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Sacred Flame of Darkness  作者: カラクリ/あわぞー
第二章 セーブ『アース』編
22/83

第20話  遂に登場

 さて、今回は前回のやり取りの通りリーフ。

 リーフはいつもの格好だが、頭にゴーグルを付けていた。

 待ち合わせ場所は必要ないので家から直行した。

 今回の仕事は、廃ビルに立て篭もっている盗賊団を追い出すというごく普通で在り来たりな物だった。

 しかし、彼等は痛感する事になる。

 仕事には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――アクシデントがつきものだという事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛たたたた」

「大丈夫ですか?」

 

 肩を擦っているカインに、声を掛けるリル。

 それを全く気にせず進むリーフ。

 先日やられた傷が痛むらしい。リーフにやられた傷が。

 一行は今とある森の中を彷徨っている。

 

「おい、本当にこっちで合ってんのか?」

「だ、黙ってろ!こっちだこっち!!」

 

 只今現在進行形で迷子だ。

 しかも第2話のカインとは違い、本格的な地図を持ってきてこの有様である。

 そう、リーフは根っからの方向オンチなのだ。

 

「ちょっと貸してみろ」

 

 そう言ってカインはリーフから地図を半ば強引に奪い取る。

 それを見てカインは驚愕する。

 

「これあっちじゃねぇか」

「何だって!?」

「何だって!?じゃねぇよ!!どう見たってあっちだろうが!!」

 

 何故なら進んでいる方向は全く違ったからだ。

 というより真逆に近かった。

 

「置いてくぞー」

「まっ、待ちやがれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だよ、結局森なんて通る必要無かったじゃねぇか」

 

 一行はようやく廃ビルに着いた。

 ちなみに廃ビルは、街外れにあり周りには木しかなかった。

 

「何だ?お前等」

「おい、話しかけられてんぞ」

「お前も話しかけられてんだよ」

 

 廃ビルの入り口付近にはガラの悪い男達がたむろしていた。

 そして、その中の一人がこちらに気付き話しかけてきた、と言う状況な中でリーフが天然な事を言い、カインにツッコまれると言う、漫才の様なものを繰り広げていた。

 

「何だって聞いてんのが聞こえねぇのか?あぁ?」

「いや、聞こえたけどそんなアバウトな聞き方しといて通じると思ったの?」

 

 質問を質問で返すリーフ。

 それを挑発だと思ったのか、男の堪忍袋の緒が切れた。

 沸点が異常に低い。

 

「あんま、調子乗ってっと痛ぇ目見るぞ!!」

 

 男はリーフに掴みかかるが、リーフは掴まれる前に何処から出したのか、銃を構えて立っていた。

 男がそれに怯んでいる内に、リーフはゴーグルを目の位置まで下ろし、男の足を撃った。

 それを見て他の奴らもリーフに向かっていくが、リーフはその全員の足目掛けて撃った。

 

「すごい…あんな短時間で…」

「まだ全然凄くねぇよ。まだ輝流すら使ってねぇしな」

「えっ…」

 

 リルは驚いた。

 リーフは輝流すら使わずに、あれだけの数の敵を倒したのだ。

 

「お邪魔しまーす」

 

 リーフは律義(?)に挨拶をして入る。

 すると中からこれでもかという位に男達が出てきた。

 

「くらいやがれ!」

 

 リーフはもう一つ銃を取り出し男達に向かって、連射した。

 弾は全て足に当たり、倒すものの殺しはしなかった。

 

「よっと…ん?」

 

 敵がまだ10人ほど残っているときに、先程まで鳴り響いていた銃声がスカッと言う音に変わる。

 

「弾切れか」

「どうやら、弾切れらしいな。行けええぇぇぇ!!!」

 

 弾切れだと言う事を知ると、男達は一斉にリーフに向かっていく。

 

「可哀想に。ああなったら逃げるのが最良の選択だったのに」

「えっ?」

 

 カインとリルが後ろで話をしていると、リーフの銃が光り出す。

 

「あれって……魔錬具強化改造?」

「いや、違う。あいつの能力は―――」

 

 リーフは光っている銃を男達に向けて構える。

 

「はっ!弾切れだろうが!向けても意味は無ぇぜ」

「バーカ」

 

 そう言ってリーフは引き金を引く。

 すると、光の弾が男達に向かって飛んで行った。

 その弾が一人に当たり吹っ飛ぶ。

 

「―――あいつの能力は原流。性質は輝弾装填だ」

閃光弾フラッシュショット!」

 

 先程と同じ弾が一人に当たり吹き飛ばす。

 

空裂連射スカイガトリング!!」

 

 先程より少し小さい弾が男達に当たり、一人だけ残し吹き飛ばす。

 

