第45話 進みゆく領地改革
その後、お父さま、お兄様と話し合い、はじめにココヤシの木を植えることにした。
これは、私が強く強く推した結果です。
お父様のお友達の図書館館長ザインツ様に植物のことをいろいろ教わり、植物図鑑を読みふけり、塩に強いはなんだろう、と一緒に探し、日本で言うヤシの木のような木がいいと調べた結果です。
名前は、ココヤシの木、まんまの名前のやつ。
なので、決して私がリゾート気分を味わいたいからではないです。ココヤシの実が産業を産むと思ってのことです。
土壌改良をし、ヤシの木を均等間隔に植えていく。早く大きくなるように、少し強めの魔力を与えておこう。ムフフ、早く大きくなぁれ。
それから、ココヤシの実が落ちると危ないので、落ちても網に掛かるように網をセットした。散歩をしていていきなりココヤシの実がドーンた落ちてくると危ないからきちんと、対策はしておかなければいけない。人命にかかわってしまうのはよくない。
楽しみだなぁ。デッキチェアと日焼け防止にパラソルそれともテントを設置する。ハンモックもいいなぁ。夢が広がるわ。
それと同時進行で、ロイドを中心にセルゲールたちが海のゴミと言っていたものを掘り起こしていた。
イシサンゴで石灰を作らなければいけないから、頑張って掘り起こしてください。
お兄さまが王都に戻る時期になってしまったため、急遽、山の散策にいくことになった。ありがとう、お兄さま。お兄さまはなんとなくはわかっていたが、優秀だ。次期領主、頼もしい。
さて、サンゴがあるということは石灰石が堆積している可能性がある。白っぽい石。鉄やアルミニウムなどの不純物が加わると灰色や茶色になるということは、ここでも分解を使えば、鉄とアルミニウムも作れるということだ。この世界でアルミニウム自体あるのか、ないのかそれさえもわからない。
「お兄さま、見てください。石灰石を探すために作ってきました」
といって、私はダウジングを出した。
「アイリ、この棒を何するんだ?これで探せるのか?」
「石灰石を探し出せるかわからないですが、これは、地下水や貴金属の鉱脈など隠れた物を、棒や振り子などの装置の動きによって発見できると謳う手法です。実践あるのみです。あっ、お兄さまにはこちらのペンデュラムを渡しておきます。アメジストを使用しています。まず浄化します。心を落ち着かせ、リラックスして、鎖を持ち、この、はい、いいえ、方位の紙をアメジストの下に置き、石灰石はこちらですかと問いてください。私はこのダウジングでやります」
「ア,アイリ、こ、これを、俺がやるのか?」
「ふふふっ、そうです、はい、心をリラッークス」
一応、お兄さまに小声で、ダウジングしながら鑑定をすることを伝えた。表向きダウジングです。でも、このダウジングで見つけられたら、すごいことだよね。
「お兄さま、それでは始めましょう」
疑心暗鬼のお兄さまはペンデュラムで、私はダウジングでやっている姿は、あやしい風景だろうなぁ。
ん?お兄さまのペンデュラムが振れているのですが???面白いから、やらせてみよう。
「お兄さま、とりあえずやっていてくださいね。お願いします」
「あ、あぁ。本当にいいのか、これは?」
「わからないですが、やってみてください。私もこれをやってみます。トール,後ろからついてきてね」
「かしこまりました」
さて、私もまず自力ダウジングしてみよう。鑑定はあとですれば良い。
心を落ち着かせ、リラックス。
方向がお兄さまが行っている方と逆??振りがどこに?
これは温泉ですか?ムフフ。
しばらく行くと、ここは?洞窟?
