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間話 スタンフォート公爵様 部下視点

この話は時系列が混在しています。あくまで部下視点です。話のその後の話だったり、それ以降のどこかの時間軸の部下の視点です。

 我々の上司、スタンフォート公爵様。財務省財務大臣として我々を取り仕切る、そして仕事のできる貴族様だ。誰に対しても公平に判断し指示し尊敬できる上司だが、厳しい上司でもあった。まぁ、他の貴族に就くよりは恵まれた部署である。


 スタンフォート公爵様を我々は大臣と呼んでおりますので、大臣とこれから呼ばさせていただきます。大臣は龍人の血が流れている王族寄りの貴族様だ。龍人の血が流れているものは番様がいるらしい。しかし大臣には番様がなかなか現れなかった。


 最近、番様が見つかってから、大臣の雰囲気が変わった。今までは、仕事一辺倒で厳しい上司というイメージだった。しかし、今、みんなで会議をしている。題材は働き方改革?財務省独自の就業規約?を作りより良い職場を目指すと大臣がおっしゃった。皆、???だった。


 まず、大臣が我々に謝られた。皆、えっ!という状況だった。皆の都合や家庭環境などを気にせず、私が仕事に没頭すれば、必然と部下の我々まで一緒に仕事をする。それは、昼ごはんを食べず、休憩せず、夜遅くまでずっと仕事をしていたことに気づかなかったことを謝られていた。皆にも家族や大事な人たちとの時間がある。それなのに仕事ばかりで体と精神を酷使させていた。これからは、家族や大事な人との時間を大切にして欲しい。もちろん仕事はきちんとしてもらう。メリハリをつけた仕事をして欲しい、ということだった。

 そして、提案されたこと


 1週間に一度は全員一斉定時退社にする。もちろんそれ以外でも家族や大事な人との約束があれば定時に上がって欲しい。

 お昼休みを1時間きちんと取ること。

 お昼ご飯は食べること。

 女性の産休、育児休職を認める

 子供のいる女性は、託児所を併設するので預けることができる。

 短時間勤務を希望するものは、取得可能。

 条件:1時間いくらという時間給になる。

(今の給料を時間で割れば1時間いくらかわかる)

 有給休暇を一年10日取得。


 これを試験実施することになった。また何かあれば改善策を取る。上司部下とのホウレンソウ?が大事。

 ホウレンソウとは報告・連絡・相談ということだ。


 みんなポカンとした。だってそうだろう。こんな、こんないい条件、本当にいいのか?女性なんて涙ぐんでいるよ。確かにダラダラして仕事するよりはメリハリをつけて仕事をした方が効率的だ。

 実現するためにみんなで協力が大事だと大臣は言う。それはそうだ、協力していかないと、これは実現できない。実現するには、協力と報連相。


 1人で抱え込まないで欲しいとお願いされた。


 そして,案内されたのは休憩室。決められた時間を休むこと。このソファはなんなんだ?体を包み込むような、それでいて居心地が良い。すぐ寝られるよ、これは。寝たら起きられないと思ったら、アラームが鳴る仕組みだった。音はジリジリジリとけたたましい音だった。もしくは、このソファーが勝手に起こす仕組みどちらがいいかと聞かれた。勝手に起こすって?同僚が実演した。時間が経ったら、背もたれが起き上がってきた。おー、その後がすごかった。背もたれがどんどん床の方に起き上がってくるのだ。必然的にソファーから叩き出される仕組みだった。どさっと床に落とされた同僚。油断してはいけないソファだな。あれは起きるよ。アラームの方がいいかも知れない。

 いびき防止対策もされていた。この部屋は決められた時間しか開かない対策と契約しているものしか入れない仕組みで徹底している。盗まれたら困るもんな。あと、知らない部署の人が寝ていたなんて困るよ。


 それから,大臣がみんなにお昼ご飯を提供してきた。みんなで食べることになった。みんな大臣に質問攻めだ。この料理は番様が作ったらしい。女性陣はデザートがいっぱいあることに喜んでいた。我々は酒が欲しくなった。うまい料理だった。


 この働き方改革は番様に言われたらしい。あなたはダメ上司と言われてしまったとおっしゃって笑っていた。みんな、えっ!!と一斉に声を上げた。だって、大臣にダメ上司って言えてしまうのか?

