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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第五章  『せせらぎの宿』編
66/83

第64話  今回は何を?

『アース』メンバーは今山奥にある宿屋の目の前に居た。

 周りは綺麗な木々が立っていて、小鳥の鳴き声も聞こえてくる。

 

 スウェルは周りを見渡して誰もいない事を確認した。

 そしてスウェルが息を思い切り吸い込む。

 それと同時に他の全員が耳を塞ぐ。

 

「アポン君ーっ!!来たでー!!」

 

 スウェルの大声がやまびことなって響き渡る。

 しかし、誰も出て来ない。

 

「おらんのかなぁ。おーい!アポン君ー!!」

 

 再度スウェルの大声が響き渡る。

 しかし、誰も出て来ない。

 

「おしかいなぁ。アホン君ー!!」

「誰がアホだぁぁっ!!!」

 

 スウェルは突然何者かに後ろから飛び蹴りをされる。

 蹴られた衝撃でスウェルは思い切り前に吹っ飛ぶ。

 まぁ、このタイミングで出てくるのはアポンという人しかいないだろうが。

 

「いたた……」

「よぉ~、ウェルちゃんじゃん。元気してた?」

 

 そう棒読みで言ってアポンと思われる人は手に持っていたバケツの中の水を全てスウェルにかける。

 後ろの方でリルがかなり引いている。

 

「それで、誰がアホだってぇ?」

「あ、あれはウソやって。アポン君は超が100個付く位天才やって」

 

 スウェルは顔をひきつらせてアポンに言う。

 アポンの容姿は紙は紫色で、前髪は左目に少しかかっている。

 背は低くスウェルと同じ位(スウェルは161cm)。

 

「……まぁ、良いや。今回は皆傷だらけなんだな。言っとくけどオレ治癒は出来ないぞ?」

「エエねん、エエねん。出来るなんて思うてへんし」

「だろうねー。オレにできんのは人を痛めつける事だけだし」

 

 その言葉にリルは少し恐怖を覚えた。

 棒読みでこんな事を言う人を見たらこうなるのも仕方ない。

 

「とりあえず入りなよ。今回も代金はいらないから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宿屋の中はかなり広かった。

 だが、客らしき人どころか働いている人も全くいない。

 

「ほんなら部屋割り決めるで。希望がある人は聞くで」

 

 とか言いながらスウェルは紙に部屋割りを書いていく。

 そして書き終わった紙を全員に見せる。

 

 部屋割り

 ・カイン、リーフの部屋―――101号室

 ・リル、リリカ、エリサの部屋―――102号室

 ・スウェル、ミラ、アリスの部屋―――103号室

 ・イグルス、ヒルグ、レックスの部屋―――104号室

 ・シュード、リアンの部屋―――201号室

 ・カレン、アイシュの部屋―――202号室

 ・佐祢丸、ヤグモの部屋―――203号室

 ・アダン、スランの部屋―――204号室

 ・トルージュ、カリアスの部屋―――301号室

 ・デルス、クラウンの部屋―――302号室

 

 これで全員居る筈だ。

 

「え~、私カインとが良い」

「うぉっ!?」

 

 そう言って入ってきたのはミラだった。

 丁度居なかったメンバーも着いたようだ。

 ミラは花見は渋っていたが、ここに来るのは良いらしい。

 

「流石に男の子と女の子が同じ部屋はアカンやろ」

「トルージュとカリウス一緒じゃん」

「コイツら姉弟やろ」

 

 その後、およそ10分程ごねていたが、なんとか部屋割り通り分かれる事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 101号室。

 

「そういやお前と二人きりって久々だな」

「そうだったか?」

 

 カインとリーフはゆったり寛いでいる。

 そう言えば大半のメンバーは着替えとか持ってきていない気がするのだが…。(そこはツッコまないでね)

 

「今回は一体何すんだろうな」

「前回はじゃんけん大会だったな。あの人が考えたにしてはつまらなかった」

「前々回の超花火大会で山火事になりかけたから自重したんだろ?」

 

 超花火大会とはその名の通り花火を皆でやったのだ。

 楽しくやっていたのだが、途中から皆輝流を使いだして滅茶苦茶になった。

 そして、カインが炎を使ってはしゃぎ過ぎた為山火事になりかけたのだ。

 

「今回は気を付けないとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間はかなり飛ばして夕食の手前。

 全員大ホール的な所に集まっていた。

 え?何で飛ばしたのかって?

