2.大通公園と夜の路上ライブ
大通公園は路上ライブのメッカ……という程でもないのだが、しかし連日連夜とまではいかないけれど、かなり高確率で誰かしら路上に立って歌ったり演奏しているという事に、つい最近(と言っても五月頃だが)散歩をしている中で気が付いた。
多くは普段一番人が集まっている3丁目で路上ライブをしている人が多く、次いで札幌駅前通り(札幌駅南口から大通公園・すすきのまでを貫く一番人通りが多い道路。この下には地下鉄南北線が走っている)を挟んで4丁目の札幌駅前通り側(テレビ塔側)の道路に面したところなどが目立って人気の場所だろう。
やはり人通りや大通公園利用者が多い場所であれば、路上ライブを聞いてもらえる可能性が高まるので、戦略として選び取る人が多いのかもしれない。(また騒音等の影響から路上使用許可が得られる範囲もこの辺りという理由があるのかもしれない。)
ここでは基本的にアコギ弾き語り勢が一番多いような印象があり、3丁目ではだいたい一日置き程度の頻度でアコギ弾き語り青年/少年(一人ではなく複数人で回しているように見える)が噴水の前に立って、おそらく固定客を含めた聴衆と彼らからの拍手を集めている。
ちなみに金曜日や土曜日、もしくは祝日前夜などの大勢の人を当て込めそうな日には、同時多発的に路上ライブが行われており、筆者も一度や二度、三人程が同じ空間(と言っても多少は距離が離れているのだが)でライブをしているところに遭遇した事がある。
そんな時には歌声があちらこちらから響き渡り、誰かの歌が終わりギターによる伴奏だけになると、マイクを通して拡声された違う曲を歌う歌声がすかさず耳に割り込んで聞こえてくるという、随分とカオスな状況に直面したりもする。
こういうバッティングは稀な事であるのでいいとして……。
閑話休題。
さて、筆者が今回お薦めしたいのは、この3丁目・4丁目の賑やかな中で歌声に耳を傾けながら宵涼みを、という事ではなく。(もちろんこのアコースティックギターによる弾き語りも悪くはないのだが、宵涼みとしては人が多すぎるのと賑やかすぎるきらいもある)
そこから更に東側(テレビ塔側)に外れた2丁目で主に路上ライブ活動をやっている”とあるバンド”。
彼らの音楽を聴きながら宵涼みをする、これが筆者のお薦めする最高の宵涼みなのだ。
彼らのバンド名はbon"D"gon。
インストゥルメンタルバンドである。