第2話 謎のおっさんの侵入大作戦!
ここはとある山の中にある城の前の茂みの中。
何故こんな所にいるのかと言うと仕事だからである。
内容は、
『最近この付近で暴れまわっている盗賊コーライ・カッツェル及びコーライ率いる盗賊団の退治』
である。
「やっ、やっと着いた…」
「ほ、ほんとだ…」
そう言っているのは、黒髪の青年カインと金髪の女性だ。
この金髪の女性の名はエリサ・スレット。
「ていうかよくこんな地図で来れたよな…」
「そうね…」
そう言いながらカインは、手に持っている紙切れをひらひらさせている。
そしてその紙切れには、手書きで山の絵とココと書かれているだけだった。
「あのアホだけは…」
カインは地図を描いた本人、つまり前回の赤髪の女性に怒りを込めながら紙切れをビリビリ破いていった。
「おかげで来るのに1日かかったじゃねぇか…」
「まぁ、無事着いたんだから良いじゃない」
そう言うエリサも心なしか怒っているように見える。
「まぁまぁ、嬢ちゃんの言う通りだよ青年、怒んなよ」
「「!!!」」
カイン達はその声に驚いて後ろを振り返った。するとそこにはいたのは、
「そんなあからさまに驚かなくても良いんでねーの?」
見た目は30代後半位の男性だった。
いくらか落ち着いたところでカインが口を開く。
「おっさん、いつからいたんだ?」(全然気付かなかったんだが…)
その前にまず名前くらい聞いとこーよ。
「えー、いつからってーと」
話は数時間前に遡る―――――――――――
「おい」
「何?」
数時間、下手したら半日ほど山の中を歩き続けていて疲労しているためテンションだだ下がりである。
「あっちの方が近そうじゃね?」
「でも道はあっちしか無いわよ?ってカイン!?」
エリサが話し終わる前にカインは茂みに入って行った。
「ここどこ~?」
案の定道に迷った。
「やっ、やっぱあっちだったかな…?」
カインはこっそり逃げ出そうとする。
だが――――――
「待ちなさい…!!」
ビクッ!!!
カインはとても分かりやすくビビっていた。
(後ろからとてつもない殺気が…)「は、はい~」
カインが後ろに振り向くと、目の前にエリサの拳があった。
「やっぱ違ったじゃねぇかあぁぁ!!!!」
「ごふぅあぁ!!」
この時カインは直感した。
エリサを怒らせるのは本気でヤバい…。
―――――――――時間は戻り現在
「ってところくらいからかな」
「そんな前からいたの!?」
「おう!いや~しかし青年が殴られた時は死んじゃったかと思ったわ」
「だろ?そう思っただろ?」
「あぁ、嬢ちゃんありゃあすごかった。鬼神の如き―――――へごっ!!」
男性はエリサにぶっ飛ばされた。
「おいおい何やってんだエリサ…」
「ちゃんと手加減くらいしてます!!」
「今のもか…?」
ご冥福をお祈りいたします。
「いや、別に死んでないから!」
「で、こんな所で君達は何してたの?」
男性は、真っ赤な頬を擦りながら言った。
「実はどうやって入るか考えてたんです」
ちなみにこの城には門があり、その門には2人門番がいる。
「えっ?そんな話初耳だけど…?」
「あんたに言ってもどうせ『正面突破だ!』とか言うでしょ?」
「……確かに」
「入る方法なぁ……」
男性は数秒考えた後、何かに閃く。
「俺閃いちゃった……入る方法。しかも入る人に危険はほぼ無しの」
「えっ!?どんな方法ですか?」
「うーん、口で説明するより見せた方が早いか……まぁ、見てな」
そう言い残して男性は門番の所まで行き、門番二人を殴って気絶させる。
そして、男性はこちらを向いて来いと合図して入って行った。
その頃カイン達サイドは
「あの人一体何者なの?」
「そんなことはどうでも良い、行くぞ!」
「えっ、あっ、うん!」(これって結局正面突破じゃない?)
カイン達は城に入ろうと走り出す。
そして城に入る直前に武器を持った男達が3,40人程出てきた。
「え、えーとこれ、どういう事?」
エリサはかなり焦っている。
「ほんとに来やがったぜ。あのおっさんの言うとおりだ!!」
「おっさんの言うとおり?…まさか」
「あのおっさん…」
「「俺達(私達)を囮にしやがったなあぁぁ!!!」」
一方男性は――――
「さて、『アース』の子達はどうするかねぇ」
そんなことを言いつつ不敵な笑みを浮かべていた。
さて第2話、どうでしたか?
あのおっさんの正体とは?そしてカイン達は無事に仕事が出来るのか?
始まりの炎編今後も少しだけ期待して待っていてください。
さてここからは能力紹介
【能力の名前】:能力を使う者の名前
【原流】:原流士
輝力を体などを通して様々な性質に変化させ放つ能力。1人につき1つの性質を覚えられる。
カインの【炎】など…
【魔術】:魔術士
輝力を詠唱を通して具現化させる能力。これは1人につき15~20ほど覚えられる。
次回出る予定。
【魔錬具】:武具士
輝力で武器を変形させたり、強化する能力。本人が使いやすい武器でないと使えない。
登場はまだ先になる予定。