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第56話 さあ、デビュタントです

さぁ、とうとうデビュタントの舞踏会です。

まさに朝から体を磨かれ、それはもうグイグイと磨きに磨かれ、できた私はこれ誰?と思うぐらい変身した。

「アイリ、綺麗だよ。」

「まぁ、アイリちゃん、綺麗よ。ドレスも似合うわ」

お父さまもお母さまも誉めすぎです。


「お父さま、お母さま、ありがとうございます。」

今回のドレスはもちろんシルキーバタフライの繭から採れたシルク素材。お母さまも青色に染めたシルク。光沢があってきれいよ。

内密であるが、王家にも献上しています。まだ、大量量産できるまではいかないので、内密にということで献上いたしました。


「お兄さま、本日はエスコートよろしくお願いします」


「あぁ、変な虫が寄ってこないように護衛としての働きもしようではないか」


「変な虫って、ないない」


「さぁ、出発するよ、みんな」


うわぁ,王城初めて。ザ・城!

窓に張り付いてみてしまう。

王族がこの城に住んでいるのね。こんなに大きいと光熱費かかりそうねぇーと、庶民的感覚で思ってしまう。


「アイリ,そんなに窓にくっついていると,化粧が落ちるわよ。やめなさい」


「ごめんなさい,お化粧とれてないですか?お母さま。初めて王城見ました。大きいですね」

フランスの宮殿ですね。


低い貴族階位から入場していく。うちは、一応、侯爵なので、最後のほう。高位貴族には控え室が一部屋ずつ用意されています。どきどきします。


呼ばれて、順番待ちをしている時にマリアナがいた。手を振ってみた。淑女は手を振らないと、お母さまに怒られた。オホホホ。


モンテスキュー侯爵家が呼ばれ、国王陛下、王妃様の元へ挨拶に行った。


あれ?王妃様のドレス、献上したシルクだ。デザイン?テッシーのかな?

王妃様がにこりとした。あれです、マーメードライン、ホルターネック、肩,背中が出ているデザインのドレス。そして首の後ろでリボンを結んでいるタイプですね。お綺麗です。妖艶ですね。

髪型も、テッシーに教えたことが活かされた髪型です。これは国王陛下も目が離せないですね。


あら、カイデール殿下の隣に王女様、ルルーシェ様?がいるらしい。今日の舞踏会は出席されたのね。いつも姿を見せないと言われている王女様だけど、なぜかガン見されています。なんだろう?


「アイリ嬢、デビュタントおめでとう。これからは成人として、国を支えて欲しい」


「ありがとうございます。これから国のため精進いたします」

と、お決まりのセリフを口上し挨拶は終わった。


公爵家が最後。

レティは婚約者だけど、ご両親と入場。その後、うわぁ、あの迷惑をかけてしまったスタンフォート公爵様の登場だが、こちらもガン見してくる。目力が怖いのです。私は静かにしていますよ。もう、前世の記憶が戻る前の行為は致しませんって。私、何もしません。


始め、国王陛下と王妃様がダンス。王族、オーラが違うのかな?国王陛下は王妃様をがっしりホールドですね。王妃様、お美しいですからねぇ。見ていると、こちらが赤面するぐらい、ラブラブ感溢れる。これが番を愛しているということなのか。


続いて、王太子夫妻、第二王子カイデール殿下とレティシア様。レティシア様綺麗だなぁ。目があったので、小さく手を振ってみた。カイデール殿下と2人で笑っていた。カイデール殿下もこうして見ると王子様の出立。キラキラ王子様だった。王子さまなんだなぁ。食いしん坊キャラだと失礼なことを思っていたので、本当に不敬だった。危なかった。不敬罪で断罪されてしまう可能性だってあったかも。ひぇー。


王族3人の男性たちは、番である女性たちだけを見つめている。


王女様はスタンフォート公爵様とダンスをしていた。こちらは普通に踊っている。なぜかお二人とも私をみるのですが、なぜ?目を伏せておいた。目が合うと怖い。


さぁ、これからデビュタントの人たちがダンスとなる。緊張する。

 

「お兄さま、足を踏みますのでごめんなさい。私にはダンスの素質が全くないということがわかったのです。あれだけ練習による練習を重ねたのです。それなのに、なぜなんでしょうね。そして、終わったら隅の方に退却ですよ。壁の花になります」


「足を踏む宣言か。ダンスの素質ゼロか?ほどほどに頼むよ。フッ、壁の花というより料理を食べる気だろ」


「そうです、だから終わりが近くなったら、ひっそりと食べ物の方へ移動してくださいね」


「ブフっ。ひっそりとな」


「お兄さまもご学友とお話しがあるでしょうしね」


「お前も交流しろ」


「レティとマリアナのところへはいくわよ。でも、まずは王城の料理を堪能しなくては」


さぁ、ダンスだ。


ロベルト様とマリアナ様が近づいてきた。

「アイリ様、ごきげんよう」


「マリアナ様、ごきげんよう」


「ふふふ、アイリ、手を振ってはダメよ」


「さっき、お母さまに怒られたわよ」

マリアナ,かわいい。プリンセスラインのドレスだ。宝石はロベルト様の瞳の色の碧ね。髪型はゆるふわシニヨンだ。かわいい。


「アイリ嬢、成人おめでとう」


「ロベルト様、ありがとうございます」

 

「アイリ、ダンスが終わったらお話ししましょうね」

「もちろん、マリアナ。よろしくね」


「アイリ、言葉使い!ここは公式。令嬢言葉」

「はーい、お兄さまごめんなさい」


「では、またね、アイリ」

2人でダンスの中央へ。


私とお兄さまもダンスフロアへ。中央ではなく端っこに。中央なんてそんな華々しいところに行かないわ。


「お兄さま、緊張して手汗がひどいのですが。」


「手袋しているからわからないよ。大丈夫だよ」


音楽が始まった。

イチニッサン、イチニッサン。アンドゥトワー、アンドゥトワーと口ずさむ。


「アイリ、やめろよ,その言葉。声に出しているよ。笑ってしまう」


「あー、話しかけないで、足捌きがわからなくなる。本番で緊張してムリよ。イチニッサン、イチニッサン。アンドゥトワー、アンドゥトワー」


「ブフッ」


「お兄さま、私は本気のダンスをしているのですよ。もう、茶化さないで。」


「いや,絶対アイリの方がダンスを冒涜しているよ。ダンスは優雅さだぞ。普通、相手の顔を見ながら優雅に踊るのだかな」


「私には、そんな余裕はない。早く終わって欲しい。ただそれだけよ」


「もうすぐ終わるよ、アイリ。がんばれ。ブフッ。一度、俺の顔を見ながら踊ってみろ」

顔を上げてお兄さまを見た。足がわからない。

「イチニッサン、イチニッサン」


「ダメだ、顔を見ながらイチニッサンと言われると、笑いが込み上げてくる」

始終,お兄さま笑いっぱなしだった。氷の貴公子はどこに行ったの?というか、お兄さまが世間でそう呼ばれているかは分かりませんよ。私の妄想です。


ダンスが終わった。長かったよぉ。さぁ、料理よ。お兄さまはご学友のところへ挨拶に行ってくると言って少し離れた。


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