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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第三章 千年万華鏡編
27/83

第25話  檻の恐怖

「「「誰だっけ?」」」

 

 三人が同時に言うと、部屋にいた男は思い切り顔面からずっこけた。

 

「何だね!カイン・クリーク!!貴様だけは忘れてはいかんだろ!!」

「えっ?俺だけ?」

「そうだ。貴様だけは……」

「カインさん、何したんですか?」

 

 カインは顎に手を当て、目を閉じて考える。

 そして何かを閃いたように、目を開く。

 

「もしかして、アポン・カスタマイゾ・ヌべルボッチャー君?」

「誰だいそれは!!」

「違うわよ。あれは『せせらぎの宿』の人でしょ」

「ああ、そうだっけ?」

 

 カインは先程と同じ姿勢で再度考える。

 そして思い出したのかと思いきや…。

 

「誰だっけ?」

「結果それかい!!」

「いや~、ごめん。俺人の顔と名前覚えるの苦手なんだよ」

 

 カインは笑みを浮かべる。

 そして、男は歯軋りをする。

 

「僕の名前は、エーゴイル・サムレングス。貴様に父を殺された男だ…!!」

「サムレングス?ああ、あのクズの子供か……」

「カインさんが……人を殺した…?」

「ああ、そうだ。そいつは人殺しだ」

 

 リルはカインの方を見る。

 カインの目は、怒りに満ち溢れていた。

 

「そうか……どっかで一回だけ会ったな」

「ようやく思い出したか」

「お前に用はねぇ。失せな」

「こっちはそう言う訳にはいかないんだよっ!!」

 

 そう言って、エーゴイルは服の袖にしまっていた鉄の棒を取り出し、カインに殴りかかる。

 それをカインは、炎を灯した手で受け止め、棒を溶かす。

 武器を失ったエーゴイルは一度離れる。

 

「貴様にも大切な人を失う辛さを教えてやろう…!!」

 

 そう言うと、エーゴイルは指を組む。

 

「輝力奪略のケージ!!」

 

 カインの立っている場所の上空に、鉄格子の檻が現れ、カインを閉じ込める。

 

「まさかこれは…!」

「これで貴様は動けない」

「っ!二人共逃げろ!!今のこいつは―――――」

 

 

 

 

「俺の能力が使える!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここはとある一室。

 

「もうやっとるのか…」

「エーゴイルはカインに強い恨みを持っておるからの」

「しかし、あなたも悪いお方だ。あんな事を言って……」

「ふっ、別にいけない事は無いだろう。そう言えば、主もカインと戦いたいのではなかったか?」

「宜しいので?」

「構わんよ」

 

 それを聞くと片方の男が出ていく。

 

「アイツの方は……まだお話し中か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リーフのいる部屋。

 

「何でお前がこんな所に……」

「会いたかったよ。リーフ」

「質問に答えろよ、アシード」

 

 アシードと呼ばれた銀髪の青年はニッコリと微笑む。

 

「そんなに僕と話すのは嫌かい?」

「違う!!何でお前がこんな所に―――」

「正直に言ったらどうだい?」

 

 アシードの顔が冷たいものに変わる。

 

「『何でお前が…」

 

 リーフが少し動揺する。

 額から脂汗がにじむ。

 

「生きているんだ?』ってね」

 

 アシードの顔がまたニッコリとした表情になる。

 

「少し話をしようよ……リーフ」

 

 その言葉がリーフにはとても重く感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カインさんの能力が使えるって……」

「今の俺とアイツは、言ってしまえば二人で一つみてぇなもんだ!俺の輝力はあいつのもんになってる!!」

 

 その言葉に、エリサは笑みを浮かべて前に出る。

 

「という事は、アイツを倒せばアンタを倒したようなもんなんでしょ?丁度良いわ。この場で、どっちが強いかはっきりさせる」

「絶対にカインさんを助けます!」

「カイン、貴様は目の前で仲間が死ぬのを見ることになるぞ」

 

 エーゴイルはカインの方を見て、手に炎を灯す。

 

「アンタみたいなのに私達は負けないわよ」

「そういうことです!」

 

 エリサは指を組み、詠唱を始める。

 エーゴイルがエリサの方に向かうが、リルがエリサの前に立つ。

 

「行きます!!」

 

 リルが手を前に出すと、手からシャボン玉が数個出てきた。

 

「シャボン・ランチャー!!」

 

 シャボン玉が、エーゴイルの方に向かい体に当たった瞬間爆発した。

 

「ぐっ、何だっ!!」

「これは……」

「スウェルさんに扱い方を教えてもらってたんです!」

「雷散!!」

 

 詠唱を終えたエリサの手から、いくつもの雷がエーゴイルを襲う。

 

「ぐはっ!くそが……死ねぇッ!!」

 

 手に灯していた炎が大きくなり、そして傷も治っていく。

 それに合わせてカインが苦しそうにする。

 

「カインさん!」

「輝流を使わずに輝力だけ奪われているんだ。さぞかし辛いだろうなぁ」

 

 そう言って、更に炎を大きくした。

 

「ぐっ…はぁ…はぁ…俺は、いいから…」

「許さない…」

 

 リルの手からシャボン玉が大量に出る。

 

「それ以上カインさんを苦しませないで!!」

「やだね」

 

 今度は左手にも同じくらいの大きさの炎を灯す。

 

「ぐぁっ!…くはっ…はぁ…うっ!」

 

 カインは地面に膝をつく。

 

「やめてっ!!」

 

 シャボン玉がエーゴイルに向かっていくが、炎でかき消される。

 

「……リルちゃん」

「な、何ですか?」

「作戦があるの」

 

 エリサはリルに耳打ちをする。

 リルは一度頷き、数個のシャボン玉を出す。

 

「さて、私達の連携を見せてやりましょ」

「はい!」

「掛かって来いよ。あんまチンタラやってるとカインの輝力を全部使うぞ?」

 

 第二ラウンドのゴングが鳴った。

(雪)「ヤバいヤバい…」

(リ)「どうしたんですか?」

(雪)「いやぁ、つくづく文才ないなぁと思って」

(カ)「そりゃ元からだろ」

(雪)「そうだけど…」

(リ)「?」

(雪)「これ続けてたらもうちょいマシになると思ったのに」

(カ)「考えが甘かったな」

(雪)「スイマセン…」

(リ)「次回予告だけでも…」

(雪)「次回はリル&エリサvsエーゴイル決着です!」

(リ)「それでは次回もお楽しみに」

(雪)「リルがいるとまともだなぁ」

(カ)「俺がいないとまともにできないみたいな言い方だな」

(雪)「そうですけど!?」

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