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第74話 アグリ様と転移魔法

 今日はアグリ様とお兄さまの3人で転移魔法で領地に行く日です。楽しみな転移魔法。バビューンと着いてしまうのかしら?


「アレクセイ殿、アイリ嬢、本日は一緒にご同行いただきありがとうございます。あちらで案内をよろしくお願いします」


「こちらこそ、アグリ様の転移魔法や結界魔法のおかげで、安心して王家の方々をお迎えすることができます。ありがとうございます」


「そんなに改まらなくてもよいよい。あのバカ国王のワガママでみんな振り回されているのだから、私は先にあなた方の領地がどんなところか楽しみで仕方ない」

 パチーン、とウインクされました。

 本当にこの世界は顔面偏差値が高い。

 あのデビュタントの時に、お父さまが国王陛下を名前で呼んでいたけど、ご学友?


「アグリ様は国王陛下とご学友だったのですか?うちの父もですか?」

「そうだよ、宰相と騎士団長もだ。だから今のアレクセイ殿とカイデール殿下達と同じだな。いつも一緒にいたなぁ。君たちのご両親の馴れ初めも知っているぞ。君たちの父のステファンはフルーラ様のことが大好きなのになかなか告白しなくてな。くくくっ、我々がお膳立てしたり、偶然を装うために奔走したよ。懐かしいなぁ」

お父さまとお母さまは貴族に珍しい恋愛結婚だけど、お父さま、ヘタレか!


「ところで、アイリ嬢はスタンフォート公爵殿と仲良くお過ごしか?くくくくっ」


「アグリ様、あまりジェイシス様を煽るのはおやめください。お願いしますよ」

 まったく、あの時のことを思い出すとひゃー、赤くなってしまう。冷静に冷静に。


「仲がよろしいことで」

 なんだか見透かされている感じがする。恥ずかしい。


「こほん、アグリ様、ご子息のリドルード様も一緒ですか?」


「そうそう、こやつも結界魔法や転移魔法を持っているので、そろそろ本格的に継承を考えているので、同行させました」


「アレク、アイリ嬢、急で申し訳ないが一緒に同行させていただきます。よろしくお願いします」


 そして4人で転移。シュパってかんじです。こんなチートな魔法羨ましい。


 そして、眼前に青い海、白い砂浜、ヤシの木が立ち並ぶ風景。癒される。帰ってきた領地。


「これは、凄い、すごく綺麗だ」

 言葉を失うアグリ様。そうでしょ、そうでしょ。綺麗でしょ。


「アレク、お前の領地すごいな。なんだこの風景」


「このヤシの木を植えたのはアイリが考えたものだ。癒されるだろう」


「ようこそ、モンテスキュー領へ。あそこに見えるのが今回宿泊していただくコテージです。隣は今急ピッチで作ってもらっている護衛騎士などの宿泊施設です。どうぞこちらへ」


 だけどアグリ様の転移で行けるかな?

