閑話1 子供達と勇者ごっこ
みんなが試行錯誤で作っている間、私はお母さまによるスパルタ淑女教育と、その合間にカイルとレオンと遊びを兼ねた勉強もした。
弟たちとの遊びって、それは勇者ごっこをしました。これは剣術の練習?ですよ。
布で作った剣と紙を強化して作った盾。カイルとレオンと使用人の子たちリュート サーヤ ロインを交え、勇者と仲間たちの結成。
私とお兄さまと非番の騎士たち数名は魔王軍団。お兄さま、魔王。
えっ、ルールは作りました。最終ラインを決めてじゃんけんで勝った方は攻撃しながら、一コマ進める。負けた方は防御しながら一コマ下がる。攻撃はとりあえず剣や魔法(お兄さまの水魔法のシャワーです。暑いから気持ちがいいでしょう)で攻撃。もちろん私たちは本気は出せません。ゆるい攻撃です。
それでは開始します。
「はははっ、よくここまできたな、勇者ども。この魔王軍を倒すことができるか?かかってこい」
と、私は芝居じみた悪役を演じる。
「ぼくゅたちは、まおうをたおしにきた、ゆうしゃだ。みんな、がんばってたおしゅぞぉ」「おぉー」
うんうん、かわいいぞ。勇者たち。
最初はグー。じゃんけんポイ。
勇者レオン。パー
魔王軍団 護衛騎士 トール。グー
はい,勇者の勝ち。攻撃です。
「ヤー」「オー」「トォー」
子供たち、頑張って攻撃しています。
「うわぁー、強いぞ、勇者たちー」
「あー、やられた」
子供たち、キャッキャキャッキャしながら、戦って、一コマ私たちは下がったところで攻撃終了。
次、勇者カイル
魔王軍団 護衛騎士ドリーム
最初はグー、じゃんけんポイ
カイル、パー。ドリーム、グー。
お分かりだろうか。子供たちはパーかグーしか出しません。チョキはムリだろう。グーかパーです。それに私たちが合わせるかんじです。ほとんどパーを出す子供達。
私たちがたまに勝てばいいのです。
「勇者カイル、強いぞ。やられるものか」
と、私たちが悔しがり
「それー、こうげきでしゅ」
「みんなー,まおうぐんをたおしゅじょー」
「しゅしゅめ」
「オー」
おもちゃ剣を掲げてながら、突進する勇者たち。攻撃を交わしながら、また、一コマ撤退していく私たち。お兄さまは、おもちゃ剣を交わしながら、シャワー攻撃をしている。楽しそう。その後、風魔法で応戦という名の服を乾かす。
「勇者たちよ。次、私が出る。私は魔王の右腕。アイリ、私は強いぞ、あははは。もう一度勇者レオンよ、出てきなさい。私は負けぬ、がははは」
ここで、こちらが一度でも勝利しておかないと、楽しくないので、一コマ押し返しましょう。
勇者レオン グー
魔王軍団、私 パー
「あははは、魔王軍、攻撃じゃー。勇者をやっつけろー」
キャハハハー、と逃げていく勇者たち。勇者、逃げるのか。
「まてー、勇者」
お兄さまが水の壁を作り通せんぼした。
「勇者たちよ、戦え」
それから、おもちゃ剣を交えた。
その間に風魔法を使える騎士が地面を乾かしていた。泥だらけは怒られる。
勇者たち,一コマ撤退したところで、攻撃終了。
その後は、リュート、サーヤ、ロイドたちが勝ち、最後、魔王お兄さま、倒された。
「や,やられたー。勇者たち強かったぞ、あぁー」
とお兄さまも迫真の演技で倒されていた。
「ぼくたちは、まおうにかったじょー」
「やったー」
子供たち、ヤンヤヤンヤ、ぴょんぴょん跳ねながら勝利を喜んでいた。かわゆし。
「勇者たち強かったね。さぁ、これから勝利の宴をするわよ。こっちに座って」
リュート、サーヤ、ロインが座るのを躊躇していた。
「3人とも、ここに座って、勝利の宴をするのよ。一緒におやつしましょう。ねっ。ここでは大丈夫だから。みんなで遊んだのだから、みんなでおやつにしましょう。公の場は、こうは、いかないけど、今だけね。その判別がわかっているのなら大丈夫」
「は、はい」
リュートは最年長だから、わかっているのだろう。恐縮していた。
