第23話 『アース』恒例のお花見でメンバー大集合!
ほとんど台詞ばっかです。
え?いつもそうだって?
いつも以上ですよ。今回は。
今日は毎年恒例『アース』の―――
「花見だぁっ!!!!!」
そう、花見である。
桜の花が舞い散る中、友達や同僚とわいわい楽しく歌ったり、踊ったりするあの花見。
『アース』でも毎年一度、皆で集まって花見をするのだ。
と言っても来ない奴は来ないが。
「楽しいですね!」
「そうだな!」
ここではしゃいでるのは、生まれて初めてする花見に感激しているリル・コークレインと、毎年こんなテンションのカイン・クリークだ。
「何でミラさんは来なかったんでしょう?」
「何か『アース』に入ってないから、とか言ってたけど誰も気にしないと思うんだけどなぁ」
「リルちゃん、イエーイ!」
「えっ、あっ、イエーイ」
「もう酔ってんのかよ。レッ君」
リルに話しかけてきた、否絡んできたのは、金髪の青年レッ君ことレックス・セルベシア。
因みにレックスは、19歳だ。
「お酒飲んではいけないのでは……」
「飲ませたのは……あいつだろうな」
そう言って、指を差した先には青い髪の女性、カレン・イルジーナがいた。
「カインー!今日こそこれ着てもらうぞー!」
カレンが取り出したのは、メイド服だった。
「そ、それ女用だろ?」
「男も女もあるかー!」
「お前も結構酔ってんじゃねーか!!」
カレンがカインを……何か紛らわしいが、カレンがカインを追いかけだす。
何故カレンはカインに女装をさせたいのだろうか。
到底似合うとは思えないのだが。
「おや、随分無粋な事をする方がいたものですね」
片手にカップを持って話しかけてきたのは、いかにも大人な男性という雰囲気を出している、デルス・エンバルザー。
「デルスさんもお酒を?」
「いえ、私はお酒は飲めませんから、紅茶を飲んでいます」
「紅茶ってまたカッコイイもん飲んでんなぁ」
リルの後ろからデルスに話しかけてきたのは、カインの弟のリーフ・クリークだ。
「貴方も飲んでみますか?」
「いや、遠慮しとくわ」
「そうですか」
笑顔で返すと、デルスはどこかに行ってしまった。
そしてデルスと入れ替わって来たのは、白髪でヘアバンドをした青年、イグルス・ルイゼンバーン。
「兄貴はどこっすか!?」
「カインさんならカレンさんに追いかけられて、どこかに行ってしまいました」
「くっそ~、あの乳女め…!!」
「乳女……」
リルの横で胸に手を当て何かを考える、元幽霊少女のアリス。
アリスは『アース』には入っていないが、関係者として来ている。
「羨ましい……」
「あのー…アリスちゃん?女の人はそれだけで決まるわけじゃないんだよ?」
「そうそう、良い事言うわね。リルちゃん」
リルの意見に同意したのは、エリサ・スレット。
このタイミングで出てくる……つまりそういう事だ。
「げっ、エリサ!」
「イグルス、そのげっ、ていうのはどういう意味?」
「あ~、エリちゃんだ~。久し振り~」
「レッ君、あんた未成年なのに酒飲んだの!?」
「カレンの奴に飲まされたんだろうよ」
「カインさん!」
リルの横にいつの間に帰って来たのか、カインが水を飲んでいた。
少し時間が経ってやっと落ち着いた頃に、またもや騒がしい奴が現れた。
「佐祢丸殿、お主も酒を飲まれよ」
「いや、拙者は未成年故……」
「暑苦しく、更に堅苦しい奴が来たな」
今度来たのは、佐祢丸とヤグモの侍コンビ。
「何じゃと!?カイン・クリーク!決闘じゃ!!」
「やだよ。めんどくせぇ」
「この無礼者!!」
佐祢丸はカインに斬りかかろうとするが、ヤグモに止められる。
「佐祢丸殿、共に剣の道について語り合おうぞ」
そのまま、佐祢丸は連れて行かれた。
「……何だったんだ?」
「ホントですね」
「うおっ!?」
カインの横に座っていたのは、全身黒ずくめの青年、リアン=ヴァンパイア。
「珍しいな。お前が来るなんて」
「まぁ……ミラさんは来ていないんですか?」
「ああ」
「そうですか」
そう言うと、リアンはどこかに行ってしまった。
「あいつこそ何だったんだ?」
続いて来たのは、リルが見たことの無い二人組だった。
