表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第三章 千年万華鏡編
36/83

第34話  命の巨人

「カイン……」

 

 スウェルは心配そうにカインを見る。

 その時、カインがバッと立ち上がる。

 

「早くリーフの所に行こう」

「せやからそれはアカンて……」

 

 スウェルはカインの顔を見て驚く。

 それは酷く悲しそうで、苦しそうな、そんな顔だった。

 

「アイツが本気で暴れたら手が付けらんねぇ。さっさと行かねぇと……」

「んじゃあ、一緒に行こうぜ」

 

 カインとスウェルは声のした方に振り返った。

 そこには獅子のように逆立った金髪の男がいた。

 その姿を確認するとスウェルは目を見開いた。

 

「何でアンタがこんな所におんねん……」

「そりゃ、暇だったからだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リーフは左の銃で撃つ。

 スラークはそれをギリギリの所で躱す。

 先程からそればかり続いており、スラークは反撃する暇もない。

 

「どうした?大地を照らす13星座シャイニングゾディアックってのもこんなモンか?」

「ぐぬぅ…」

 

 その様子をただただ四人は見ていた。

 それ以外の行動はできない。

 

「そろそろ止めないとあの子の体が持ちませんよ?」

「そう言ったってあんなのオレでも止めらんねぇよ」

「それどういう事?今更リーフを止めたって……」

「こんな事は初めてだから勘だが……ありゃ、自分のちからじゃねぇ」

「えっ!?」

 

 エリサとリルはレイルの方に向く。

 レイルは口元に手を添えている。

 

「どういう事かは分からねぇが、誰かに貰ったんだろう」

「でないとこんなに長くちからが持つ筈がないです」

 

 シルゴートもレイルに続いて言う。

 

「そろそろ終わらせて(破壊して)やる」

 

 リーフは右の銃に力を溜める。

 誰の目にもわかるほどの大きな力だ。

 

破壊神の怒りの極刑ゴッド・オブ・デストラクション!!!」

 

 右の銃から弾が放たれる。

 弾は形を変えて光の巨人となった。

 

「なっ、何あれ…!」

「ありゃヤべェ、全員オレの近くに寄れ!!」

 

 命令通りエリサとリルはレイルの傍に寄った。

 

山羊座カプリコーン!てめぇもだ!!」

「あなたの『空域』に入る位なら死んだ方がマシですよ」

「……あっそ、どうなっても知らねぇぞ」

 

 レイルは先程の結界の様なもの―――空域を発動した。

 本当にヤバいと思ったのか五枚重ねている。

 

「アシードの命の力、死んで感じやがれクソ野郎!!!」

 

 光の巨人の腕が振り下ろされる。

 あまり早くはなかったが、威圧感に気圧されスラークは動く事ができなかった。

 

「撃ち放つ…」

 

 

「崩壊の銃撃を……」

 

 巨人の腕でスラークは押しつぶされ、更に巨人はとてつもない爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて破壊力だよ…空域が全部吹っ飛んじまった」

「それよりシルゴートさんは!?」

 

 リルは先程シルゴートがいた場所を見る。

 そこには6本の刀剣に囲まれ、手に青い長い刀『陸奥大掾三善長道(むつだいじょうみよしながみち)』が持たれていた。

『陸奥大掾三善長道』の能力、『吸収』。

 衝撃等を吸収したのだろう。

 

「大丈夫だったか?」

「まぁ……しかしあの子は化け物ですか?」

「化け物……ねぇ」

 

 レイルはリーフの方を見て言った。

 

「妹も厄介なモンばっか抱えちまって……」

「あれ?もしかしてもう終わった?」

 

 レイルとシルゴートは声に驚いて振り返る。

 別に突然入ってきたからではない。

 聞き覚えのある声だったから、というより、ここに居る筈のない声だったから、驚いて振り返ったのだ。

 そこには金髪の男がいて、その後ろにカインとスウェルがいる。

 

「何でお前がこんな所にいんだ…!?」

「それさっき魚座ピスケズにも聞かれたっつの。何でお前らはそう何度も同じ事を聞くんだ」

「知るか!オレ達は初めて聞くんだよ!!」

 

 レイルは完全に男のペースに嵌まってしまっている。

 

「まぁ、良いや。それで何でこんな所にいるんだ?」

「暇だったから」

「何コイツ、バカだろ。バカの帝王だろ」

 

 男は何も気にせずリーフに近寄った。

 

「お前が命を預かった少年か」

「誰だアンタ」

「俺か?俺はロアール・グノーツ。ロアールさんでもロアール様でもロアール閣下でも何とでも呼んでくれ」

「何で初対面のアンタをそんなに持ち上げなきゃなんねぇんだよ」

 

 金髪の男―――ロアールはリーフの銃を取り上げる。

 

「へぇ、これが命の破動か」

 

 そう言った途端ロアールが持っていた銃は光となって消えてしまった。

 

「何だ?不完全なのか?消えちまった」

「俺の破動は自ら銃を造り出す『造銃』だ。俺の体から離れたら勝手に消える」

「おもしれぇな、特異輝流士だったか」

「特異輝流士?」

「知らねぇのか?自分の能力なのに?ププッ」

 

 特異輝流士というのはトルージュの改造主リモデラーの様に、どれにも分類されない能力の事だ。

 

「てっきり武具士だと思ってたんだがな」

「そんな事はどうでも良いんだ。スラークは?」

 

 リーフはクレーターを指差す。

 その真ん中には黒焦げになったスラークが倒れていた。

 

「ド派手にやったもんだな」

「お前が来た理由ってのはアイツの処理か?」

 

 レイルとシルゴートがロアールに近付く。

 

「どうせ暇だったから、とか嘘なんだろ」

「暇だからってこんな所にわざわざ来ないでしょ。大地を照らす13星座のリーダーにして最強の輝流士、獅子座レオのロアール・グノーツさん」

「「「「えぇええ!!?」」」」

 

 カイン、リーフ、エリサ、リルの四人は全く同じ反応を見せる。

 

「そういう事だ。以後よろしく」

(カイン)

「皆!久し振り!とまぁ、それは良いが全然この話終わらねぇじゃねぇか」

(雪龍)

「うーん、そうだね」

(カイン)

「まぁ、早く終わったからって良い事あるわけじゃないんだけどな」

(雪龍)

「うーん、そうだね」

(カイン)

「どうしたんだ?」

(雪龍)

「学校でテストがあったんだけど、自信が無くなってさぁ」

(カイン)

「ふぅん、次回もお楽しみに」

(雪龍)

「お楽しみに~」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