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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第一章 始まりの炎編
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第4話  カインの隠し事

「助けて…もらえますか?…」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

(えーと、こういう場合どうするべきなんだ?)

(とりあえずどうしてほしいか聞くべきじゃない?)

(そ、そうか)

「助けるって言っても、何すればいいんだ?」

「ここから私を出してください」

「?、出りゃいいじねぇか」

「出来るわけないでしょ…」

 

 エリサはカインのアホさに呆れる。

 周りには盗族だらけ、さらに外には門番がいたのだ。

 今はいないが。

 

「まぁ、それは良いとして何でこんな所にいるの?」

「えーと、私、家が無くて放浪してたんですけど…」

((放浪て…))

「それで知らないおじさんが家をあげるからって言うからついてきたら…」

「つまり…誘拐?」

「まぁ、そうなりますね」

 

 良い子の皆は知らない人について行っちゃ駄目だよ!

 

「じゃあ助けたとしても行く所無ぇじゃねぇか」

「…そう、ですね…」

(バカ!へこんじゃったじゃない)

(その通りなんだから仕方無ぇだろ、まぁ任せろって)

「だからさ、良かったらうち来いよ…俺の家」

「「えっ!!!」」

 

 エリサは驚愕のあまり口が閉じない。

 だがカインは、なんか変な事言ったか?と言わんばかりに2人の驚いた顔を見ている。

 

(ちょっと、大丈夫なの?)

(大丈夫だろ)

(大体あんたの家じゃないし、それに…)

(それに?)

(あの子が許すの?)

(…大丈夫だろ、たぶん)

 

 あんな事を言っておいて少し不安になりだすカイン。

 おそらく許されないと思っているのだろう。

 彼は自分の家ではなく、弟とその友達の家に住んでいる。言わば居候だ。

 なのに勝手に見ず知らずの人を招待するというのはどうなんだろうか。

 

「分かりました」

「「えっ!?」」

「行きます。行かせてください」

「それ……本気で言ってる?こいつ本人の家じゃないのよ?」

「はい、聞こえてました」

「聞こえてた?」

「私、昔から目と耳がとても良いんです」

 

 へぇ、と普通に感心するカイン。

 それを見てまた呆れるエリサ。

 そこでカインが急に何か思いついたのか「あっ!」と声をあげた。

 

「そう言えばまだ名前聞いてないよな」

 

 何かと思えばそんな事だった。

 かなり今更な気がする。

 

「そうでしたね、私はリル…リル・コークレインです」

「俺はカイン・クリークだ」

「わ、私はエリサ・スレット」

「よろしくお願いします、カインさん、エリサさん」

「おう、よろしくな」

「こちらこそよろしく、リル」

 

 エリサは思った。

 えっ?これで良いの?―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでリルはコーライを知ってる?」

「はい、エリサさん達はコーライに会いに来たんですか?」

「会いに来たってーか、倒しに来た」

「ちょっ、カイン!!」

「ん?言っちゃ駄目だっけ?」

「はぁ、当り前じゃない…」

 

 エリサは呆れて何も言えそうにない。

 先ほどから呆れてばかりだ。

 

「見つけたぞ、侵入者共!!」

 

 その声に反応して3人は後ろを振り返り、声の主を見た。

 声の主は男で、ニット帽を目が隠れるほど深くかぶっている。

 前が見えているかは謎だ。

 

「お前がコーライか?」

「ん?違うけど」

 

 随分軽い奴だな。

 これがカインの第一印象だった。

 

「まぁ盗族には違いないだろ?」

「それも、違うぜ――――」

「カイン・クリーク君」

「!、何で俺の名前を知ってんだ?」

「さぁ何でだろうな、裏切り者さん」

「てめぇ、まさか……」

 

 エリサとリルは何が何だか分からない。

 知らないはずの男がカインの名前を知っていて、さらに裏切り者と言っている。

 

「カイン、どういう事?」

「あれ?お前まだ言ってないの?」

「………………」

「カイン?」

「教えてやるよ、そいつはなぁ――――――おぉっと」

「えっ!?」

 

 カインは手に炎を灯し男に殴りかかる。

 だが、それを男は軽々と避けた。

 

「そんなに教えたくないのか?まぁ良いや、こんな面白いお前を見れたことだし、帰るか」

「良いのか?俺を殺さなくて」

「別に……隊長からは会って来いとしか言われなかったし、それに……」

「何だ?」

「お前の居場所も分かったしな」

 

 そう言って男は手を振りながら帰ろうとした。だが――――――

 

「おい、ユーレンに言っとけ。仲間に手ぇ出したらぶっ殺すってな」

「あれ?俺の正体分かってる?」

「あぁ」

「そうか、仲間ね……元仲間はどうでも良いわけだ」

 

 そう言うと男は黒い(もや)に包まれ消えた。

 エリサがカインを見てみると、怒っているようでどこか悲しげな顔をしていた。

 

(カインさんとさっきの人との間で何が…)

 

 リルが考えていると、黙っていたカインが静かに言った。

 

「いつかちゃんと話す……でも今はまだ言えねぇ」

「カイン…」(あなたは一体…)

 

 歩き出したカインを見てエリサは俯く。

 リルは何を言えばいいのか分からずただついて行くだけだった。

 

「あんな事言わなくても分かってんだよ…」

 

 カインは誰にも聞こえないようにボソッと呟いた。

 

「言い訳、か…」

 

 ただ、リルにはカインが言った事が聞こえていた。

重い!!まだ第4話なのに急展開過ぎる!!

あと会話多過ぎる!!…すいませんでした。


今回コーライを出すつもりだったんですけど、次回に回します。

理由は聞かないでください。

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