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【番外編】前回のちょっとした続きと漫画みたいなキスの話

 実は、前回の【番外編】で書ききれなかった箇所があったので、最初のほうで軽く触れておきたい。


 北5条・手稲通を挟んで、北大植物園の向かい側にラ・トゥール札幌伊藤ガーデンという地上30階建てのタワーレジデンスが建っている。

 ここは日本最古の都市公園【偕楽園】 の一部であり、伊藤組土建の名誉会長邸宅の敷地(実際伊藤さんの表札が植物園側に面してる門柱にまだ残っているはず)に建てられていて、敷地内を外から眺めると、ここもなかなか緑豊かなのである。

 (ちなみにここにも栗鼠の気配がある。)


 もちろん敷地内に部外者が立ち入ることは出来ないと思われるが、中に入らなくても実は北5条・手稲通側の歩道には、かなり立派な巨木が生えており、幹が太く、にょっきにょっきとした根も歩道上に隆起した姿を現しており、これだけでもかなり満足度が高く散歩コースとしてはお薦めなのである。


 本当はこのラ・トゥール札幌伊藤ガーデンの背後、JRの路線に沿った形で、遊歩道がかなり長く延びていて、そこも絶好の散歩コース兼通勤・通学路だったのだが、今はもう新幹線延伸工事のためにそこに立ち入ることは出来ない。

 とても綺麗な桜や紅葉が左右から伸びて、道を覆うような構造になっていた遊歩道で、上を向いて歩くのが好きな場所だった。

 今では多分木々も切られてしまっていそうで残念である。

 また開通する事があれば、歩いてはみたいが。



 さて、ここで話題を変えて本題である。



 筆者はここ数年、人同士がキスしている場面を目撃する事が多くなった。

 というよりも、人のキスを生で目撃するなど結婚式の誓いのキスの時くらいなもので、それだってあまりよく見えないし、回数だって多くないし、意識的に見ないようにもしていたので、やはりここ数年が人の生キスを目撃した最初の頃合であるとカウントし始めていいのだと思う。

 (もちろん大都会にお住まいの方であったり、繁華街によく行かれる方であれば、見慣れた光景なのかもしれないが。)


 別に出歯亀根性で覗いているわけではなく、ふと向けた視線の先にキスしている人達がいた。

 それだけの事である。



 さて、キスをしている色々な人達がいたわけだが、長々と書いても仕方がないので簡潔に一組だけ、直近で特に印象に残ったエピソードを書いていきたい。


 それはやはり夜の散歩中に目撃したキスシーンだった。

 季節は5月頃、暖かさと肌寒さが同居しているような季節だったと思う。


 【札幌駅前通】をJR札幌駅へ向かって北上していた時に、ふとあるカップルが目に付いたのだ。

 理由は多分、日本人男性(もしくは東アジア系の男性)と外国人女性という組み合わせで、どちらかといえば美男美女の絵になるようなカップルだったからだ。

 だから筆者もつい、チラチラと何度も視線を送ってしまっていた部分はある。


 彼らとは行くべき方向も同じで随分長く同道しており、筆者が前を歩く事もあれば、彼らが先を歩く事もあった。

 彼らは道中で何事かを語り合っていたが、それは全部英語での会話であり、この日本人男性(もしくは東アジア系の男性)は英語喋れるのかーすごいなーとか、やっぱり外国人と付き合う場合は英語必須なんだなーとか、そういった類の俗っぽい感想を抱いていたように思う。


 さて、赤レンガテラスを過ぎてJR札幌駅にあと少しで着くといったところで、筆者達通行人の群れは信号で足止めを食らうことになった。

 そこにはあのカップルもいて、彼らは筆者の右斜め前に陣取っており、筆者からはよく見える位置に立っていて、視線を向ける必要もなく視界に納まっている。そんな形に意図せずなっていた。


 信号待ちの間、彼らはまた何事かを喋り、微笑み合っていたが、両隣に並んでいた彼女のほうがふっと彼の前へと進み出て向き合ったかと思うと、彼の顔に自分の顔を近付けた。

 そうして彼の唇にちゅっと軽い口付けをして顔を離すと、悪戯が成功でもしたかのような、それでいて少し恥ずかしそうなような、でもとても自然体な……そんなとんでもなく可愛らしい笑顔を彼に向けていたのだった。


 それは「あっ」という間の出来事だったが、漫画かアニメかとでも言うような、そんな絵になるワンシーンだった。

 綺麗というより爽やかなキスシーンといった感じで、下品ではなかったのもよかったのかもしれない。


 どういう成り行きで突発的にキスをしたのか、言葉が分からないので前後の文脈を読む事はできなかったが、何か彼女の気持ちが盛り上がる言葉の掛け合いがあったのか、それとも自然と心が浮き立ってしまってつい口付けをしたくなってしまったのか、筆者が考えられるのはこれくらいである。


 謎は深まるばかりで答えなど見出せないが、こればかりは仕方がない。

 そして筆者も突然のキスにびっくりしすぎたので、なんとなく彼らから視線を外して信号が青になった瞬間に彼らに先んじて前へと進みでた。


 JR札幌駅へ向かう筆者と、札幌駅手前の交差点で左折したこのカップルとはここでお別れとなったが、なかなか思い出深い一幕となり、筆者に大きな印象を残す事となったのだった。


 こうやってエッセイに書き記す程度には、である。

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