第82話 再び甘く
若いうちから公爵を引き継ぎ、重圧にも負けず頑張っているジェイシス様の頭を撫でていたが、ギュッと腰に手が回り抱きしめ返された。もちろん、ジェイシス様の頭というか顔は私のお腹付近にいる。
そこから顔を見上げたジェイシス様の目は熱を帯びていた。
「アイリ嬢、それは私と一緒に楽しんでいただけるということかな?」
「今度うちの領土に行きますよね?そこでいっぱい楽しみましょう。いつも忙しい毎日を探していて、もう少し体を休めた方がいいですよ。仕事仕事の人生よりもう少しゆとりのある人生の方が楽しいですよ」
ギュッと強めに抱きしめられた。
「私はあなたと共に楽しみたい。楽しみ方を教えていただけますか」
ジェイシス様の頭を撫で撫でしながら答えた。
「そうですね。ジェイシス様にとっては大した楽しみ方ではないかもしれませんよ。それでもいいのですか?」
「あなたと共に過ごしていけるのなら、どんな楽しみ方でもいいのです」
腰をグッと引かれ、いつのまにかジェイシス様の膝の上に乗っていた。ジェイシス様の瞳はずっと熱を帯びている。目が合うと微笑まれ、顔が近づいてきた。
そのまま、前と同じ状態に陥っていた。唇が食べられているような、甘く激しい絡み合い。どのくらい時がだったのだろう。額と額を合わせていた。
「このまま続けると、帰せなくなる。はぁ、帰したくないな。このままここにいませんか?アイリ。アイリ」
ギュッと抱きしめられ、ジェイシス様の唇が耳を甘噛みし、首筋に這わせていく。
「甘いな」
「ジ、ジェイシスさ・ま。あ、あのひやっ、こ、これ以上ダメです。耳はダメです。ひゃっ」
「あなたはここが弱いのですか?ふふっ」
また、深い口付けが始まった。ジェイシス様の手は始終体を弄っていた。唇がどんどん下の方は移動してきている。
「ジ。ジェイシス様、こ、これ以上ム、ムリです。ギャバオーバーです。恥ずかしいです」
顔が近い。色気がありすぎる。
「アイリ、もう少しこのまま続けたいのだけど、だめ?」
「ダメです、ダメです。恥ずかしいです。もう胸がドキドキしすぎて、死んでしまいます」
「死んでしまうのは困るな。今日はここまでかな」
いやー、今日はってなに?今日はって。
でも、まだ膝の上です。
「紅茶の温かいものをもらおうか」
「いえいえ、このお茶でいいです」
人に今の状況を見られたくない。今私は姿はどんなことになってあるのだろう。
「では、お茶飲む?」
うんうんと頷く。ジェイシス様は私のカップを手に取り、自分で飲む?私のお茶ーと思っていたら、口移しをしてきた。私は雛鳥ですか?
ジェイシス様は満足そうに頷いた。今度はクッキーを口に持ってきた。また、アーンの姿勢です。この甘い雰囲気はどうしたらいいの?全て、ジェイシス様にお世話されている。
しばらくすると、メイドさんが夕食をどちらで取りますかと聞きにきた。
ジェイシス様は部屋で取ることを伝えていた。この状態のまま、夕食準備が始まるのかしら?
「あの、ジェイシス様、この状態では恥ずかしいのでおろしてください」
「大丈夫ですよ。あなたは羽のように軽い。このままで大丈夫ですよ」
いやいやいや、恥ずかしいから、おろしてください、お願いします。しかし、がっしりと腰をホールドされているため、このままでいるしかない。
今の状況を整理しよう。ジェイシス様の太もものところに腰をおろしている。腰はホールドされている。ジェイシス様の胸に項垂れている状態。これを見たメイドさんたちの反応はどうなるのだろう。
答えは簡単、スルーです。見ていませんというか知っていて、平然と夕食の用意をしているメイドさん達。
顔をジェイシス様の胸につけて、見られないようにした。恥ずかしいよ。
ジェイシス様は気をよくして、私の髪の毛を撫でたりしている。
その後もジェイシス様のやりたい放題。
夕食はすべてジェイシス様に食べさせてもらっている。抗議したが、私の楽しみを奪わないでくださいと言われてしまった。
食べ終わっても、また先ほどと同じ行為が続く。甘い甘い2人の時が過ぎていく。
「アイリ、泊まって行きませんか。番が泊まることが許されているので、一緒に過ごしませんか」
一緒に過ごす?帰ることを伝えたが離したくないのか、甘い時間が過ぎていく。




