第29話 蒼炎
「くそっ!」
カインは片膝をついて右肩を抑えていた。
右肩からは血が溢れ出ている。
「外す暇がねぇ!」
「まだ終わりじゃなかろう」
そう言ってゼルギルは右手を前に出す。
するとカインの体が浮いて右手に吸い寄せられる。
それに対して、カインは両手を前に向けて炎を出して対抗した。
「ぐ…らあぁぁぁ!!!」
だが、吸い寄せる力の方が強く、カインはゼルギルに吸い寄せられ殴られる。
殴り飛ばされたカインは首巻を外そうとするが、また吸い寄せられ上手く外せない。
「あんま使いたくなかったんだけどな…」
カインは腰を落として、手を下に構える。
「紅炎の羽衣!!」
そう叫んだ瞬間、カインの全身から紅蓮の炎が現れ、カインを包み込む。
「なっ…!!」
吸い寄せられていたカインはそのままゼルギルに突進していった。
そして、お返しと言わんばかりにゼルギルを殴り飛ばす。
「さーて、こっからが本番だ」
そう言うとカインは首巻を外した。
「覚悟しろよ…!!」
リル&エリササイド
「カインさん、大丈夫でしょうか」
「大丈夫……とは言い切れないわね」
二人は廊下で話しあっていた。
先程から聞こえてくる爆発音などで、カインとリーフの安否が心配になってきている。
特に心配な方はカインだ。
かなり輝力を奪われていたので、もし敵に出会ってしまったら、という不安が大きい。
「でも、何であそこに残ったんでしょうか。三人でいた方が安全なのに……」
「まさか…!!」
突然エリサは立ち止まり、通って来た廊下を振り返る。
そして俯いて小さく歯軋りする。
「あのバカ…!!!」
「何だろう…このお―――――」
その時、激しい爆発音と共にリル達の後ろの壁(最初向いていた方)が崩れる。
すると、何者かが吹き飛んできて向かいの壁に激突する。
「ガハッ!まだここまでの力が残っていたとは……」
男がそう言うと、崩れた壁からリーフが銃を構えて出てくる。
「リーフさん!」
「良かった…」
リーフはその声でリルとエリサに気付くが、またすぐに男に振り返る。
「待てっ!私はもう一人のアシードだぞ!私を殺せばアシードは二度と元に戻らなくなる!!」
それを聞いてリーフの動きがピタッと止まる。
男も安心していた。
が、しかし―――――
「てめぇを助けた所でアシードが元に戻るとは限らねぇだろ」
リーフは銃に輝力を込める。
すると銃が赤く光る。
「貫通駆葬の閂集弾!!」
銃から百以上の弾を発射し、男の体を貫通させる。
男は体中穴だらけになり、もう原型をなしていなかった。
「アシード……ごめん」
そう言うと男の体は黒くなっていき消滅した。
リーフはそれを見ると、リル達のいる方の逆に歩いていく。
「ちょっとリーフ!またはぐれるわよ!」
エリサが呼びかけるがリーフは止まらない。
「何処行くのよ!」
「アシードを利用した奴を…」
リーフは生まれて初めて、本気でその言葉を口にした。
「殺しに行く…!!」
カインサイド
「なんじゃ…その炎は…!!」
ゼルギルの目の前には信じられない光景が広がっていた。
ありえない光景というのは―――――
「これは俺の破動―――蒼炎、もしくは蒼穹の焔」
カインの手から蒼い炎が出ているという事だ。
(あんま使いすぎると暴走するからさっさと終わらせねぇとな…)
「……まだ少しは楽しめるという事かのぅ」
ゼルギルは手を前に出す。
すると、例によってカインは吸い寄せられる。
「馬鹿の一つ覚えかよ。もうてめぇの能力は見破ってんだよ!」
カインは手から蒼炎を発射する。
だが、蒼炎は何故か途中で地面に落ち、それと同時にカインに掛かっていた力も解除された。
「てめぇの能力は何か一つしか操る事が出来ない。それどころか近付かれてカウンターもされかねない。使い勝手が悪い能力だよな」
「……確かにそうかもしれんのぅ。じゃがわしの能力、『重力』には他の使い方もある。例えば」
ゼルギルが手を前に出すと、カインが地面に叩きつけられる。
「ぐぁっ!!」
「お主にかかる重力を操って立てなくする事や…」
「くらいやがれ!!」
カインは蒼炎を体に纏わせ立つ。
そして、蒼炎をゼルギルに放つ。
だが、ゼルギルは浮遊し、蒼炎を避ける。
「こうして自分の重力を操り浮く事も出来る」
「……そうかよ、なら俺も。蒼炎の羽衣――ver.不死鳥」
そう言うと、カインの背中から蒼炎で作られた大きな翼が現れる。
そのままゼルギルの方に飛んで行き殴り飛ばす。
「さっさと終わらせてやるから立てよ」
「あまり調子に乗るな…!!」
(カ)「おい、かなり久し振りじゃねぇか。何してたんだ?」
(雪)「いやぁ、修学旅行に行ってたんだよねぇ」
(カ)「へぇ、いつから?」
(雪)「15日から」
(カ)「それまでにも投稿できたろっ!!」
(雪)「仕方ないじゃんか!これだけが連載じゃないんだぞ!」
(カ)「…まぁ良いや。お土産は?」
(雪)「え?何?君達にあるとでも?」
(アース一同)『無いの?』
(雪)「うぉっ!いつの間に…」
(デルス)「本当に無いんですか?」
(雪)「うん」
(ほぼ全)『てめえぇぇぇ!!!!!!』
(雪)「あるわけないじゃんかぁぁぁ!!!!!」
(デ)「作者があんな状態なので続けるのは無理そうですね」
(トルージュ)「では次回もお楽しみにですわ」
(エリサ)(出番ないからちょっとでも出たいんだろうなぁ…)
(リル)「感想もお願いします。質問でも良いので」