だからスランの治療を頼む……」

「だ、大丈夫じゃないわよ!」


 どうやら、台詞的に重傷を負っていると本当に思われてしまったようだ。

 この後、誤解を解くのにおよそ10分掛かったそうだ。











 翌日。


「ほんなら、準備はエエか?」


 スウェルが振り返った先には、カイン、リーフ、カレンがいた。


「……で、何でクラウンはおらんの?」

「いや、俺は知らねぇけど」

「私も同じく知りません」

「つーか、アンタが知らねぇのに俺達が知るかよ」

「それもそうやな」


 このまま待っていると、時間に遅れるので出発する事になった。

 しかし、ここでの彼の不在は、この後、色々な波乱を起こす事になってしまう。


「ほな、行くで」

「ああ」

「ええ」


 リーフ、カレンに続いてカインも無言で頷く。

 そして、四人は歩き出した。

(雪龍)

「あ~、この章も長いよ~」

(カイン)

「では訊こう。予定では何話だ?」

(雪龍)

「今回入れずに12~14!」

(カイン)

「長ッ!何故だ!」

(雪龍)

「バトルの後も数話会話が続くような展開の予定~」

(カイン)

「マジか」

(雪龍)

「しかもバトルなんて色々省いて9話予定だよ?」

(カイン)

「おぉ……しかも今回は13星座のバトルがあるからな」

(雪龍)

「……ふぅ、未来の話はやめよう。えーっと、行間章のアイディア待ってます。なんなら活動報告の方に書いてもらっても良いんで」

(カイン)

「次回もお楽しみに」

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