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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第四章一部  総力戦ゲーム編
47/83

第45話  闇を封ず鍵

「うーん、ここはどこかなぁ?」

 

 レックスは敵陣のど真ん中で道に迷っていた。

 部屋に移動させられた時、敵はいたのだが寝ていたのだ。

 起こすのも面倒なので外に出たら道に迷ったのだ。

 

「あそこに誰かいそうだなぁ……」

 

 レックスは部屋の中を覗く。

 そこにはカレンと黒髪の男が向かい合って立っていた。

 

「うわぁ、あんまり良い状況じゃないっぽいね」

 

 レックスは黙って立ち去ろうとする。

 しかし突然目の前の壁が何かによって壊された。

 壊れた壁の穴から中を覗くと中にいる二人ともがレックスを見ていた。

 

「貴様も『アース』か」

「レッ君!?」

「えーっと、ははは……」

 

 レックスは苦笑するしかなかった。

 結構気まずい状況だったから逃げようとしたのに、まさか見つかっていたとは。

 

「ここにいるって事は……レッ君もう倒したの!?」

「いや、僕の相手らしき人は寝てたんだよね~。で、あの人がユーレンって人?」

 

 カレンは頷いてユーレンを見る。

 ユーレンは敵が二人になったにも拘わらず(レックスは戦う気は毛頭ないが)平然としている。

 

「ユーレンさーん、僕の相手知りませんか?」

 

 そう言いながら一人の青年が入ってくる。

 青年は長い黒髪を後ろで括っており、何故か笑顔だ。

 

「あっ、寝てた子だ」

「彼が僕の相手ですか?それに寝てたんじゃなくてイメージトレーニングをしてただけです」

「よだれ垂らして?」

「……………」

 

 青年は何も言わず頭を掻いた。

 

「というより元の部屋に戻りません?ここじゃユーレンさんの邪魔になっちゃいますし」

「いや、ここでやって!」

 

 そう言ったのはカレンだった。

 カレンはレックスが戦うという事に嫌な予感がしていた。

 

「俺は構わない。これと言って急いでいないからな」

 

 ユーレンもそう言った事でレックス達はここで戦う事になった。

 

「僕は『聖冠団』第三部隊副隊長、メリクト・ロウダーです」

「僕はレックス・セルベシア。レッ君って呼んでね~」

 

 メリクトは「よろしく」と言った途端、何かを投げつけて来た。

 レックスは大剣『破邪光神剣』でその何かを防ぐ。

 落ちたその何かというのは『チャクラム』だった。

 チャクラムというのは穴が開いた円盤の様な武器の事で、外側には歯が付いており斬れるようになっている。

 

「へぇ、これを防ぎますか。でも甘く見ない方が良いですよ」

 

 メリクトの言葉と同時にチャクラムが浮き上がり動き出したのだ。

 そんな事は予想をしていなかったレックスはチャクラムによって腹を横に斬られた。

 腹から大量の血が溢れる。

 すぐに大剣を振り、チャクラムを壊した。

 

「ふぅ……まさか突然動き出すなんてね。輝力で操ってるの?」

「ご明答です。しかし一つだけだと思ったら」

 

 メリクトはどこからか大量のチャクラムを出して、投げつけた。

 

「百輪月花!」

 

 一斉にチャクラムがレックスに向かう。

 しかし、レックスは一瞬で『魔錬具強化改造』をし、防いでいく。

 

「この、量は、流石に、きつい…ねっ!」

 

 頑張っては見るものの、この数には勝てなかった。

 次々とレックスの体に傷ができる。

 

(マズイ!あのままじゃ…!!)

 

 その瞬間、レックスの体が一瞬ピクッと何か違和感のある動きをした。

 

(血…?誰の…?僕の…いや―――――)

 

 

 

(オレのだ!!)

 

 レックスはニヤッと笑い、全てのチャクラムを叩き落とした。

 今のレックスの表情は今までの優しそうなそれではなく、全てを殺してしまいそうなものだった。

 

「久し振りに出て来れたなぁ…!!この前はもう少しで出れそうだったのに自分で抑えやがって!」

(急に口調が変わった…?)

「暴れるぜぇ…!!切り刻む―――――」

 

 レックスは文字通り目にもとまらないスピードでメリクトの横を駆け抜ける。

 メリクトがレックスが後ろにいる事に気付いた時にはもう遅く、左肩から腹にかけて大量の血が噴き出した。

 

「なっ…!」

「絶望の斬撃―――――!!」

 

 レックスが言い終わる前にユーレンが袖から先が尖った鉄の棒を四本取り出し、レックスの両手両足を貫いて壁に縫い付けた。

 

「何だお前……」

 

 ユーレンはもう一本取り出し今度はレックスの心臓を狙う。

 だが、レックスは右手に刺さっている棒を無理矢理力だけで抜き、ユーレンを殴り飛ばす。

 

「化け物め…!!」

 

 鉄の棒を全て抜き、よろよろと近付いて来るレックスは本当に化け物にしか見えなかった。

 

「レッ君……やっぱりあの状態に……」

 

 この状況でレックスを止められるのはカレンしかいなかった。

 流石に腕力では勝てないが、切り札を持っている。

 

 

「あぁ?お前何だ?」

「ごめん、レッ君」

 

 カレンは槍でレックスを貫いた。

 しかし傷はない。

 

「闇は光に力を鍵に、封!!」

 

 カレンがそう唱えるとレックスが前に倒れる。

 

「ありがとね、カレン」

「ありがとうじゃない…!私は…!!」

「いや、ありがとうだよ。僕を救ってくれたんだから」

「けど!この封がある以上レッ君は……」

 

 その先の言葉が出なかった。

 否、出せなかった。

 この封がある以上―――――

 

 

 

 

 

 レックスは輝流が使えなくなった(・・・・・・・・・・)なんて。

 

 

 只今の『アース』vs『聖冠団』の戦績

 3勝1敗1分け:1勝3敗1分け

 残り人数:9対8

 レックスは戦線離脱

(雪龍)

「次回はやっとカレンだね」

(カレン)

「本当にやっとね」

(雪龍)

「レッ君が戦えなくなっちゃったね」

(カレン)

「レッ君の分も頑張るわ!」

(雪龍)

「頼もしいね。じゃあ頼んだよ!」

(カレン)

「次回もお楽しみに」

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