 大臣は、お昼ご飯を食べずに仕事をしたことに怒られ、上司のあなたが仕事をすれば部下も食べずに仕事をするのよ、遅くまで仕事をすれば部下も仕事をするのよ!あなたは部下の家族や大事な人との時間を邪魔しているとシュンとしながら仰っていた。すごいな、番様。そして、お昼ご飯はきちんと食べ、休憩は大事、10分、目を閉じるだけでも午後の仕事が違うのよ、と延々と説教されたらしい。だからお昼は食べなさいと、このご飯を待たされたとのことだった。休憩は、この人をダメにするやつを営業され買ってみたと笑いながら言う大臣。営業がうまいのかな、番様。同じ仕事をしているのに女性の地位が低いことも怒っていたらしい。男でもできないやつはできない。それなのに地位を傘に大きな態度取るのが腹が立つ。お前に地位をとったら何が残るのだ!偉いのはお前のご先祖だ!お前ではない!そして女性は子供を命懸けで産むのよ。やることだけやって知らん顔する男は許さーんとこれまた怒っていたらしく、大臣は笑いながら、すごい人だよと惚気ていた。

 番様は天使ですか?女神様ですか?と同僚が聞いた。大臣はそうだなぁ、私の天使であり、女神だなぁと、これまた惚気ていた。大臣、雰囲気が全く違うのですが?


 その後、託児施設開設にあたり、番様がお越しになるらしい。みんな興味津々だった。


 若い、え?いくつ?16歳だった。それで大臣をダメ上司宣言。エルフか何かで本当はだいぶ歳だけど見た目若いのか?

 ダメになるやつを設置したり、託児室を開設する準備をしていた。やはりエルフではないのか?

 おっ、大臣が近づいて話をしているが、デレデレしているぞ。信じられないものを見たようで、みんなを見たがみんなも信じられないような顔をしていた。我々は何を見せられているのだろうか。


 みんなに紹介するということで、集まった時それは起こった。慌てた同僚が机にぶつかり書類をぶちまけた。みんなでかき集めた。番様のところにも数枚行ってしまい、書類を見られていた。


「ジェイシス様、これ数字間違ってますよね。どうしてこんな間違いやすい書式使っているのですか?それもこの2枚だけでも書式がちがう。このやり方では効率悪いですよね。全部統一した書式にして、期限を決め提出させないと、いつまで経っても出さない人は出さない。誤魔化す人は誤魔化すのですよ。これだって、その他が多いではないですか?その他ってなんですか?領民の税金で賄っている貴族が,その他の支出が多いこと自体おかしいのですよ。その他とは何か突き詰めないとダメですよ。そして、期限を守らないものは、予算なんてあげなくていいのですよ。だって悪いのは領主、自業自得なのですから。領民にも示しがつきますわよね。領主が期限内に提出しなかったこと、その他が多く不明瞭、領民の大事な税をこれでは何に使ったかわからないと、領民に不信感を与えられるではないですか。見せしめです。私、前、国王陛下や宰相様に経費支出管理表を作ったのに活用されていないのですね。残念です。あと、このそろばんを差し上げましょう。計算が得意な方はすぐコツを掴んで使えると思います」


 そろばんは画期的な道具だった。計算が早くできる。これは楽しい。書式も教わり,期限を大きく書き、注釈に期限内に提出しなければ、予算はなしと大きく書いた。

 その他の支出は事細かく記入する別紙を作成した。これも一つ一つ見やすいように統一された用紙を作成。画期的だ。今まで、見辛く解読が大変だったが、同じ書式にすればどこに何が買いてあるかも一目で分かる。これはすごい。


 財務省は働く場所としていい環境で、希望者が後をたたず、他の部署も改善を余儀なくされた。


 託児室も、他の部署の女性が使わせて欲しいと懇願し、王妃様筆頭で王城託児室が数箇所できた。そこには、また番様や番様の商会が暗躍しているとかしていないとか。


 国王陛下も人をダメにするものを懇願されたが、仕事をしてくださいと、宰相様に却下されたらしい。時々うちの大臣のところに来て、少しだけ寝かせて欲しいとお願いに来ている。大臣が許可した時だけ入室を許され、1時間寝て帰って行くのを目撃しているが、我々は見て見ぬふりをするしかない。今日も遠くでベルが鳴っている。

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