「アイリ様、危ないです。我々が中に入って確認してきます。ここでお待ちください」
「気をつけてね」
ごめんなさい、みんなが確認しに行ったあと、鑑定します。
≪鑑定≫
鍾乳洞。
海底でサンゴなどが堆積してできた石灰岩が、地殻変動によって地上に隆起し、長い歳月を通して雨水や地下水に侵食されてでき上がった洞窟。
何十万年、何百万年という気の遠くなるような年月をかけてじわじわと石灰岩を溶かし、いくつもの小さな空洞が形成されていきます
鍾乳洞の水には石灰岩の成分の炭酸カルシウムが含まれています
弱炭酸です
飲んでも大丈夫です
美味しいですよ
ただし衛生状態を確認してから飲んで下さい
鑑定さん、詳しい情報ありがとう。
まずは飲めるけど,浄化してからか。弱炭酸だよ。強炭酸がよかった。
「アイリ様、かなり深いところに水脈がありました。大きな洞窟です。生活魔法の光源で光らせたところ、幻想的です。細い岩みたいなものが上からつららのように下がっています」
なるほど、鍾乳洞か、ますます石灰石の層が山にあるということなのかな?
「トール、ここにもし誰かが迷い込んだりしたら危ないから、隠しておきましょう。あまり、森の奥地は来る人はそんなにいないでしょうが、ここに迷い込んで、水脈で溺れ死んでいたなんてことになったら怖いので、隠しておきましょう。お兄さまにも判断を仰がなくては、では、お兄様の方は戻りましょう」
「確かに、私は光の魔法があったので、照らせましたが、わからないものが進んで行った場合、中は暗いので足を踏み外し落下して溺死しますね」
「そうよね、では、お兄さまの方へ戻りましょう」
お兄さまどこまで行ってしまったのだろう。
向こうからドリームが慌てて走ってきた。
「アイリ様、向こうにお越しください」
お兄様の方へ向かった先には、呆然としているおにいさまと、土を削ったあとに白いものが見える??
「お、お兄さま?これは?」
「あぁ、アイリ、このアメジストに従い突き進んで、ここにぶち当たった。とりあえず、表面を削ってみたら、白い岩が出てきた。これなのか?」
「これはたぶん石灰岩かもしれない(まだ、ここではみんながいるので鑑定ができない。帰る間際に振り向きざま鑑定でもしてみよう)お兄さま、すごいですね、それで見つけられるのですね。私半信半疑でした」
「俺だって、絶対ムリだろ、としか思っていなかったよ。ところでアイリの方はどうだったのだ?」
「お兄さまに見てもらいたいです。今から行きませんか」
「わかった、行こう」
お兄さま、私、護衛騎士ドリームとトールで向かった。
「アイリ様は危ないので、ここで待っていてください。アレクセイ様ご案内いたします」
トールはさっき行ったので、お兄さまを案内しようとしていた。
「えー、私も行きたい」
「アイリ、俺が見てから判断する。ここで待っていなさい。ドリーム、アイリをよく見ておいてくれ」
「かしこまりました」
ドリームは恭しく、お兄さまに従う。
「ドリーム、ひどいと思わない。私だって、今日スカートではないし、行けると思うのよ」
「アイリ様、今日発見したばかりのものなので、危険がつきものです。諦めてください」
諭されてしまった。はい、大人しく待ちます。
しばらくして、お兄さまたちが帰ってきた。
「あれはすごいな、でも、落ちた時に危ないので,父上に報告し、秘匿とし、とりあえず隠しておこう」
こうしてお兄さまが見つけた石灰岩と鍾乳洞、やはりこの山には石灰岩が埋まっている。層になっているということなのか?ただ、どのように採掘を進めていくかは、まだ保留。石灰岩をどのように採掘するか、どうやっていいかわからないので、王都に戻ったら図書館へ行こう。もしくはガラス工房を持っている別の領地の方に助力を求める?どうするかは、父が調べるということになった。それまで,サンゴや貝殻でなんとか石灰を作ることにした。貝灰だ。
それにしても、石灰岩採掘場って、山肌が一面白っぽくなっていたり、石灰岩があちこち点在していた風情ある国立公園があったね。そうか、その辺の岩は?岩が突出している箇所がかなりある。岩の近くにふらふらと近より、鑑定してみると、石灰岩だった。あの国立公園と同じか。父に相談だね。
その夜、お父さまとお兄さまとロイドと私で、採掘方法をどうすべきかを話し合った。
私は、前世の採掘場の風景を伝えた。大型重機が必要なのか?もしくはガラスを作っている領土に聞いてみることを提言した。
「そうか、アイリ。確かに岩を採掘するには、かなり労力が必要だな」.
