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第71話 また新規事業とみんなで領地へ?

 お兄さまと何故かお父さまが来た。えっ、2人とも?私の手紙が読まれてしまう。


「母上、どうしたのですか?」

「あなた、アレク、これを見てちょうだい」

 私の手紙が2人に渡される。


「なんですか?この手紙。仕事の文章ですか?アイリ、お前、これをスタンフォート公爵様に渡そうとしているのか?もう少し、会えなくて寂しいとか,そう言った男心をくすぐるような文章を書けないのか?」

 は?お兄さまの方が乙女だったのか?


「そうだな、アイリ、男だって手紙を貰えば嬉しいが、もう少し心がこもっている手紙が欲しいなぁ。愛情表現があるともっと嬉しいなぁ」

 何を言っているのですか,お父さま。愛情表現とはなに?まだ、そこまでの親しさはないわよ。まだ、あれから数週間、1ヶ月も立っていないわよ。


「あなた、アレク、文章はダメだけど、これだから男性は感性に優れていないというか、まったく。この手紙の内容ではなく,紙そのものよ。アイリちゃんが文章を誤魔化すために絵を描いたと思うけど、線を描いて字を真っ直ぐに書くことや、絵で心が温かくなるというか、こういう手紙どう思う?」

 お母さますごい。絵で誤魔化すことバレていましたか。鋭いな、母上様。


「これは、確かに。招待状を出す時も絵があった方が華やかですね。それに絵描きは収入にならないと言われているが、こういうものを描いても良いという絵描きがいれば雇用が生まれますね。今、領地でも陶芸でお皿などを作り始めましたが絵描きが必要です。もちろん本職の絵描きをしつつ、こう言った紙やお皿などに絵を描くことをしても良いという人を募集しましょう。アイリ、色々と絵のサンプルが欲しい。こういう絵が欲しいなどあったら描いておいて欲しい」


「お兄さま、この文章はダメですか?会心の文だと思ったのですが。絵を描くことは、楽しいので、いっぱい描いておきます」


「文章はダメだ。もっと心踊る文章を書きなさい」


「例えば?」


「そうだなぁ、会えなくて寂しい。離れている間、あなたを忘れずに思っています。寝る前にあなたがいる方向に祈りを捧げます、夢の中でも貴女に会いたいなどだなぁ」

 うげぇー、何その甘々。お兄さま、そんなこと言って欲しいの?それとも言っているの?誰に?やだ、ニヤニヤしてきてしまった。


「アイリお前、何ニヤニヤしているんだよ。これはカイデール殿下がレティシア嬢に手紙を書いていた文章だよ。そこまで熱烈に書けばいいのではないか、という話だよ」


「あー、びっくりした。お兄さまがそんな口から砂糖を吐くような甘々言葉を言っているのかと思ってびっくりしました。でも、カイデール殿下は膝枕の他に、そんな甘々言葉の手紙をレティに渡しているのですね」


「口から砂糖ってどんな表現なんだ?膝枕ってカイデール殿下が?えっ?それとカイデール殿下の手紙の甘い言葉のことは誰にも言うなよ」

 お兄さま、うちの家族みんな、カイデール殿下の甘々言葉のことを知りましたけど。


 早速、添削され、甘々言葉を書かないまでもなんとか手紙を書き終えました。絵は今回は描きませんでした。シンプルな手紙になった。あー、疲れたわ。手紙一つでこんな疲れるなんて、毎日書きなさいなんて無理な話よ。


 そして、レターセットのことで会議です。


「お父さま、お兄さま、貴族には紋章があると思うのですが、その紋章を描いた紙や刻印はないのですか?」


「いや、そういったものはないな」


「えっ、貴族にはその家その家の紋章があるのですから、手紙も紋章を入れれば格式高い手紙になるのではないですか?もしくはエンボス加工と言って紙や金属などの素材に凹凸をつけ、彫刻のように模様や文字を浮き上がらせる製法もあります」


「なるほど、絵を描くだけではなくデザインを凹凸をつけ、浮かび上がらせることもできるのか。これはドリガン殿に頼むか。あとは絵の方は、画家志望から画家まで描いても良いという者を募集しよう」

 お兄さまがじっと私を見ていた。

 なに?


