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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
行間章 未知なる誘い編
40/83

第38話  新たな13星座

『フレイム』週間開始!

今回から数日間、正午に連続で投稿します!

8月に投稿できずすいませんでした!

 白髪の青年は街の中を歩いている。

 その横を女性が並んで歩いている。

 二人は特に会話もせず歩いていたが、女性が耐えられなくなったのか青年に話しかける。

 

「シルゴート」

「何ですか?」

 

 青年の名はシルゴート・ファリス。

 大地を照らす13星座シャイニングゾディアック山羊座カプリコーンだ。

 

「私は何の為にこうして貴様と歩かねばならんのだ?」

「聞いてないんですか?メイディン」

 

 女性の名はメイディン・ロウル。

 特徴は肩ほどまである黒髪で、前髪を十字架を模した髪留めで止めている。

 少し目付きが鋭く、綺麗なのだが話し掛け辛い。

 

「聞いてないから貴様に聞いたのだ。さっさと言え、愚図が」

「訊いている立場なのに随分な良いようですね。斬り伏せますよ?」

 

 二人の間に黒いオーラが流れる。

 周りの人もなんとなく気付き近付かないようにする。

 

「僕達は迎えに行くんですよ」

「誰をだ?」

「新しい蛇遣い座(オフィウクス)ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大地を照らす13星座はずっと同じメンバーなのではない。

 何かしらの理由で変わる場合もある。

 今まで変わったのは蛇遣い座と牡羊座だけだ。

 

「また蛇遣い座か……あれは今度で何度目なんだ」

「確か七度目です」

 

 蛇遣い座だけは人が変わった回数が多い。

 いっそ失くしてしまおうという声もあったがロアールが認めなかった。

 

「次のはどんな奴だ」

「18歳の女の子ですよ」

「何!?」

 

 メイディンが何故これほどまでに驚いたのかというと、蛇遣い座は今までずっと男だったからだ。

 それはロアールが決めた事で変わらない筈だったのだ。

 何故そう決めたかというと『え?何となくだよ。何となく』らしい。

 

「何でも『女の子にしたら華が多くなるから』という事らしいですよ」

「……奴は本当に適当だな」

 

 元の理由も適当という…。

 

「それにしてもこの世代になって今までメンバーは変わらなかったんですがね……」

「二年程だがな」

 

 メイディンの言うとおり、二年程メンバーは変わっていなかった。

 スラークになってからは安定していたのだ。

 

「次の子は長続きすれば良いんですがね」

「大地を照らす13星座の称号を得た所で、良い事はあまり無いのだがな」

 

 メイディンがそう言うと、タイミング良く男達に囲まれる。

 大地を照らす13星座は世間一般的には余り知られていない。

 知っているのは、精々国の上層部くらいだ。

 知られているのはそのなのだ。

 

「メイディンは有名人ですからね」

「何者だ、こいつら。賞金稼ぎか?」

「でしょうね。皆さん逃げた方が良いですよ」

 

 シルゴートの言葉に男達は笑いだす。

 

「てめぇら二人で俺達に勝てると思ってんのかぁ?」

「雑魚臭が半端ない常套句を有難う。ところで、私に話し掛けたという事は……殺されたいのか?」

 

 メイディンは目を閉じて続ける。

 

「私にとってお前達を殺すのは造作もない事だ。しかし、人を殺すな、とロアールに言われている。だから今なら人として(・・・・)逃がしてやる。だが、それでもまだ私を狙うと言うならゴミとして(・・・・・)処分するぞ」

 

 その瞬間メイディンから冷たい空気が流れる。

 

「な、舐めんじゃねぇぞぉ!」

「そんなに死亡フラグを立てるような発言は止めてくれ」

「ふざけんな!」

 

 一人の男が武器を構えると、他の男も武器を構える。

 武器は大抵剣か斧だ。

 そして男達は一斉にメイディンに向かって走り出す。

 

「そうか、お前達はゴミ。だから処分してやろう」

 

 手を横に出すと突然5m程の棺―――鉄の処女(アイアンメイデン)が現れる。

 それを見た瞬間男達は立ち止まる。

 

「どうした?私をるんじゃなかったのか?」

 

 メイディンは黒い笑みを浮かべる。

 その笑みを見た男達は背筋がゾッとする。

 

「もう一度言う。今なら人として逃がしてやる」

 

 メイディンの手には、いつのまにか3m程の大剣を掴まれていた。

 

「お前達が生き残るには逃げるしかない。逃げないのなら鉄の処女で貫かれるか、この死刑執行剣エクスキューショナーで斬り裂かれるか……」

 

 メイディンは黒い笑みを浮かべたまま最後にこう言った。

 

「……どうする?」

 

 男達は最後まで言葉を聞かずに走って逃げた。

 だが、あの男達は武器を出されただけでは怯まないだろう。

 何故逃げたのか。答えは簡単だ。

 メイディンから放たれる殺気に、誰も耐えられなかったのだ。

 メイディンは会話の途中、殺気をどんどん強くしていった。

 そして最後の言葉で本気の殺気をぶつけたのだ。

 

