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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第四章一部  総力戦ゲーム編
53/83

第51話  その力、砕ける事なく

戦績を変えました。

「ったく、皆一瞬で消えるんだもんな……」

「テメェも今消えようとしてるだろ」

「あ?……いつからいたんだ?」

 

 リーフのいる部屋にいるのは銀髪、釣り目、口が悪いという悪ガキ三拍子を兼ね備えたイカツイ青年だ。

 まぁこの三つでそう言うのは偏見以外の何物でもないが。

 

「オレは『聖冠団』第二部隊隊長、シン・エイルハーンだ」

(第二部隊隊長って事はカインの後釜か?てか急に何で名乗ったんだ?何かの作戦か?)

 

 バカの心得その壱。

 とりあえず色々考えてみる。

 

「考えても仕方ねぇか」

 

 バカの心得その弐。

 考えてみるもののすぐ諦める。

 

「さて、そろそろ始めっか」

「テメェ自分も名乗ったらどうだ?」

「ん?名乗ってなかったっけか?」

 

 バカの心得その参。

 細かい事は忘れて次に行こうとする。

 

「俺はリーフ・クリーク。お前らが良く知ってるカインの弟だ」

「……そうか。まぁ、相手が誰だろうと『聖冠団』に楯突くモンは消してやる」

「知るかよ。こっちは忙しいんだ。サクッと終わらせてやんよ」

 

 リーフは銃を取り出し、右手で構える。

 そう言えば初期にしてたゴーグルってしてないね。

 

「さぁ、始めるぜ?」

「ああ、そうしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前のその力、俺が預かるから」

「はぁ?」

 

 これは3か月程前、修行を開始してすぐロアールにこう言われた。

 

「説明は後だ。とりあえず」

 

 ロアールがリーフの頭に手を置く。

 リーフの体から力が抜けていく。

 

「こんなもんだろ」

 

 ロアールは手を離す。

 リーフはその場に崩れ落ちる。

 

「何…しやがった…!!」

「お前から死力を抜き取った」

「はぁ!?」

 

 リーフはロアールに掴みかかろうとするが簡単に止められる。

 

「まぁ聞けよ。あのまま力を持っててもお前は死んでたぜ。おそらくな」

「どういう事だ…?」

「お前は元々破動を使えたわけでもねぇんだ。なのにいきなりあんな大きな力を手にしたら体が付いて行かなくなっちまう」

 

 リーフは黙って聞いている。

 

「とりあえずお前の体がこの力に耐えれるようになったら返してやるよ。ま、破動は残しといたがな」

「……わかった。失くすんじゃねぇぞ?」

「任せときな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リーフは実弾を放つ。

 シンは軽く躱す。

 

「おいおい悲しいな。こんなに簡単に躱されるなんて」

「こんなもんじゃねぇだろ」

 

 リーフは表情を変えずに実弾を全て放つ。

 しかしやはり躱されてしまう。

 

閃光弾(フラッシュショット)

「!!」

 

 シンは動き出すのが一瞬遅れ、光の弾が肩に被弾する。

 被弾した所が焼ける。

 

「輝力を装填し、放つのか」

「そうだ。テメェの能力は?」

「言う訳ねぇだろ。クズ」

 

 リーフはニィッと笑い、銃に輝力を込める。

 

「誰がクズだ!空裂連射(スカイガトリング)!」

 

 小さい弾を大量に放つ。

 シンは怯むことなく、手を前に出す。

 

「三点、赤青緑、闇」

 

 赤、青、緑の点が混ざって広がり、シンの前に黒い壁を作る。

 光の弾は黒い壁に呑み込まれた。

 

「何だ?それ」

「テメェみたいなバカでも色位知ってるよな?」

「当たり前だろ。俺を何だと思ってんだ」

「じゃあ炎は何色だ?」

 

 リーフは少し考える。

 大抵の者は『赤』と答えるだろう。

 しかし引っかけかもしれない。

 なんせカインの破動を見た事は青い炎なのだから。

 そしてシンはカインの後釜。

 つまり―――

 

「青だ!!」

「赤だろ」

 

 引っかけではなかった。

 

「……それでその炎が何だってんだ?」

「本当に色が解っているのかの確認だったんだが……やっぱテメェみてぇなバカには難し過ぎたか」

(バカっていう方がバカなんだよ!バーカ!)