 特に面白い事がなかったからさ!

 

「そう言えば、ここって従業員いませんでしたよね?」

 

 リルが隣に座っているカインに尋ねる。

 余談だが全員浴衣に着替えている。

 

「ん、ああそうだな」

「それなのにこれだけの人数の料理なんて作れるんですか?」

「それについてはもうちょいしたらわかるよ」

 

 カインが言った瞬間、ふすまがバッと開く。

 そこから入ってきたのは料理を持った160cm位の木の人形だった。

 

「え、え~っと……」

「あれはアポン君の輝流で作られた木製人間ウッドドールだ」

 

 カインがリルに言った瞬間、アポンがカインの頭を叩く。

 そして更に叩く。

 叩く、叩く、たたく、タタク……

 

「叩き過ぎだろ!!」

「ピースカピースカうるせーよ」

「そんなの言ってねぇよ!つーか何であんなバコバコ叩いたんだよ!!」

「年上に対して君付けは駄目だろーよ。年上は敬いまくってひれ伏せよ」

「それ伝えたかったなら口だけで良いだろ!!てかお前が何歳かなんて知らねぇよ!」

「ちょっとは罰を与えなきゃ駄目だろ?因みにオレはウェルちゃんと同い年だ」

 

 アポンは「オレは忙しいんだ」とか何とか言って何処かに行ってしまった。

 忙しいのにカインに絡む時間はあったんだね。

 

「何なんだよ、全く……」

 

 その後、『アース』メンバーは楽しく食事をしたのだった。

 木製人間が作った料理はかなり美味かったのだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『せせらぎの宿』の一室

 スウェルとアポンは向かい合って話をしていた。

 

「ウェルちゃんはまだ大地を照らす13星座シャイニングゾディアックにいるんだよな?」

「せやで?そういや、アポン君の後釜の更に後釜の子、女の子になってんけど山羊座カプリコーンにメロメロやねん」

「へー、それは一回見てみたい」

 

 アポンは純粋に思っているのだが、話している言葉が全て棒読みなので感情が全く伝わって来ない。

 

「そういえばさ、今回は何する気なんだ?」

「肝試しやろうかと思ってんけど反応がもう目に見えてんねん。何かエエのあらへん?」

「……なら良いのがあんだけどさー。それやってみる?」

「……どんなんや?」

 

 アポンがスウェルに耳打ちをする。

 それを聞いているうちにスウェルが黒い笑みを浮かべ出す。

 

「………こんなとこかな」

「エエやん、今回はそれにしよう!ほんなら明日の昼までには考えとくわ」

 

 スウェルは部屋を後にした。

 アポンはさっきの話を思い出していた。

 

「今度の子は女の子かー。ロアールの言う事はいつも適当だな」

 

 アポン・カスタマイゾ・ヌべルボッチャー。

 元大地を照らす13星座の蛇遣い座(オフィウクス)

 彼が何故蛇遣い座をやめたのか、その理由はというと…

 

 

 

『マイナスイオンが恋しくなったから』だそうだ。

(雪龍)

「やっとアポン君出せたーーっ!!」

(カイン)

「スゲェ楽しみにしてたよな」

(雪龍)

「うん!アポン君だけの番外編を書きたい位好きなキャラだからね!」

(カイン)

「書くのか!?」

(雪龍)

「ネタが思いつかないから書かないよ」

(カイン)

「そ、そうか」

(雪龍)

「まぁ、次回もお楽しみに!」

(カイン)

「お前が一番楽しみにしてるんじゃね?」

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