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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
行間章 未知なる誘い編
38/83

第36話  ある村の謎

 今回集合場所に向かっているのは、長い青い髪の女性―――カレン・イルジーナ。

 遅れているわけではないので急いではいない。

 ただ集合場所に彼は来ているだろうが。

 

「久々に会うのに遅刻ですか?」

 

 カレンが時間通り(・・・・)に集合場所に着くと少年がいた。

 その少年は雪のように白く、後ろが少しハネた髪に青い線が二本入っており、肌も白い。

 そして、服は少し厚着で首にはマフラーをしている。

 

「時間通りに来て『遅刻』は無いんじゃない?」

「それはすいません」

「どうせ思ってないくせに」

 

 少年の名はシュード・フリーザー。

 彼も『アース』のメンバーだ。

 因みに花見には来ていなかった。

 さて、仕事についての話。

 

「とある村で怪奇事件が起きているそうです―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人はとある村に来ていた。

 その村に二人は入る。

 

「へぇ、のどかな村ですね」

「本当にこの村なの?何も無さそうだけど」

「気付かないんですかぁ?」

 

 シュードは村人を見ながら言う。

 村人は目が合うと即座に目を逸らしてしまう。

 

「感じ悪いわね……」

 

 二人は村の様子を見て回る。

 特に変わった所はないが、やはり目を逸らされる。

 

「こんなんじゃ話しようもないわね…」

「そうでもないよォ?」

 

 突然二人の後ろから男の声がする。

 男は銀髪で赤いニット帽を目が隠れるほど深くかぶっている。

 

「誰?アンタ」

「俺はただの一般人さ。それよりこの村最近おかしいんだよね」

 

 ニット男はぺらぺらと話す。

 

「この村さぁ、最近まで活気溢れる明るい村だったんだよ。それがさ、ついこないだ黒い煙が発生して皆おかしくなっちゃったんだ」

 

 ニット男は最後にこう言った。

 

「何でこんな事になったか知ってる?」

 

 理由は恐らく黒い煙のせいだ。

 というより、その黒い煙以外に考えられる要素が、今の所一つもない。

 前に来ていたヒルグが調べたところ、その煙は輝力で出来ていたそうだ。

 だが、今は発生していない。

 

「何でこんな事になったかって?それを調べに来たんじゃない」

「いや、もしかしたら、どっかの誰かさんがその黒い煙をばらまいたとか」

 

 そう言ってシュードはニット男を見る。

 ニット男はニヤッと笑う。

 

「あれ?もしかして俺の事疑ってる?」

「誰もそんな事言ってませんよー。ただ、どっかの誰かさんと言っただけです」

「それが疑ってるように聞こえんだって、の!」

 

 ニット男は懐からナイフを取り出し、シュードの腹に突き刺す。

 シュードの腹からは大量の血が溢れ出る。

 

「シュード!!」

「あららぁ、一人おーわりぃ」

 

 そう言うとニット男は腕を上げる。

 すると、村人が斧や鎌などを持ってカレンとシュードを囲んだ。

 

「アンタ……何者!?」

「俺はその少年の考えてた通り、輝流士さ」

「じゃあ、黒い煙ってのはアンタが…!!」

 

 ニット男は後ろを向いて手を振る。

 

「さて、これで二人撃墜」

 

 その言葉と同時に村人達が一斉に斧や鎌を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――あれ?僕何処にいたっけ。

 そう言えばあの人と仕事に行ったんだっけ。

 じゃあこの真っ暗な空間は何だ?

 何か頭がボーっとするなぁ。

 血も流れてる。

 そう言えば昔もこんな風にたくさん血が流れてたような…。

 あっ、思いだした。僕刺されたんだ。

 じゃあ、僕は死んだのか?

 おかしいな…。僕はもうだいぶ前に死んだじゃないか。

 何を言ってるんだろうね、僕は。

 ここは天国なのかな。

 だとしたら居心地が悪いな。こんなものなのかなぁ。

 ……あの光は何だ?

 何か映ってる。

 

「シュード!!」

 

 誰かが叫んでる。

 あっ、あのニット男。

 さっき僕を刺した奴だ。

 ていうか村人が襲ってきそう。

 やばい、あの人が大変だ。

 仕方ない、助けに行こう―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カレンは完全に自分の死を悟っていた。

 目を閉じる。

 だが、いつまで経っても死ぬどころか痛くもない。

 恐る恐る目を開けると、そこには顔以外氷漬けにされた村人達がいた。

 

「どうしたんですか?そんな顔して」

 

 そう言ってシュードは振り返る。

 

「ア、アンタ、大丈夫なの!?」

「何が?」

「お、お腹……」

 

 カレンがシュードの腹を見ると既に血は止まっていた。

 いや、血が凍っていた。

 

「だーいじょうぶですよ。止血しましたし」

「それにしても痛くないの?」

「痛い……」

 

 シュードはニット男に近付きながら言った。

 

「痛いなんて感覚、もう忘れましたよ」

 

 シュードはニット男と対峙する。

 ニット男はナイフを投げて来る。

 シュードは手を前に出し寸での所でナイフを凍りつかせる。

 

「氷……そうか、君があの『冷酷の死神』かい」

「そんな大層なものじゃないですよー」

 

 シュードはニット男を指差す。

 

「ただ、ムカつく奴を凍て付かせたいだけ。それだけです」

「仕方ない……逃げるか!」

 

 ニット男はダッシュでシュードから逃げる。

 シュードも逃がさまいと走って追いかける。

 

「シュード!」

「あなたはそこでまた村人達が暴れないか見張っていて下さい」

 

 カレンは追いかけようとしたがシュードの言葉でそれを止めた。

 

「……気を付けて」

 

 ただ、シュードもカレンも、あるもの(・・)に見られているとは知らなかった。

(雪龍)

「今回新キャラ登場なのに面白くなかったな」

(シュード)

「急展開過ぎますよー。読者さんが置いて行かれちゃいますよ?」

(雪龍)

「ま、まともな事を言うキャラだ!」

(シュード)

「次回も僕が大活躍の予感」

(雪龍)

「今回『大』どころか活躍したっけ?」

(シュード)

「勝手に言ってて」

(雪龍)

「つ、冷たい…」

(シュード)

「ではお楽しみに」

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