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第41話 領地に帰ろう

 とうとう領地に行く日。家族みんなで領地に帰ることになりました。うれしい。やっとです。


 王都から南に3日ぐらいかかるところに領地がある。東ならジャポング寄りだったのになぁ。

南だから暑いのかな。


 お兄さまは夏の長期休暇とあって、できる限り私たちと一緒に領地に滞在する。お母さま、カイル、レオンは私とずーっと一緒に領地にいる。お父さまは、領地の仕事が終わったら王都に戻そうだ。寂しいなぁ。ずっといればいいのにな。


 お母さまは社交シーズンになったら王都に戻らないといけないらしいが、私は王都のタウンハウスには,帰らなくて良いような気がする。


 海の近く。海です海。ただし、輸出入する港ではない。漁村です。

大きな港があるのは、隣のサウシード辺境伯領地。うちはほのぼのとした漁港?があるぐらいのレベル。


 隣のサウシード領地が栄えているので、うちのモンテスキュー領地は特産品もなく、数十年前からの塩害被害の打撃をまだ引きずっている状態。

これを普通の水準に戻さなくてはいけない。魚介類はあるが、野菜が少ないので、他領から高い野菜を買わなければいけない。高い野菜を買わず、自領で野菜が育つようにしたい。そうすれば、もっと自分たちに使えるようになり、自領の経済が回るようになればいいと思う。


 お隣は港と魔の森を管理。

 うちと桁違いの、軍備力。魔の森は怖い。海はあるが、隣国が近いわけではないので、攻め入られることはない。軍備力を使うのは魔の森対策ということだ。魔の森だって。怖そう。


 うちの領土にも山や森や湖もある。魔の森のような森ではないが、動物がいるらしい。時々うちの領地にも魔獣がでるので、騎士団や冒険者たちが対応するということだ。

やはりファンタジーな世界なのだと改めて思う。魔獣と隣り合わせに生活するなんて、恐ろしすぎるとしか言えない。


 前世の記憶を思い出してからの初の領地。

 アイリの記憶は館にいただけという記憶。街に行ったことがないのか。この子は。

とりあえず、今日は着いたばかりなのでのんびり過ごすことになった。


 馬車は、疲れました。途中の宿屋に泊まったりしたが、ゴムやサスペンションのない馬車はお尻が痛い。サスペンションはできる気がする。跳び箱の踏み切り板、ロイター板のように作ればいいのよね。ドリガン親方になんとなくこんな感じといえば作ってくれそうな気がする。ゴムはゴムの木があればいいが、あるのかな?ゴムの木からはラテックスという樹液ができるのよね。樹液が出る木ぽいのを探したいなぁ。

湖も川もあるのだから、水を引ける?


 いや、それより温泉はないのか、温泉。地下に温かい水が湧き出るところはありませんか?

ゆっくり温泉に浸かり癒されたい。


 そして、領地にきて一番したいことは、スキル"分解"。まだ確認したことがないので、塩害の土地で、どう使うのか検証してみよう。


 次の日、今までのわがままな態度、言動をこちらの領土を取りまとめる執事のロイド(ジェラードの兄)、メイド長はロイドの奥さん、メイリンや他のメイド、料理人に謝った。気に入らないと投げつけた食事など、数々の横暴な行動を謝りました。


 みんな疑心暗鬼だったが、両親が一緒に謝って、説明してくれたおかげで、その場は納得し、許してくれた。

みなさん、本当にごめんなさい。

そして、両親が一緒に謝ってくれてありがとう。


 領地に来てからも、いつもの散歩、魔力操作をした。私には時間はいっぱいある。色々なものを見て、王都のように、慌ただしい日々ではなく、やっとのんびりと家族と一緒に過ごせる。嬉しい。


 ゆっくりしたあと、お兄さまとお父さまは領地のお仕事。さすがは次期当主。しっかり学んでくださいね。


 そして私たち、お母さま、カイル、レオンは一緒にお庭の散策。しかし、結局カイルとレオンと鬼ごっこが始まる。今回は、目隠し鬼ごっこ。鬼さんこちら手のなる方へ、です。あまり広いと捕まらないので範囲を決めて、目隠し鬼です。使用人の子供たちもいたので、いっしょに遊びました。


