第50話 如月流抜刀術
すいません、投稿遅れました。
理由は活動報告を見てください。
それに50話と言う節目でまさかの佐祢丸って……。
(佐祢丸)
「それどういう事じゃ!?」
「サムライ君、手抜いてない?」
ミナスは剣の切っ先を佐祢丸に向けて言う。
対して佐祢丸は片膝をつき、体の至る所に切り傷がある。
「もうちょっと楽しめると思ったのになぁ」
「……………」
「黙ってないでなんか言ってよぉ」
「……お主は第六部隊の隊長、だったな」
ミナスは笑顔でその通りと答える。
佐祢丸は立ち上がって続ける。
「お主を含め六人隊長がいるという事で良いのか?」
「うーん……正確にはもう一人いるけどこのゲームに参加してるのは六人だよ♪」
「そうか。と言う事はお主を倒せば隊長は後五人になるんじゃな?」
そんな事を一々尋ねないでも良いだろうに。
ミナスは「ちょっと待って」と言って、大きな画面の付いている機械を見る。
「えっとね……隊長は残り四人、副隊長は一人。ちなみにそっちは後七人」
「こっちで残っているのは誰じゃ?」
「君とカイン、リーフ、エリサ、イグルス、スラン、ヒルグだよ」
とりあえず今の戦況は把握した。
この中で誰か一人でもリルの下に辿り着ければ『アース』の勝ちだ。
数的には『アース』が有利だが『聖冠団』の残っている者は隊長ばかり。
佐祢丸は敵の数を一人でも減らしておきたいところだが…。
(何故拙者の敵が女子なんじゃ!!戦いにくくて仕方ないわ!!)
と、佐祢丸は考えているが実際の理由はそれだけではない。
通常の女性相手なら何とか闘えるだろう。
問題はミナスのルックス。
そう、ミナスのルックスは佐祢丸のタイプど真ん中だった。
「ねぇ」
(やばいぞ!このままではやばい!まともに顔も見れん!)
「ねぇってば」
(何なんじゃ!この胸が弾むような感覚は!!)
何か佐祢丸が言うと気持ち悪い。
佐祢丸が色々と考えているとき、
「ねぇって、言ってるでしょ?」
ミナスの刃が佐祢丸を捕えた。
…かと思われたがギリギリの所で防いだ。
「不意打ちとは卑怯じゃぞ!」
「いや、ねぇって呼んだもん!それに戦闘中に考え事は良くないと思うなぁ」
一流の剣士は戦いの最中何も考えずただ剣を振るらしい。
だが別に佐祢丸が三流だという事ではない。
恋する年頃なのだ。
にしても闘ってる相手に一目惚れって一体…。
「むむ……どうするべきか」
「闘ってるんだよね?あたし達」
ミナスの言っている事は正しいのだが、今佐祢丸はそんな事を言っているのではない。
どうやってこの状況を切り抜けるか、と言う事だ。
佐祢丸は女性を斬るつもりは毛頭ない。
かといって斬られる気もない。
(やはりアレしかないか……)
「魔道具強化改造!!」
「!!!」
ミナスの右手に持っている剣が伸びる。
伸びると言っても数センチではない数メートルだ。
現在の長さは約5m。
対して左手の剣は少し短くなっている。
「サムライ君、君は改造しないの?」
「拙者は主を……女子を斬る気はない」
「そんな甘い事『聖冠団』には通じないよ~」
「じゃろうな……来い」
佐祢丸は刀を鞘に納め、居合の構えをする。
そして目を閉じて集中する。
「これで終わりだよ」
ミナスは長い剣を佐祢丸に向ける。
その瞬間、一瞬で剣が伸び、佐祢丸の腹を貫く。
「ぐっ…!!」
「そしてこっちで……止め!」
(拙者は……死んではならん……奴を斬るまでは!!)
佐祢丸は目を開き、腹に刺さっている剣を抜いて投げ捨てる。
そしてまた居合の構えをする。
「如月流抜刀術―――刀狩!!」
パキン―――――
鉄が砕ける音。
その鉄は剣、ミナスの剣。
「なっ…!」
「剣が折れたんじゃもう戦えんな」
「あたしはまだ…!!」
「ふむ、じゃあ引き分けで良いじゃろ?」
そう言って佐祢丸は仰向けになって寝る。
数秒後には眠りに着いた。
いくら相手の剣が折れたからと言って、敵の本陣で寝れる勇気を僕は称えたい。
ていうかの○太並みの速さだな。
「いやいや、何で寝てるの!?」
ミナスが叫ぶが佐祢丸は起きない。
只今の『アース』vs『聖冠団』の戦績
6勝1敗2分け:1勝6敗2分け
残り人数:6対4
カインは廊下を歩いている。
「いやいや、何で寝てるの!?」
「ん?この声は……」
カインは声のした部屋を覗く。
そこには倒れている(寝ているのだがカインにはそう見えた)佐祢丸を見覚えのある少女が指でつついている様子が見えた。
「やっぱミナスか……」
「この臭いは……カイン!?そこにいるの!?」
「お前は犬か!?」
ミナスは泣きながらカインに抱きつく。
「ひ、ひざじ振りぃ!会えて嬉じっ、じい~…」
「言いなおしても結局『じい~』つってるぞ」
カインはミナスの背中を撫でる。
数分してミナスが泣きやむ。
「さて、俺は行かなきゃなんねぇんだ。……リルは団長室か?」
「やっぱりカインだね…。昔と同じで仲間が大事なんだね」
「大事……俺はもう失いたくないだけだよ。で、団長室にいんのか?」
「うーん………あたしは知ってるけど教えられないんだ。ゴメンね」
「いくら元『聖冠団』第二部隊隊長でも、ね」
(雪龍)
「次回は回想に入るかと思いきや……」
(リーフ)
「次回は俺の番だ」
(雪龍)
「ふぅ、今回はベストオブグダグダだったね」
(リーフ)
「自分で言うな。自信を持て。お前は出来る奴だろ?」
(雪龍)
「リーフ……」
(リーフ)
「お世辞なんだが……もしかして信じてるのかコイツ」(ボソッ
(雪龍)
「聞こえてるぞバカ野郎」
(リーフ)
「まぁ次回もお楽しみに」