「貴方も変わりましたね。昔なら問答無用で殺していたでしょう?」

「昔は昔だ。人は変わる」

 

 メイディンは二つの武器を消し、歩き出す。

 シルゴートはメイディンの後ろ姿を見て思った。

 

獅子座レオは凄いですね…。あの命に無関心だった乙女座ヴァーゴをここまで変えてしまうとは……)

 

 メイディン・ロウル。

 大地を照らす13星座の乙女座。

 13星座の中で最も美しく、最も無情な処刑人。

 それが彼女だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば次の蛇遣い座はどんな奴だ」

 

 メイディンはシルゴートに尋ねる。

 シルゴートはロアールに渡された紙を見る。

 そして紙に書かれてある事をそのまま言った。

 

「『地面に付きそうな位のとても長い水色の髪で身長は165位、名前は……』」

 

 シルゴートは名前の次に書かれている言葉を見てかたまる。

 

「どうした?名前は何なんだ」

「『本人に聞いてくれ』だそうです」

 

 メイディンはどういうことだ、と尋ねるが、シルゴートも分からないので答えられない。

 

「とりあえずここが家なんで本人に聞きましょう」

 

 シルゴートは玄関をノックする。

 それで出てこないのでチャイムを鳴らす。

 数秒後、はーい、という声がして水色の髪の少女が出てきた。

 

「僕達は大地を照らす13星座から君を迎えに来たんだ」

「あー、じゃあ貴方達が山羊座さんと乙女座さんDESUNE(デスネ)!」

「そういう事だ。これから獅子座に会って貰う。一緒に来て貰おうか」

 

 少女ははーい、と言って鍵を掛けた。

 何も持たずに。

 

「えーと、荷物は?」

「獅子座さんからの手紙に手ぶらで来てくれって書かれてMASITA(マシタ)

「そうですか」

 

 ここでシルゴートはアレを聞く事にした。

 

「貴方の名前は?」

「meの名前ですか?アルティスで良いDESUYO(デスヨ)。どうせ覚えられませんSHI()

「覚えられない?そんな変わった名前なのか?とりあえず言ってみろ」

 

 メイディンが言うと少女―――アルティスは息を大量に吸い込み言った。

 

「meの名前はアルティス・ベグラ・クルメナ・ドルクス・エルシャ・フィランダ・グライオス・ハーツ・イロウム・ジャルト・クライネンス・ルー・マテルロイ・ナクミダ・オルミャ・パクネス・クワイト・ライトール・スメラケネド・タイヨン・ウバイロス・ヴィアイオロット・ウィルカムネ・クスエル・ヨールメニア・ザイオランディアDESU(デス)……」

 

 それを聞いて二人は少しポカンとする。

 どこをどうしたらこんなにも長い名前になるんだ。

 

「やっぱり覚えられないDESYO(デショ)?」

「はぁ……この程度、覚えられないでどうするんですか」

E!?覚えれTANOタノ!?」

「ええ、アルティス・ベグラ・クルメナ・ドルクス・エルシャ・フィランダ・グライオス・ハーツ・イロウム・ジャルト・クライネンス・ルー・マテルロイ・ナクミダ・オルミャ・パクネス・クワイト・ライトール・スメラケネド・タイヨン・ウバイロス・ヴィアイオロット・ウィルカムネ・クスエル・ヨールメニア・ザイオランディアですよね?」

 

 シルゴートはあの長い名前を全て覚えていた。

 その事に感激し、アルティスは目を輝かせる。

 

「は、初めて名前を覚えてもらえTA……嬉しI!」

 

 アルティスは頬を赤らめシルゴートに抱きつく。

 シルゴートはバランスを崩しながらもギリギリ倒れない。

 

「永遠に貴方に着いて行きMASUマス!!」

「……え?」

「早速後輩に好かれて良かったな、愚図」

 

 メイディンはニヤニヤと黒い笑みを浮かべる。

 恐らくこの事で、しばらく弄られるだろう。

 

「何でこうなったんでしょう……」

 

 シルゴートは苦労が絶えなくなるような気がする。

(雪龍)

「お待たせいたしました!」

(カイン)

「今回は俺達全然関係なかったな」

(雪龍)

「大地を照らす13星座の仕組み(?)っていうのを初めて書いた回だったかな」

(カイン)

「そうだな、13星座って入れ替わってたんだな。てかあの長い名前覚えれるってスゲェな」

(雪龍)

「確かに。13星座のメンバーは色んな意味で変人が多いから」

(カイン)

「ボスを含めて?」

(雪龍)

「そゆこと~」

(カイン)

「まぁ、俺にとってはどうでも良いけどな。次回も…」

(雪龍)

「次回もお楽しみに~」

(カイン)

「……………」

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