「おねえちゃま、しょうりのうたげって、なんでしゅか?」
「それはね、魔王軍に勝ったので、みんなで勝ったことを喜び、そして仲間たちとみんなで協力して戦ったことへの感謝、みんなありがとうっていうかんじでパーティをするのよ。みんなよく頑張ったねって。では,カイル、レオン、カンパーイしましょう。ジュースを持って、かんぱーいと言ってね、それからパーティの始まりです」
「ぼくたち、みんなでがんばりました。うん、みんなよくがんばりました」
「「しょれでは、かんぱーい」」
それからみんなで、クッキーやパウンドケーキなどを食べて、楽しみました。
「このおかし、おいしいです。はじめて食べました」
リュートが最年長らしい受け答えをしていた。
「おねえちゃま、あまくておいしいでしゅ」
「サクュサクュでしゅ」
カイル、レオン、お口にいっぱい詰め込みすぎですよ。口の周りに食べかすが付いている。
もちろん、非番の護衛騎士たちにも、隣のテーブルで食べてもらっている。休みなのにほんとにごめんなさいね。
「ドリーム、トール、本当にありがとう。急遽、誘ってしまってごめんなさい。でも、子供たちが楽しくすごすことができて、2人には感謝しているわ。ふふふ、2人とも子供好きね。今日どこかにいく予定だったのではないの?大丈夫だった?」
トールは何もないので大丈夫とのことだった。
ドリームはこれから用があるらしい。
「私は大丈夫です。これから、会いにいく予定だったので大丈夫です」
ほー、彼女ですか、そうですか。
「あ、あの、アイリ様、お願いがございます」
お願いとは何かしら?ね。
ドリームは、今度結婚をするらしく、私の作る料理とお菓子を少しでいいので出してみたいと言ってきた。ドリームは男爵家の三男。貴族の三男は、平民として家を出なければいけない。自分で功績を上げて、騎士爵とか授与しない限りは平民扱い。結婚しようとする商家のお嬢さま。確かにモンテスキュー家の騎士として、働いているが、モンテスキュー家自体も貧乏侯爵と思われているからね。少しは雇い主としてもいい思いをさせたいわね。
「アイリ様、こんなことをお願いすることは烏滸がましいのですが、結婚に同意してくれた、彼女ディナに結婚式をプレゼントしてあげたいのです。アイリ様は今まで数々の楽しいことを計画してきたのを見てきました。ぜひ、彼女に楽しい結婚式をプレゼントをしてあげたいのです。協力していただきたいです。お願いいたします」
ガバっと、勢いよくお辞儀されてしまった。90度の姿勢です。
「わ、わかったわ。領民の結婚式ってどういう感じで執り行うのかしら」
この世界の平民の結婚式は、みんなで食べ物を持ち寄って,みんなの前で宣誓する結婚式らしい。
そのあと、ダンスしたり、お酒、食事して歓談するのか。
「そうかぁ、(この世界の結婚式は)みんなの前で結婚の宣誓をして、食事会という流れなの?洋服とかはどういうのを着て執り行うの?」
「従兄弟の結婚式では、女性はドレスを着て、みんなの前で宣誓して、持ち寄りの食事やダンスしていました。ドレスと言ってても、貴族が着るようなドレスではなく、少し着飾った洋服ですが」
「なるほど。結婚式はこのモンテスキュー領?それとも自分の男爵領?何時ごろを考えていて、何人ぐらい参加?」
「彼女、ディナもモンテスキュー領民なので、こちらで行いたいと思っております。人数は多いと思います。春ごろ、彼女の家の庭と考えてます」
「まだまだ時間があるのから、色々計画が立てられるわね。どのくらいの予算でどのくらいの料理を出したいのか計画を立てましょう」
「あ、ありがとうございます。アイリ様」
「彼女には内緒で進めるの?」
「いえ、ある程度、要望は聞きます。好きな色とかあると思うので」
「そうね、女性の意見はよーく聞いた方がいいわよ。勝手に進めるのは良くないわよ。今後のためにもね」




