第64話 再び王城へ
ルルーシェ王女様こと、ルーからも手紙が届いた。
驚きのジェイシスお兄さまの番宣言、その後の家族との和解、転生者であることを告白、これからは家族とのコミュニケーションを大事にして、積極的に知見を広げていくことを家族で話し合いをしたとの手紙の内容だった。よかった、家族仲良しが一番良い。
そして、今度いつ会えるか、せっかく仲良くなったので色々話したいことがある、早く会いたいと言ってきた。馬車を迎えに行くから日にちを教えて欲しいとのことだ。あれ?これは私が王城に行くのかしら?お父さまに相談しよう。
「お父さま、相談したいのですがお話しよろしいでしょうか?」
「どうした?何かあったのか?」
「違います。ルルーシェ王女様から遊びに来て欲しいとの手紙が届きました。迎えに行かせるから、いつ来られるのかという手紙なのですが、私いつ行ったらいいですか?こういう時はすぐ行かなければいけないのですか?」
「は?ルルーシェ王女殿下から手紙?王城に遊びに行く?は?」
お父さま、全てが疑問系。そうだった、ルーと友達になったことを詳しく言っていなかったわ。番騒ぎで忘れていた。ごめんなさい。
「お父さま、言い忘れていました、ごめんなさい。あのですね、ルルーシェ王女様と友達になったのです。ルルーシェ様が部屋に入ってきて、ルルーシェ様も転生者と言っていましたが、その前に私と2人で転生者の確認をして友達になりました。色々話したいことがあるみたいなので、王城に遊びに行っていいですか?」
「そ,そうなのか。そうだな、ルルーシェ王女殿下も確かに転生者と言っていたな。アイリは前世面識があったのか?」
「まさか、私42歳で、ルーは15歳なので、面識はないです。ただし同じ国にいたということです」
小説の中で断罪仲間だったことは言わないけれどね。なんだそれは、と言われそう。
「迎えに来てもらうのは申し訳ないので、私と一緒に王城へ行こうか。ダメか、アイリはスタンフォート様の番と皆が知っているので、ルルーシェ王女王女殿下の寄越した馬車の方が安全か。そうだな、迎えを寄越していただけるのなら、甘えようではないか」
そうか、お父さまと行くと、ルーのところまで時間がかかるわね。お父さまの職場を通っていくとなるとどういくのかしら、迷子になるわね。迎えに来てもらおう。
そうと決まれば、いつが良いかしら?日にちを数日ピックアップして手紙を返信した。
返信が返ってきた。早いな、魔鳥。魔鳥で郵便のやり取り、ここでも魔法の世界。
そして、明後日行くことが決まった。早い、早いよ。よし、お土産作っていこう。ルーは、日本人だったこともあり日本食?でも15歳でしょ。若い子は、洋食がいいのかしら。甥っ子や姪っ子たちはオムライスが好きだった。それともお兄さまたちが好きなジャンクフードかな。日本食も食べたいかも知れないから作っていこう。
魔鳥に了承の手紙にご飯を色々作っていくので楽しみにしておいてと付け加えた。
王城へ行く日、お迎えの馬車が到着した。そこでびっくりした。スタンフォート公爵様が降りてきた。
「おはようございます、アイリ嬢。今日はルルーシェのところまでエスコートさせていただきます。どうぞ」
手をのせれば良いのかな。
「おはようございます。スタンフォート公爵様。よろしくお願いいたします」
手を乗せたが、ぎゅっと、恋人繋ぎですか?えっ、いきなり恋人繋ぎですか。ふぁーー。
「あ、あのスタンフォート公爵様、て、手が絡まってますが」
「手が絡まっている?これですか?手を繋いでいるだけですよ」
馬車に乗り込み、そのまま隣に座るスタンフォート公爵様。距離が近いです。この前のデビュタントのダンスの時から近いです。距離感、パーソナルスペースは何処に?
「アイリ嬢に謝らなければいけないことがあります。貴族新聞に私の番であることが載ってしまい申し訳ございませんでした。大神殿に報告義務があり、そこから貴族新聞に連絡が行ってしまうのです。お互いゆっくり歩み寄ろうと言っていたのにすみませんでした。ゆっくり歩み寄っていきたいということは本当です。それから公爵様ではなくジェイシスと呼んで欲しいです。ダメでしょうか?私はアイリ嬢と既に呼んでいますが、ジェイシスと呼んでください」
今の状態は、隣に座った状態で体をこちらに向けた公爵様が向かい合った状態で会話しています。もちろん手を繋がれているというより、公爵様の両手に包まれています。これは名前を言わないとダメな状態?なのでしょうか。
「あの、ジェ、ジェ、ジェイシスさま?ですか」
微笑まれています。
「ジェが多いですがね」
断罪様が微笑まれています。断罪は無くなったのでしょうか。しかし、この馬車という密室の空間で意識してはダメだけど、顔が真っ赤だと思う。
「アイリ嬢は、ルルーシェと同じ転生者と言っていましたが、今度その話をゆっくり食事をしながらでも聞きたいです。あなたがどんなところで生きていたのか全て知りたいです」
「は,はい。でも、普通に生活していたので、大したことはないです」
「それでもあなたのことを知りたいです」
より一層手を握られ、見つめられている。ひゃー、私はどうしたらいいのかですか。早く王城に着いて、あっ、もうすぐみたいだ。
スタンフォート公爵様はやっと手を離され、門番に説明をしている。ルーがいるエリアに案内されている。番というのはみんなこんな感じなのかしら。レティに聞いてみよう。
はぁ、短いようで長かったわ。まだ、胸がドキドキしているわよ。