「ヤッホー、カイン君元気ー?」
「楽しんでるかー?」
「出たな、バカップル」
カインにバカップルと呼ばれたのは、ヒルグ・エニージオという温厚そうな男性と、アイシュ・タイレーンという活発そうな女性の正反対なカップルだ。
「何?お前ら、いちゃつきっぷりを見せつけに来たの?」
「本当にお前は口が悪いな」
「八割合ってるけど、二割不正解だね」
「ほぼ合ってんじゃねぇか」
アイシュはカインを完全に無視し、リルの方に向きなおした。
「あたしはアイシュ・タイレーン。こっちはヒルグ・エニージオ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「じゃあね、カイン君」
アイシュは手を振って、どこかに行く。
それにヒルグが着いて行った。
「カインーーー!!」
「何だ何だ!?」
カインは急に話しかけられて驚く。
だが、声の主に気付いた途端、次から次へとと言いそうな顔をする。
その正体は、トルージュ・ニルシレスだった。
トルージュは少年と手を繋いでやって来る。
「どうした?ってまぁ、大体は分かるけどな」
「実はレック―――――」
「レックスの兄ちゃんがいないんだよ!」
トルージュが言おうとしたら、遮って少年が言った。
「こら!カリウス!お姉ちゃんが喋ろうとしてたでしょっ!」
「お姉ちゃん!?」
「そうだよ!僕はカリウス・ニルシレス。お姉ちゃんの弟だよ!」
「ええっ!?」
「で、レッ君だっけ?」
「はい」
「レッ君ならあそこで寝てるぞ」
カインが指さす方には、気にもたれ掛かって寝ているレックスがいた。
「レックス様ーーー!!!」
トルージュはレックスを見るや否やさっさと走りだした。
「うちには騒がしい奴しかいねぇのかよ…」
「あんたもその内の一人なんだけどね」
「リリカさん!」
隣にいたのは、リリカ・ショーンズだった。
「リーフならあっちに行ってたぞー」
「なっ、だ、誰も聞いてないわよっ!でもまぁ、一応様子を見に行ってこようかしら!」
リリカは顔を赤らめて、走り去った。
出番はこれだけなのか。
「おーい、遅なってゴメンなー」
「やっと来たか」
手を振りながら歩いて来たのは、『アース』のボス、スウェル・マクシード。
と、その後ろについて来たのは―――
「ミラ!?」
「いやー、暇そうやったから連れてきてもうたわー」
ミラだった。
「スウェルさんが来いって言うから…その…」
「とにかく一緒に花見楽しもうぜ」
「……う、うん」
「そういや、今日の欠席者は?」
「えーと、クラウンと、二大不可視輝流士と、シュードやね」
二大不可視輝流士、等と大層な通り名だが、ただ単にサボりまくっているだけ、という可哀想な二人。
スラン・フォン・フォニムとアダン・ソマルス。
「ふーん、確かにあいつらは来ないだろうな」
「ふ、ふぇ……」
「? どうした?リル」
リルが急に口に手を当てたので、どうしたのか驚いた。
だが―――
「ふぇっくし!!」
「くしゃみ!?」
ただのくしゃみだった。
そして
「風邪か?」
「いえ、違うと…ふぇっくし!思いますけど…ふぇっきし!!」
「これは…」
「ボス!分かるのか!?」
「花粉症やな…!!」
「え…?」
ただの花粉症だった。
花見が終わり自宅にて。
「今日のお花見楽しかったですね」
「ああ、まさかリルが花粉症だったとはな」
「実はスウェルさんも花粉症らしいわよ」
「えっ!?」
「でもくしゃみとかしてなかったぞ?」
「空気を操って、花粉が来ないようにしてるんだって」
「……輝流ってそう言うとこにも使えるんだな」
「便利ですね」
リルは必死に鼻をかんでいる。
「……明日耳鼻科行くか」
「……はい」
(雪)「こんなにキャラ出したらすごい疲れた」
(カ)「お疲れさん」
(雪)「ありがとう」
(カ)「…お前花見やった?」
(雪)「いや、やってないから、作品でやってやろうと」
(カ)「どうした?テンション低いぞ?」
(雪)「春休みが終わっちゃったからね…」
(カ)「そ、そうか」
(雪)「・・・・・・」
(カ)「次回からは新章突入!お楽しみにー!」
(雪)「お楽しみにー…」
(カ)(この空気耐えらんねぇ…)