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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
行間章 未知なる誘い編
41/83

第39話  ゲームをしようか

「ふっ、はっ……ふぅ、これで今度こそカインに勝てるな」

 

 とある青年が竹刀で素振りをしている。

 普段は長い黒髪を後ろで括っているのだが、今はそれをしていない。

 彼の名は如月佐祢丸。

 カインと同じ『アース』のメンバーだ。

 

「おやおや、いつもの事ながら精が出ますね」

 

 佐祢丸がゆっくりと振り返る。

 そこには壁にもたれ掛かって、腕組みをしているデルスがいた。

 

「……何か用か?」

「いえ……まぁ、貴方にも用があるのですが、ヤグモさんに用がありましてね」

「私に何か用か?」

 

 突然デルスの首筋に刀がつきつけられる。

 それはヤグモの物で、当然ヤグモがつきつけているのだ。

 二人は会った事がないので、ヤグモはデルスが何者か知らない。

 

「初めまして。私はデルス・エンバルザーという者です。貴方に用があって来たんです」

「やめとけヤグモ。そいつには勝てん」

「それはどういう――――――」

 

 ヤグモはその場を飛び退く。

 デルスはクスッと笑う。

 

「残念ながら男性へのエスコートは苦手なんです」

 

 デルスは手に電気を流す。

 

「今から私と貴方……あと、ついでに佐祢丸君の三人で……」

「拙者はついで!?」

「クラウンさんに会いに行きます」

 

 その瞬間佐祢丸の肩がビクッと震える。

 

「せ、拙者はやめておこうかな……」

「いやぁ、佐祢丸君も行きたいんですか。そうですか」

「いや、だから拙者は……」

「さて、行きますか」

「だから拙者は嫌じゃぁぁぁぁあああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何であんな奴に……」

 

 佐祢丸はかなりゲッソリしている。

 今三人はクラウンの家に向かっている。

 クラウンの家は街から少し離れた所にある。

 何故かというと彼がそれほど危険だからだ。

 というより、彼があまり人と接触する事を好まない、というのが大きい。

 

「恨むならスラン君を恨んでください」

「どういう事じゃ?」

「この仕事を頼んだのはスラン君ですから」

「あの音波男め…!!」

 

 そんな二人、特にデルスをヤグモは睨みつけるように見ていた。

 

「先程はすいません。なのでそんなに睨まないでもらえませんか?」

「私はお主が信用できん」

「別に信用しろとは言ってませんよ。ただ睨むのをやめて頂きたいだけです」

 

 デルスは笑顔でサラッと返す。

 その笑顔のせいで余計に信用できなくなった。

 

「まぁ、お喋りはここまでですよ。ここからは―――――」

 

 デルスは手を横に出し二人を止める。

 そして前を見るとそこには二人の少年と一人の少女がいた。

 

「すいません、クラウンさんに会いたいのですが」

「ざーんねーん、師匠に会うには私達を……」

「何をしているんだ?エルレンダ」

「わっ、ちょっ、師匠!出てきちゃ駄目!」

 

 少女達の後ろの樹の蔭から出てきたのは、長い金髪の青年だった。

 

「おや、今はクラウン君でしたか」

「ハハハ、向こうのオレだったらお前死んでるよ?」

「良かった……あの姿じゃなかった……」

 

 佐祢丸は少し安心した。

 そんなにあの姿というものが怖いのだろうか。

 

「それで?オレに何か用?」

「ええ、ボスが『聖冠団』に殴り込みに行ってしまったんです」

「なっ!?」

 

 クラウンは目を丸くして驚く。

 

「この事を伝えねばならないと思い、来たわけです」

「あの……その前に良いか?」

 

 ヤグモは小さく手を上げる。

 デルスがどうぞと言うとヤグモは尋ねた。

 

「彼は一体何者なんですか?そして『聖冠団』に殴り込みに行ったとは一体……」

「そうですね……まずは彼の事を話しておきましょうか」

 

 デルスが話そうとするとクラウンが近寄ってくる。

 

「自分の事位自分で話すさ」

「そうですか。ではお好きにどうぞ」

「オレの名はクラウン・ジョーカー。今はこんな姿だが本当は42歳だ」

「え……?」

 

 42歳だ、その言葉に声も出なくなった。

 どこからどう見ても20歳位だ。

 

「そして、彼は『アース』でボスを抜いたら最も強い輝流士です」

「そういう事だ。よろしくな」

 

 クラウンはニッコリと笑った。

 その時ヤグモの心の中は

 

(やはり20歳だろ……)

 

 とか何とか思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

双子座ジェミニおるかー」

 

 スウェルは大きな扉を思い切り開ける。

 部屋の中には顔を本で隠し、足を机の上に置いて椅子に座ったまま寝ている黒髪の青年がいた。

 

「うるさいなぁ……誰?」

「あたしや!スウェルや!」

「あぁ、久し振り」

「こないだ会ったやろ!」

 

 青年は耳を塞ぐ。

 

「ちょっと、女の子なんだからもっと静かに出来ないの?」

「……分かったわ。ほんでアンタに話があんねん」

「一体何なのさ」

「アンタん所の団員がウチのもんと戦ったらしいわ。アンタの命令ちゃうんか?」

 

 青年は目を閉じて考える。

 そして、そのまま寝てしまった。

 

「アホか!!」

「いだっ!」

 

 スウェルが青年の頭を思い切り叩く。

 青年は頭を抑えて蹲る。

 

「どうなんや!アンタの命令なんか!?」

「いや、僕じゃないよ。第一、僕放任主義だし」

「……ようそれで団長出来るな」

 

 スウェルが言うと青年はまぁね、と笑う。

 

「それはそうと、どうやって入って来たの?」

「堂々と正面から空気を歪ませて姿を隠して入って来た」

「誰も気付かなかったのかよ……」

 

 スウェルは後もう一つと言って人差し指を立てた。

 

「カインはもう狙うな」

「………」

「アンタも知っとるやろ。昔の『聖冠団』を」

「……良い事思いついた」

 

 青年はニヤッと笑った。

 

「ゲームで勝てたらカイン君はもう狙わないよ」

「ゲーム?何やそれ」

 

 彼は意地が悪い。

 とても、とてつもなく。

 

「『アース』と『聖冠団』の総力戦ゲームさ」

 

 彼の名はウィンツ・ジェイレーン。

『聖冠団』の団長にして―――――

 

 

 

 

 

 大地を照らす13星座シャイニングゾディアックの双子座である。

(カイン)

「そう言えば前回の新しい奴の名前スゲェ長いよな」

(雪龍)

「え、またその話する?」

(カイン)

「だって佐祢丸とか興味ねぇし」

(佐祢丸)

「何じゃと!?表に出ぇい!!」

(カイン)

「うるせぇ。頼むから黙ってくれ」

(雪龍)

「ということで強制退場」

(佐祢丸)

「何ぃぃぃいいいいい!!!!」

落とし穴発動

(雪龍)

「……次回もお楽しみに」

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