「アイリ、次から次へと色々思いつくなぁ。この前、やっとすいじょうばいく?というものができたと思ったら、今度はこれか?ドリガン殿もまたかと思うのではないか?お酒を多く出さないとダメだぞ」


 そうです、水上バイクができたので、領地で試乗会です。楽しみ楽しみ。


 お父さまとお兄さまが畏まって言ってきた。

 なになに、恐ろしいのですが。


「アイリ、領地にルルーシェ様と国王陛下をお迎えする話になっているではないか。それでだな、アグリ様が結界魔法をするなら、王妃様とアレクセイのご学友第二王子殿下カイデール様、フェルナンド様もいらっしゃる。王太子殿下はみんなが行ってしまうと王都を預かるものがいなくなる。涙ながらに断念したが、後でご夫婦を招待して欲しいということだ。そしてカイデール殿下が来るということは婚約者のレティシア様もいらっしゃる。アグリ様がいらっしゃるなら、息子のリドリード様もいらっしゃる。騎士団長もいらっしゃるなら、息子のオスカー様もいらっしゃるというように、アレクセイのご学友が増えていっているのだが、アイリどうだろうか。またなんだよ、また増えているのだ」

 今度はお父さまが発狂している。さっきはお母さまが私の手紙で発狂。似たもの夫婦かな?意味が違うわね。


「お父さま、なんだか前と一緒ですね。人が多くなっていくのは何故でしょう。お兄さま、どうしてご学友が増えていくのですか?リンド、パーシバル、フランは商会に就職するので,今回領地見学会を行いますが、何か言ったのですか?」


「いや、カイデール殿下がポロリとうちの領地に行くかも知れない。フラン、リンド、パーシバルは行くのだろうという話になってしまい、なんだかそうなった」

 語尾がゴニョゴニョ言ってますが、ハッキリ言いなさい、ハッキリ。


 プンスコ怒っていると、お父さまが、まぁまぁそんなに怒らないで、落ち着けと言ってきた。誰がそうさせている。でも、はじめにルーを呼ぼうとしたのは私か?あれ?


「アグリ様の転移は王族限定だからみんな馬車でそれぞれ来る。領地の安全は確保されているから、必要最小限でくるかも?しれない」


「お父さま、だって、こちらに来るまで護衛騎士とかいらっしゃるのでしょう?その人たちはすぐ帰るのですか?」


「あー、いや、そうだなぁ。いるなぁ」

 目を逸らして言っている。話す時は目と目を合わせて話しなさーい。お父さま。


「すぐ、ドリルに連絡しなくては。簡易宿舎作ってって。設計図書かないと。簡易宿舎と言っても強化魔法を使えば壊れないわね。お父さま、どこに宿舎作りますか。コテージの横でいいですか?もう横でいいですよね?」


「アイリ、待て待て、どういったものを作ろうとしているのだ?」

 今、頭にある構造はマンションというか、社宅というか、まぁそんな感じの建屋で、一部屋4ベット、洗面所、トイレ、シャワー室があり、一階に大浴場と、食堂があれば十分だろう。


「と、こんな感じの建屋です。どうですか?」


「なるほど、寄宿舎みたいなものか。いいな、これは」


「それでは、今からドリルに連絡します。あと厨房の人を少し多くあちらに移動させてください。それか、王城にいる料理人を貸して欲しいことを伝えてください。賄いきれません」


「わ、わかった、頼んでみるよ」


「アイリお嬢さま、あ、あの、スタンフォート公爵様よりお手紙が来ております」

 えっ、さっき私手紙を送ったばかりですが?そこには今から伺いたいという手紙だった。今から?今からは忙しい。とりあえずドリルに魔鳥郵便で送った。


「アイリちゃん、無碍にできないわよ。お越しになるのよね。こちらがおもてなしで忙しくなるわ。マジックバッグの中に料理、お酒もあるわね。大丈夫よ。いつでもお越しになって大丈夫よ。すぐ返事しなさい」


 お母さま、今は忙しいとお断りできませんか、そうですか、できませんのね。はい、すいません。お迎えにあがります。私の今の心境はキーーーーーっというかんじです。


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