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「プロローグ」
多種族異世界ファンタジーです。
この世界には平和なんてものはない。
争いは終わらない。
喜びの裏には必ずしも悲しみがある。
そんな世界で人々は生きている。
ボロボロの小屋に朝日が差し込む、
汚い毛布に包まっていた少年が目を覚ます。
「ん、、朝、、か、、」
少年は木箱を開けて何かを取り出した。
肩から掛けて、街の外れの狩場に向かった。
スラム街に住む人々は、街を襲う魔獣を狩って
暮らしている。
「第三部隊!行け!」
隊長の掛け声に合わせて、少年は銃を構える。
耳を劈くような銃声の後に、魔物の呻き声が
聞こえてきた。
こんなことをしなければならないのは、理由がある。
この世界には、6つの陣営があり、日々領地争いが
起こっている。悪魔陣営が生み出す魔物が、人間陣営の領地を攻めにくるから、少年のようなスラム街の
人々が守っているのである。
ほんの少しの銅貨を握りしめて、安いパンを買って
小屋へと帰る。
毛布の上に腰を下ろして、少年はパンを噛み締める。