「お父さま、私の前の世界では、機械が充実してましたが、採掘初期の頃はツルハシとノミでの手掘りだったのです。魔道具でドリル作れないですか?」
「ドリル?なんだね、それは」
また絵を描いて、回転するドリル、ハンマードリルやノミの大きいもので、ロックドリルというものを描いた。ドリル部分はドリガン親方に強度重視のものを作ってもらおう。ツルハシとノミ、トンカチも作ってもらおう。身体強化すれば、機械がなくとも岩を砕けるかしらね。
「回転するということは、ハンドミキサーなどを応用すれば良いのか?アレクセイ、また考えてみよう」
「父上,そうですね。それまでは手掘りですかね」
「掘るとなると、安全面も考えていかなければいけない。慎重に行っていこう。私も王都に戻り次第、調べてみよう。それまでは、貝灰や、サンゴによる石灰を作っていこう。ロイド、引き続き、貝殻などを集めておくように」
「かしこまりました。旦那様」
こうして石灰作りが進み、塩害対策の土壌改良が一歩進んだ。
ドリガン親方に,貝灰や石灰を作るための炉が作れ、管理できる人、ガラスが作れる職人を紹介してほしいと手紙を送った。
早速、ドリガン親方が推薦してくれた人が来る。
炉を作るときはドリガン親方が直々にモンテスキュー領にきてくれるとの手紙が届いた。ドリガン親方が来る。いろいろ相談できる。久々に会える。また、いろいろ作ってもらおう。楽しみだなぁ。
その後、ドリガン親方が、ドリガン親方の弟と妹夫婦を引き連れてやってきた。鍛治もできるが、ガラス細工職人妹キーリとその夫ドゥーブル、木工細工が得意の弟ドリル。
ドワーフ兄弟キター。鍛治もガラスも木工もできる兄弟たちなんてすごい。モンテスキュー領は南に位置するから、焼酎か泡盛か?日本酒は寒いところだから、焼酎、泡盛だね。
とりあえず、大体が軌道にのってきたら、お酒作り、考えてみよう。楽しみがあった方が良いのね。
木工が得意なドリルさんにサスペンション作ってもらおうかな。ドリガン親方に相談だ。
「ドリガン親方、遠路はるばるお越しいただきありがとうございます」
「いや、モンテスキュー侯爵様、いつもわしらに仕事を提供していただき感謝しておる。今回は炉の作成ですか?どういう用途で使用するのですか」
お父さまとドリガン親方は、挨拶しながら握手を交わしている。
「ドリガン親方、おひさしぶりです」
「おー、ねえちゃん、久しぶりだな。今回はどういったの作るんだい。また、面白いこと考えているのかい」
「面白いことって、違いますよ。真面目です、真面目。石を1000〜1200度ぐらいで焼くための炉や貝殻を焼く焼窯とガラスを作るための溶解炉を作って欲しいの。それとアクセサリーを作めの道具。貝を養殖するための養殖ネットを作って欲しいです」
炉は絵を描いて説明した。土中炉だ。
他にもロイター板のサスペンション、ソファーのバネなど絵に描いて、こんなかんじと、アバウトにお願いした。お父さまもお兄さまもそうだが、みんな,私のアバウトな絵と説明でよく作り出すなぁと感心する。
温室の絵も念の為描いておいた。ガラスはまだ大量にはできないだろうが、念の為、こういうのがほしいなぁ、と意思表示しておく。そうすれば、ムフフ、構想を練って作ってくれるかもしれない。
丸投げである。
私はアイデアを出す。作るのはみんなにお願いする。
いろいろ言っておけば、何かのヒントでできるかもしれないので、とりあえず、紙に描いて渡しておく。
ほんと、丸投げでごめんなさい。
お父さま、お兄さま。
私って,策士?悪役?これぞ、悪役令嬢?意味がちがうね。




