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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第五章  『せせらぎの宿』編
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第63話  From『聖冠団』to『せせらぎの宿』

 カインは目を覚ました。

 リルも全く同じタイミングで目を覚ましたようだ。

 

「とまぁ、カイン君と『聖冠団』の過去はこんな物だよ。大分飛ばしたけどね」

「何で私達にあれを見せたんですか…?」

「それは……」

 

 ウィンツがカインの方を見る。

 カインは頭を抑えて蹲っていた。

 

「黒い炎……何だあれは…!!」

「さぁね。それは僕にも解らないよ」(あの時の事は思い出せなかったか)

 

 カインは大分落ち着いたのか頭から手を離す。

 リルはまだ心配そうにしている。

 

「たった今『聖冠団』のメンバーの記憶を元に戻した。あの事件のな」

「アルバシス……」

「それとお前の指名手配も取り消す。今まで悪かったな」

「別に良い」

 

 カインは立ち上がるとそのまま部屋の外に歩き出す。

 

「ちょっ、カインさん、もう行くんですか?もうちょっとお話をしても……」

「必要ねぇよ」

 

 カインは振り返る。

 そして苦笑して言った。

 

「話位ならいつでもできるからな」

「そう、ですね」

 

 カインは踵を返し再度歩き出した。

 リルも立ちあがってカインの後をついていく。

 カインは右手を挙げて背中越しに言った。

 

「またな、『聖冠団』」

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カインーーーッ!!!」

 

 廊下を歩いているとミナスが飛びついて来た。

 何故か号泣している。

 

「カイン!行っちゃうの!?」

「ああ、でもまた遊びに来てやるから、な?」

「……そうだ!あたしも遊びに行って良い!?」

「俺は良いけど……」(あいつは何て言うかな……)

 

 カインは家で待っている少女を浮かべながら苦笑する。

『聖冠団』のメンバーを家に読んだりしたらどう言うだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カイン達が外に出ると『アース』のメンバーが揃っていた。

 カインは知らなかったがクラウンもいる。

 何故か戦闘モード。

 そしてこちらも何故かデルスもいる。

 こちらに関しては本当に謎だ。

 

「おい、カイン。ボス見なかったか?」

「あ?何でお前いんだよ」

 

 クラウンはカインにチョップを喰らわせる。

 

「オレの質問に答えろ。次答えなかったらどうなるかわかってるよなぁ…?」

「はぁ……いなかったよ。俺が知る限りではな」

「そうか」

「クラウン君、あたしの事捜しとったん?」

 

 いつの間にいたのかスウェルがカインにおぶさっていた。

 因みに輝流を使って重さを限界まで減らしているので、カインは重さで気付く事はなかった。

 

「アンタ……どこにいたの?」

「団長室でウィン君とお喋りしとったんやけど、副団長君が来た時から姿と気配を消しとってん」

「……あっそ」

 

 理由は聞かない。

 聞いた所でどうせ『何となく』と帰ってくるのは間違いない。

 

「てかここにいねぇメンバーってリリカとアダンとヤグモだけじゃね?」

「ホンマやな。珍しくスランもおるし」

「いや、トルージュさん達もいないですよ」

 

 全員カインに近寄ってくる。

 色々言われたのは良いが、一々背中を叩くのはやめて欲しかったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アース』メンバーが帰っている途中(歩いて)スウェルが突然言い出した。

 

「よっしゃ!丁度エエ時期やしあそこ行こう!!」

「あ~、そういやもうそんな時期か」

「にしても今日行くの?」

「エエやん!結構揃っとんやし」

「ならリリカとミラも呼ばねぇと怒られちまうな」

「……まずあそこって何処なんですか?」

 

 リルは入ってまだ間もないのでメンバーが言う"あそこ"という場所を知らない。

 

「リルさんはご存じありませんでしたか」

「そもそも僕はこの子に会ったの事態初めてなんですけどー」

「私達『アース』は半年に一度、行く所があるんです」

 

 デルスはシュードを普通に無視し、説明をした。

 シュードは「無視されたー。泣いちゃいそうですー」と平然とした顔で言っていた。

 

「それってどこですか?」

「それは『せせらぎの宿』という旅館ですよ」

 

 リルはその単語をどこかで聞いた事がある気がした。

 …………思い出した。

 

「もしかしてそこって……」

「おや、ご存知でしたか?」

「アポン・カスタマイゾ・ヌべルボッチャーさんの…?」

「その通りですよ」

 

 以前カインとエリサが言っていたのだ。

 ただどんな所かは知らなかったが。

 

(本当にそんな人がいたんだ……)

「一応リリカとミラとヤグモとトルージュ達には連絡したぞ。多分同じ位に着くだろ」

「どうやってしたんですか?」

「イグルスの鳥に手紙持たせた」

 

 まさか輝獣を伝書鳩のように使うとは。

 やはりイグルスはカインの言う事なら何でも聞くだろう。

 

「後はアダンやけど……アダーン!出てこーい!!」

 

 とてもそんな呼び方では出て来ないというのはリルでも解る。

 だがそこは『アース』。

 いつも予想の斜め80度上を行く。

 

「何か用ですか?」

「本当に出てきた!」

 

 どこからかカインと同じ位の年であろう少年が現れた。

 真っ白い雪のような長髪で、顔の下半分を包帯のような物で巻いている。

 

「いっつも付き纏うんはエエけど何で隠れんねん」

「貴女を影で守る。それだけ」

 

 彼こそが『アース』の二大不可視輝流士の一人であるアダン・ソマルスである。

 

「まぁエエわ。今から『せせらぎの宿』行くから。付いてきてもらうで」

「不本意。しかし貴女の命令ならば遂行致す」

「よしっ!ほんなら皆!行っくでー!!」

 

『アース』一行は傷も癒えぬまま(・・・・・・・)『せせらぎの宿』へ向かう事になった。

(カイン)

「久し振りにここに来れたな」

(雪龍)

「過去編も終わったからね」

(カイン)

「しかしあのまま『せせらぎの宿』とは……」

(雪龍)

「そういう思いつきで生きているところがスウェルクオリティ」

(カイン)

「そうだな。次回からは久々にシリアス展開から脱却だ!」

(雪龍)

「ということで次回もお楽しみに!」

(カイン)

「あと感想も待ってるぞ」



ヤグモさんをすっかり忘れていた…。

トルージュさん達も忘れていた…。


俺のバカヤロー!!

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