「アグリ様、あそこまで転移ってできますか」


「ははは、お安い御用だよ」

 アイリ、バカ、アグリ様に催促しているのだと後ろで怒っている兄を無視し、転移をお願いした。楽な方が良い。


 今、護衛騎士達の宿舎を建設している前に転移していただいた。


「お嬢、ど、どうしたのですか?いつ来たのですか?えっ?」

 ドリルがびっくりしていた。いきなり現れたらびっくりするわよね。


「ドリル、どう?順調に進んでいる?ちょっとシュパっと来たの」


「シュパ?進み具合は順調です。あちらのコテージの方は、全て完成しています。あとはお嬢の精査をお願いします。こちらの宿舎も大方できてます」


「急ぎで作ってもらってごめんね。でも、思った以上の出来よ。私のあの拙い設計でよくここまでできたわね」


「あとで部屋の中を見て,違っていたら教えてください。まだ直しはできますので」


「ありがとう。アグリ様たちをあちらのコテージに案内してから、こちらを見に来るわ」


「アイリ嬢、我々も見たいので、今からこちらの護衛騎士用を見ましょう」

 なんだかアグリ様楽しそうね。


「ありがとうございます。ではドリル、キーリとドゥーブル、ドリストルはここで作業しているの?」


 大声でみんなを呼んでいる。お嬢が来たぞーって、お嬢っておいおい恥ずかしいよ。


 後ろでブフッと笑っているわね。いいのよ、お嬢で。


「我々もお嬢、と呼んだ方がいいですかね」


「アグリ様、やめてください。ここでの呼び方ですから」


 それからキーリとドゥーブルが来た。

「お嬢、久しぶり。この建屋もなかなか良くできたよ。お嬢が描いた設計図が良かったよ」


「キーリ、ドゥーブル急がせてごめんね。外観と庭はもうほとんど出来上がりね」


「いや、まだまだ納得いかないので、もう少しいじらせてください」


 それから護衛騎士用の宿舎ら一階、食堂室、大浴場、2階宿泊施設。一室1ベッド、洗面台、シャワー室、トイレのところ。2ベッドその他同じ。4ベッドその他同じ。

 1ベッドは、団長,副団長クラス。2ベッドは夫婦がいたら、あとはその他大勢とした。

 だいたい出来ているわね。すごいわ。


「これはすごい。王都の寄宿舎が霞んで見えるぐらい、こちらの設備がいいですね。これはいい。一階の大浴場いいですね」

 アグリ様はいいね、いいねの連発で、興奮気味にあちこち見て回っている。


「はぁ、こちらからも海が見えるのですか。はぁ、いいですね」


 後ろの方ではお兄さまとリドリード様が話していた。


「お前のところすごくないか?なんでこんなすごいの建てているんだよ」


「護衛騎士などの宿舎も考えないといけなかったから、急いで作らせているんだよ。まさか王家がうちの領地に来るとは思わなかったよ。ちなみにあの木やコテージ、大浴場はあいつの趣味。領民をおもてなしするときに使おうとしたらしい」


「は?なぜ領民をあんな立派な屋敷に?」


「今まで、この領地も厳しく、みんなで助け合いながらなんとかやってきた。最近色々開発して、生活に余裕が出てきた。だから、領民の癒しの場として毎週何組かの領民を招待してくつろいでもらおうと計画していたのだよ。そうすれば領民もワクワク感が生まれるだろう。だけど、王家を招待だからな。参ったよ」


「確かに領民としたら、こんなすごい建屋で、料理やお風呂、宿泊できるなんて夢のようだよな。でも、寛げるのか?」


「それはわからないが、全て強化魔法が付与されているから、壊す心配はない。本当に寛いでほしいと思った計画だからな。美味しい料理を食べ、お酒も出すし、お風呂も入れる。あとはアイリが考えているのは、健康ランド?お風呂入って、ご飯食べて、歌って踊ってくつろいで帰るというものを作ると豪語していたな。お金は取るみたいだけどな。領民料金と一般料金。そちらの方が領民は気兼ねなく来れるかもしれない」


「俺もそれがあったらくつろぎに来たいな」


「一般料金を払えよな」

 後ろでご学友同士楽しく話しているね。


「あとはカーテンね。私が作るか」


「アイリ嬢が作るのか?」


「今収穫で忙しいので、カーテンは私が作ってしまいます。ドリル、領民で不便なことの進言が何かあった?」

 

「おじきに聞いてください。おじきが要望とか聞いては作ってましたから。今は収穫をしています」


「ドリストロには本当助かっているよ。お酒の管理から農作物関連と任せてしまって」


「あー、おじきはお酒を美味しくするために余念はありませんからね。そのために頑張ってますよ」

 やっぱり酒かーい。


 みんなお酒のこととなると、どうして目の色を変えるのかしらね。

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