「さて、あんたにはボスの居場所を吐いてもらおうか」

 

 リーフが男の胸倉を掴み上げた。

 ―――刹那、何処からか銃声が響きリーフの顔をドロッとした液体が赤く染める。

 だがそれはリーフから出た物ではなく、掴み上げた男から出ている物だった。

 

「……出てこい。隠れてこそこそ撃ったって俺には当たらねぇぞ」

「まぁ良いか」

 

 柱の陰から一人の男が出てきた。

 その男の手には銃口から煙が出ている銃があった。

 

「何でこいつを撃ったんだ?」

「何でって。そりゃあ、弱ぇ奴は必要無ぇからだよ」

 

 リーフが静かに尋ねると、男はさも当然だと言うように答える。

 

「ふざけんな」

 

 リーフは怒鳴り、左手の銃で男に向かって撃つ。

 しかし男はそれを避け、今度は逆に男がリーフに向かって撃った。

 だがその弾をリーフは光の弾で相殺させる。

 

「これは見事。だがこれは避けられないぞ!!」

 

 そう言うと男はもう一つ銃を取り出し、リーフに向かって撃ちまくる。

 

「ハチの巣になって死ね!!」

「避ける必要なんてねぇ…」

 

 リーフは右手に持っている銃を男に向ける。

 銃の放っている光が今までより大きい。

 

「なんせその弾は俺には届かねぇ」

「あん?」

帝王の断罪(エンペラーキャノン)!!」

 

 右手の銃から放たれた弾は、全ての弾を呑み込んで男に向かっていく。

 

 

「撃ち放つ…」

 

 

 

「崩壊の銃撃を!!」

 

 光の弾は男をも呑み込み、壁に当たって爆発した。

 それを確認すると、カイン達の方を向く。

 

「…もう行きやがったか」

 

 そこにはカインの姿が無かった。

 リルも気付いていなかったらしい。

 リーフは爆発した方を再度向く。

 だが煙のせいで中の様子は分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!あのガキが…!!」

 

 男はよろけながらも立っていた。

 そして前から人が来ているのが分かった。

 

「てめぇは、あいつ等を……何だと思ってたんだ?」

「?」

 

 声からして男だと言う事が分かった。

 

「撃った奴の事を何だと思ってたのかって聞いてんだよ」

「ああ、あいつか…ただの道具だよ!それ以外に何かあるか?」

「……この屑が」

 

 男は煙に紛れている影の右手のあたりから、炎が上がっているのを確認した。

 

「おい!何する気だ!!」

「…焔の柱(フレイムポール)

 

 男は炎に包まれ灰になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!」

「あっ、カインさん!どこに行ってたんですか?」

「ちょっとあっちに気になる物があって」

 

 カインは少し無理があったかと思ったが、リルは信じたようだ。

 

「そう言えばあのボスみたいな人はどうなったんでしょう?いなくなってますし…」

「どうせ逃げたんじゃねぇの?」

 

 それもリルは信じた。

 少しは疑った方がいいのではないかと思えてくる。

 

「まぁ、帰ろうぜ。下っ端共も追い出せたみたいだし」

『待って下さい!』

「何か言ったかリル?」

「? 言ってませんけど」

「俺も言ってねーけど何か声は聞こえたな」

『こっちです。こっち』

 

 三人は声のする方を向く。

 そこには10歳位の少女がいた。

 

「こんな所でどうしたの?」

『助けて欲しいんです!』

「「「…はい?」」」

 

 三人は上手い事ハモった。

 そしてカインとリルは前にもどこかで見たことがある状況だと言う事も思っていた。

 

「まぁ、とりあえずお話を」

 

 そう言ってリルは、少女の手を掴もうとした。

 だが出来なかった。

 というより、すり抜けた。

 

「あれっ?」

「ま、まさか…」

「よく見たら足も…」

「ということは…」

 

 少女は無言で頷く。

 と言う事はやはり…そう言う事なのだ。

 

 

「「「えええぇぇえぇぇ!?!?!?」」」

 

 廃ビルに三人の驚く声がこだまする。

 三人は痛感した。

 

 

 

 

 

 ―――――仕事には、アクシデントがつきものだという事を。

リーフ・クリーク

【性質:輝弾装填/17歳/男/173㎝/60㎏】

金髪の青年。カインの弟。

普段はクールだが天然。

任務の時はゴーグルを付けていく。

かなりの方向オンチで偶に帰ってこれなくなる。(その度にカインが迎えに行く)なのでGPSは必須アイテム。

2丁の銃を使う。弾が無くなると輝力の弾を装填し放つ。

決め台詞は「撃ち放つ、崩壊の銃撃を」

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