第24話 ゾディアック集合
「全員揃ってるか?」
スウェルは椅子に腰かけて、尋ねる。
「まだ獅子座と蛇遣い座が来ていません」
「も~、獅子座は良いけど、蛇遣い座が遅れるなんて信じられな~い!腐ってんじゃないの?」
「おい、牡羊座。女の子があんまそういう言葉を使うもんじゃねーぞ」
「あっ!獅子座~♪」
扉が開き、獅子座と呼ばれた金髪のツンツン頭の男性が入ってくる。
その男性を見た途端、牡羊座と呼ばれた少女が獅子座に飛びつく。
獅子座は後ろに倒れそうになったが、なんとか堪える。
「やっと揃ったな。じゃ、始めよか」
「蛇遣い座がまだ来ていませんが?」
白髪の青年が尋ねる。
「それは追々話すわ―――――」
スウェルが会議に行く前、カイン、リーフ、リル、エリサの四人はスウェルの部屋兼本部……ではなく、本部兼スウェルの部屋に呼ばれていた。
「という事で、様子を見てきてほしいんよ」
スウェルから頼まれたのは、闇族の封印が解けていないか、確かめることだった。
「で、どこにあるんだ?」
「それは―――――」
「なるほどな、闇族の封印を解いて回ってるのは、蛇遣い座かもしれないって事か。確かに最近アイツ、行動が怪しいし」
「確かにそれは蛇遣い座がいない方が、話しやすいな」
「で、次解かれるであろう封印場所って見当ついてんの?」
獅子座はスウェルに尋ねるが、さすがにそれは知らないと言う。
だがそこで、先程まで黙っていた黒いコートを着た男性が口を開く。
「恐らく次は北西にあるヨーラス島にある塔だろう」
「何やて!?」
黒いコートの男性の言葉に、スウェルは思わず目を見開き、声を荒げる。
「何かあんのか?魚座」
「あそこには、うちの奴が行っとる。しかも……」
「しかも?」
「カイン・クリーク。炎の子や」
『!!!』
スウェルの言葉に、大地を照らす13星座の全員が驚く。
獅子座が椅子を倒す程勢いよく立ちあがる。
「ふむ、あの子か。面白そうな子じゃったのう」
「んなこたぁどうでもいい!!それより早いとこどうにかしねぇと、炎の子が蛇遣い座に会っちまったら…!!」
「なら僕が行きましょう」
白髪の青年が手を上げて言う。
「そうか、山羊座頼んだぞ」
「あたしももちろん行くで!」
「ならオレも行こう!!」
赤い髪の男性が行った後、場が凍りついた。
「射手座さん、シスコンぶりを発揮するのは別の所でにしてくれません?」
「うっせぇ!!兄が妹思いで何が悪い!!」
またもや場が凍りつく。
射手座と呼ばれる男性はスウェルの実の兄で、重度のシスコン。
「もういい。早く行ってくれ」
三人は一度頷くと、部屋を出て行った。
「さて、他にすることねぇし、解散で良いよな?」
それには誰も何も言わなかった。
「そう言えば牡牛座。何で分かったんだ?次の封印場所」
「……『千年万華鏡』」
「……それをどこで?」
獅子座が真剣な眼差しで尋ねる。
だが、牡牛座はと言うと。
「ツイッターだ」
それを聞いて獅子座は苦笑する。
勿論、そんな事がツイッターに書かれている訳が無い。
「お前いつからそんなにお茶目になったんだ?」
牡牛座は何も言わず出ていく。
「アイツの情報網なめない方が良いと思うよ?アイツの部下優秀だから」
そう言い残して天秤座―――レイウスも出て行き、一人また一人と出て行った。
やがて部屋は獅子座は一人になった。
「学級崩壊したみてぇだな」
別に先生でも何でもないんだけどな、と呟いて、獅子座も苦笑しながら出て行った。
ここはヨーラス島にある塔の中。
「おいおい、聞いてねぇぞ」
カインを含む四人は焦っていた。
何故なら何十人という敵に囲まれているからだ。
「これは、あれしかねぇな」
「あれだな」
「あれね」
「あれ…?」
カイン・リーフ・エリサの三人は視線を交わした。
そして一斉に叫んだ。
「「「逃げるが勝ちだ!!」」」
リーフとエリサが先に走りだし、カインはリルの手を引いて走る。
「くそっ!闇族の封印場所だからって、こんなに人数いるか!?」
「いや、もしここ守ってる人達なら私達犯罪人よね…」
そう言って前を指差す。
そこには、前から来る敵を撃ちまくっているリーフの姿があった。
「バカ言え!『アース』の使いのもんだって言ったら囲まれたんだぜ?正当防衛だよ」
しかし、それには返答が無かった。
不審に思って、リーフは後ろに振り向く。
だが、そこには先程までの三人の姿は無かった。
「……いやいやいや、だってさっきまで会話してたろ?何でだよ!またかよあいつら!」
どうやら自分が迷子になったという考えはないらしい。
仕方が無いので、リーフはとぼとぼ歩き始めた。
しばらく歩くとドアがあった。
もちろんそれを開ける。(撃って)
そこに待っていたのは―――――
「まさか君がここに来るとはね」
「?……! お前は…!!」
「思いだしてくれた?久し振り、リーフ」
その頃カイン達は。
「あれ?いつの間にいなくなったんだ?アイツ」
前を走っていたにも拘わらずリーフのみが迷子になる、というちょっとした不思議。
「いつもの事でしょ。大丈夫よ」
仕方が無いので、カイン達は歩き始めた。
しばらく歩くとドアがあった。
もちろんそれを開ける。(燃やして)
燃やしてしまっては、開けるという表現は少し語弊がある気がする。
そこに待っていたのは―――――
「ん?君達かい?ここに迷い込んできた子猫ちゃん達は。久し振りだね」
「「「?……! お前(あなた)は…!!」」」
「思いだしてくれたみたいだ―――」
三人は一斉に口を開いた。
「「「誰だっけ?」」」
(カ)「あれ?作者がいねぇ」
(リ)「何てでしょう?」
(カ)「まぁ、良いや。次回もお楽しみに」
(リ)「お楽しみに♪」
(雪)「うわっ、わわわわ!!」
(リーフ)「待て!ゴラァァ!!!」
(カ&リル)「・・・・・・・」
(カ)「何でだ?」




