第66話 衝撃の事実と学園
「ねぇ、2人だけで何をお喋りしているのかしら。話を聞いていて、全くわからなかったわよ。ぐらころ?って何?本当に2人共に転生者なの?同じ時期を過ごしていたの?」
2人で顔を見合わせた。
「私、2010年の忘年会時期に亡くなったのよ。推し会で、飲みすぎて歩道橋の階段から落ちたと思うのよ。その時が42歳よ」
「えっ、私、2015年に亡くなったのよ。私2000年生まれなのよ」
おー、2000年生まれ。1999年に何が起こるかドキドキしたが大予言は当たらなかった。それとも何かが起こり始めていたのかはわからない。大予言の本買ったなぁ。
「ミレニアムベビーなのね。でも、時間軸が違うなんて、よくわからないわね。私の方が先に亡くなったのにね」
「でも、私、亡くなる前に推し活の飲み会と、その歩道橋で亡くなった話知っているかも?体育の先生のお姉さんが亡くなったのが歩道橋だったって。あのバカ姉は、推し活していて仲間と飲みに行った帰りに歩道橋の階段を踏み外して、頭を強く打ち亡くなったと言っていたのを聞いたことがある。えっ?兵藤先生のお姉さん?」
えー、誠の教え子?まさかの展開。
「兵藤誠が弟だけど、まさかの教え子?まこと、体育の先生やっていて、暑苦しいほど熱血なのよ。結婚して、赤ちゃんも生まれたのよ」
「あ、やっぱりまこと先生のお姉さんなのですか?まこと先生、いつも階段とかで足を踏み外すな、手すりは必ず使え。もし、階段を踏み外したと思ったら頭をかばえと口を酸っぱく言ってました。お姉さんが頭を強く打って亡くなったようなので、受け身はこう、頭はこうって実演してましたよ」
まこと、アイツはアホか?熱血すぎるよ。
「でも、最後はいつも涙声で、頭の打ちどころが悪くて、昨日元気いっぱいだった人が次の日にいなくなっているなんて、信じられないだろう。いなくなってからでは孝行できないのだから。だから親兄弟に孝行しろ、感謝の言葉をいつでも述べておけ、お弁当作ってくれてありがとうでも、ご飯作ってくれてありがとうでも、いつも迷惑かけてごめんでもなんでもいいんだ、一言でもいいから伝えなさいと言ってましたよ、まこと先生」
何泣かせるんだよ、まこと。
王妃様が抱きしめてくれた。良い弟だねって。
「はぁ、ごめん、泣いちゃった。ありがとう、ルー。自分が亡くなった後のことが聞けてよかった。そっか、頭の打ちどころが悪くて亡くなったのか。確かに頭に衝撃はあったわね。相変わらず、まことも熱血で元気でよかったわ。それにしても、推し活のことは言わなくてもよくない?でも、ルーが教え子だったのかぁ」
「そうです、テニスの顧問だったので指導もしてもらいました。最後が近い時も来てくれて少し喋れました。本当にいい先生でした」
「ルーも薬の副作用とかで辛かったでしょう?よく頑張ったね」
「パパ、ママにいつも迷惑かけていたことが辛かったなぁ。いつも、笑顔でいてくれていたけど、泣いているところを見てしまって、それも健康に産んであげなくてごめんねって泣いていて辛かったなぁ。元気でいてくれればいいなぁ。弟と妹もいるから大丈夫だと思うけど」
2人を王妃様がまた抱きしめてくれた。
「これから、楽しく生きていきましょう。ルルーシェは今まで引きこもっていたのだからもっと外に出なさい。そして、アイリちゃんは、ふふっ、番をがんばれ」
えっ、王妃様、私は番がんばれ、なのですか?
「そうだね、ルーは今まで外に出ずに、人と関わりを持たなかったからそこから始めよう。やっぱり学園に行こうよ」
「学園は考えているけど、やっぱりアイちゃんと同じ学年でいいかな。卒業が20歳になってしまうけどいいかしら、お母さま」
「そうね、あなたのやりたいようにやってみて、いい人がいたら、それはその時に考えればいいのではないの?まずは進まなければ始まらないわよ。アイリちゃんと学園に入学してみなさい。あっ、でも、成績はどうなのかしらね、アイリちゃん?」
うっ、成績のことを言われると,この国の学力がわからないからできますって自信満々に言えない。
「そうなのです、ここの学習レベルがどのくらいかわからないのです。数学は私の方ができると思うのですが、他はわかりません。淑女教育はお母さまに教育されましたが、クラス分けテストがんばります」
「ルルーシェも頑張りなさい。アイリちゃんは淑女コース進むのかしら?」
「いえ、王妃様、私は錬金・薬学コースに進みます。物作りや薬を作り、平民にも手の届く薬やポーションを作りたいのです」
「錬金・薬学コースなのね。女性が少ないわよ」
錬金・薬学は人気がない。男性は人気があるのは騎士コースか文官コース。女性は淑女コース。
「アイちゃん、私も錬金・薬学コースに行ってみたい。病気で苦しむ人たちを助けたいの。中学時代、数学と化学が好きだったの。だから、私も一緒に錬金・薬学コースに進みたいわ」
「ルー、一緒に頑張ろう」
やったぁ、1人でもなんとかできるかも知れないけど、友達がいれば励みになる。
「2人とも、錬金・薬学コースに進むのね。それでは、淑女教育は王城でいたしましょう。そうしましょう。楽しみだわ」
「えっ、王妃様、なぜ淑女教育をするのですか?」
「アイリちゃん、あなたはスタンフォート公爵の番ということは公爵夫人になるかも知れないでしょ。あなたがどんな選択をしても役に立つわよ、淑女教育」
どんな選択をしてもって、番にならなくてもいいのかな。まぁ、どういう選択をするか今のところわからないから、とりあえず淑女教育はして損はないかしら。
えっ、どうしよう。
「で、では頻繁には来られないと思いますがよろしくお願いします」
王妃様、ニヤリとしたよ、いまさっき。えっ?
今は普通の顔に戻っている。えっ、罠だった?
「では、ルルーシェ、アイリちゃん、淑女教育頑張りましょうね」
ルーと顔を見合わせて、間違った選択をした?首を傾げるしかなかった。
その後、持ってきた昼食を食べ、ルーは嬉しい、嬉しいと言いながら食べていた。
王妃様とは、ドレスや化粧品、ネイルについて話をした。化粧品はココヤシのオイル、化粧品、石鹸などを作ったことを伝え、テッシーに連絡していただくようお願いした。
〜side ジェイシス〜
今日は、伯母上いや王妃様の計らいで、アイリ嬢と一緒に王城へ来た。同じ空間にいることに浮き足だった。このまま,ずっといられればいいなと思っていたが、王城にすぐ着いてしまった。今度はもう少し、回り道をして,王城は行くことにしよう。
帰りが早く来てほしい。ルルーシェ、早く終わりにしなさい。
さて、仕事をすぐに終わりにしよう。
〜side ジェイシスの周りの人たち〜
スタンフォート公爵様、今日はいつも以上に仕事が早いぞ。朝からご機嫌だ。そして仕事を早く終わりにし、何かを待っている。こんな公爵様を初めて見たぞ。そうだ、番様が見つかったという新聞が出回っていたな。番様か?番様効果、すごいな。
でも,まずいぞ。私たちも早くしないといけないのか?みんなで顔を見合わせて、頷き合った。一丸となって協力して、公爵様の後押しをしなければ。やっと見つかった番様。番様がいるとこんなに違うのか。やはりすごいな、番効果。