 

 自分で言っているではないか。

 

「オレは原流士、能力は『色彩点カラービット』」

「……?」

「色にはそれぞれ属性がある。赤なら燃え、青なら凍る」

 

 つまり色彩点の色によって能力が変わるという事。

 

「黄色は―――――」

 

 黄色の色彩点を自分の体に取り込む。

 するとシンの体が光り出す。

 

「速くなる」

 

 一瞬でリーフの目の前に移動する。

 

(なっ!速ぇっ!)

「遅ぇよ!」

 

 一瞬で赤の色彩点を腕に取り込み、リーフを殴る。

 そして殴った所が燃え、リーフは数メートル吹っ飛ぶ。

 

「っ!何だアイツ、急に速くなりやがった…!!」

「この程度か?」

「閃光弾!!」

 

 先程と同じ弾を発射する。

 シンは少し面倒そうに躱す。

 

(……?)

「さっさと決めさせてもらうぞ」

 

 リーフは何か違和感を感じる。

 それが何なのかまではまだ分かっていないが。

 シンは黄色の色彩点を体に取り込む。

 

「何回も喰らわねぇぞ」

 

 リーフは自分とシンの間の地面を撃つ。

 シンは道を遮られ一瞬動きを止める。

 その隙をリーフは見逃さなかった。

 

帝王の断罪(エンペラーキャノン)!!」

「っ!三点、闇!」

 

 まるで大砲でも放ったかのような弾を黒い壁が呑み込む。

 

「面倒だな。やっぱここは―――――」

 

 リーフはもう一つ銃を出し、シンに向ける。

 

「質より量か。空裂連射!」

 

 先程の倍の量の弾を放つ。

 シンは黄色の色彩点を取り込み、高速で避ける。

 しかし全て避け斬る事は出来ずにいくらか喰らう。

 その時、リーフは先程の違和感が何だったのか気付いた。

 

「はっ、どうしたんだ?さっきみてぇに黒い壁で防いでみろよ」

「あぁ?あんなの黄色だけで十分なんだよ」

「いや、違うな。もうできないんだろ(・・・・・・・・・)?」

 

 リーフの言葉にシンは何も言い返さない。

 

「テメェの色彩点は輝力を大量に使うのか知らねぇけど、せいぜい後2,3個が限界なんだろ?」

「それはどうだろうな」

 

 シンは二つの黄色い色彩点を取り込む。

 

「これは一つで10倍の速さになる。じゃあふたつだとどうなると思う?」

「……20倍?」

「100倍だ」

「なっ―――――」

 

 リーフは声を上げる間もなく壁に叩きつけられる。

 本当に一瞬で何も見えなかった。

 

「ぐっ…」

「まだだ」

 

 見えないがシンが何度も殴っているのだろう。

 一発の重みは普通の一発と大して変りないが、かなりの速さで、しかも連続で殴られている為、かなりのダメージが来る。

 シンの拳が段々遅くなる。

 

「……もう終わりだな」

 

 いくらか骨が折れているだろう。

 リーフは壁に埋まっているようなものだった。

 シンは踵を返し、部屋を出て行こうとする。

 

「待てよ……」

「!!!」

 

 ガラガラと瓦礫の落ちる音がする。

 振り返るとリーフがよろけながらも立っていた。

 

「もう…使い果たしたみてぇだな……」

 

 リーフは銃を手放し、右手を前に出す。

 すると右手に光が集まる。

 

「良いもん見せてやるよ」

 

 光は形を変え、銃になる。

 

「これが………『アース』の力だ!!」

 

 

 

 

破壊神の怒りの極刑ゴッド・オブ・デストラクション!!」

 

 

 銃から放たれた光の弾は形を変え、光の巨人となる。

 以前、スラークに対して使ったものよりは小さいが、3m程あるだろう。

 

 

「撃ち放つ……崩壊の銃撃を」

 

 リーフが言った瞬間、部屋を光が覆った。

 

 

 

 只今の『アース』vs『聖冠団』の戦績

 6勝1敗3分け:1勝6敗3分け

 残り人数:5対3

(イグルス)

「終わり方雑っ!」

(雪龍)

「こんな感じの方がかっこいいだろ?」

(イグルス)

「……そうなんスかね」

(雪龍)

「まぁ、前を振り返っても仕方ない!次回は頼んだよ」

(イグルス)

「了解ッス!」

(雪龍)

(コイツ誰だっけと思われた方は第11話をご覧ください)

(イグルス)

「? 次回もお楽しみに」

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