「鬼さん鬼さん、手のなる方へ、クスクス」

「あれー?カイルの声がこっちから聞こえたぞー。こっちかなぁ」

「キャーーーー」逃げて行ったよ。

「あれ?こっちに人の気配がいるかも、だれかなぁーー、それ」


「キャーーーー✖️3」


「そろそろ捕まえちゃおうかなぁ、レオーンどこにいるかなー。返事して。こっちかな、それともこっちかな?いや、こっちだーーー」


「しー」「声を出しちゃダメですよ。レオンさま」


「キャーーーーーー」


「誰か、声聞かせて、小さい声でもいいから聞かせてほしいなぁ、誰かいないかなぁ、アイリお姉ちゃん寂しいなぁ」

ふふふ、油断させておく。


「アイリおねーちゃま」

「アイリおねーちゃま」

「お姉ちゃん」「おねえちゃん」


「ん?小さい声が聞こえたぞ、どこだろう、こっちから聞こえたかなぁ」


「キャーーーーーー」「クスクス」

「あれあれ、こっちから笑い声が聞こえたぞ」

「キャーーーーーーー」


「アイリ、みんな、喉乾いたでしょう。そろそろ、お茶にしましょう。用意しましたよ」

 お母さまがお茶を用意をしてくれた。ちょうど喉が渇いた頃だから、子供たちと休憩にしましょう。


「カイル,レオン、リュート、サーヤ、ロイン、みんなお茶しましょう。お姉ちゃまの負けです。みんなおじょうずです」


「「「「キャハハハ」」」」

「おねえちゃま、たのちかったでしゅね」

「ねっ、と言って、みんなつかまえたっ」

「あーーーーーーー、ズルい」

「ズルい」


「あっはっはっは、何事も油断してはいけないよ」


 お母さまがツカツカと私のところにきて、子供たちに聞こえないように言った。


「アイリちゃん、この領地にいる間、みっちりと淑女教育しますからね。わかりましたか」


「えっ、お母さま、えっ??」

「もう少し嗜みも持ちましょうね。アイリ。子供達と遊ぶのはいいわ。みんな楽しんでいるから。それ以外の時は、王都に戻るまで淑女教育もしっかり学んでいきましょうね、アイリ」


「は、はい。お、お母さま」


「あはははっ、アイリ、頑張って淑女教育するんだぞ。レティシア嬢やマリアナ嬢もアイリに令嬢の嗜みを教えると言っていたから、ここで母上に基礎を教わって、あの2人に教われば、無敵の令嬢になれるな。ブフッ」


「お兄さま、一応、令嬢の基礎はできていると思うのです」


「アイリちゃん、あなた令嬢として全くできていないわよ。7歳ぐらい子の方がまだできるわよ。令嬢の道は厳しいのよ。みんな幼少の頃から嗜んでいるのだから」

 トホホです。確かにレティやマリアナを見ていると、指先一つ、しぐさ一つとっても私とは違う動きをしている。洗練された令嬢。道のりが遠いです。貴族令嬢大変。


「おねえちゃま、どうしたの?このおかち、おいちいよ」


「カイル、あーん」

小さい手でクッキーを持ってアーンしてくれた。かわゆいぞ。


「カイル、レオン、はい、お口をアーン」

「「アーーーン」」

可愛すぎる。口に大きく開けて、クッキーハムッとする2人。くーーー。


「カイル、レオンうまいか」

「おにいちゃま、おいしいでしゅ。おにいちゃまもアーン」

「おっ、じゃ、アーーン」

イケメンと可愛い子たち、なんだ、この絵面。萌え死ぬのか、わたし。

心臓が保たぬ。


 なんて幸せなひととき。


 しかし、その後、お母さまによる淑女教育が始まった。令嬢としての歩き方、仕草、言葉遣い、マナー、ダンスをこの領地にいる間に身につけることになった。


 ダンスは、それはshall we danceな世界ですよ。ヒップホップやエアロビではない。男性と向かい合ってするダンスですよ。それはキャンプファイヤーでの、マイムマイムやオクラホマミクサー、ジェンカではないのよ。ジェンカはダンスかな?


 腰をホールドされるアレですよ。手汗と、横っ腹の肉と足を踏まないかが気になって、ダンスどころではない、気が気じゃないアレです。


 お父さま、お兄さま、ロイドの協力を得て、ダンスを徐々に習得することとなった。今から謝っておきます。足踏みます。靴に鉄板を施した方がいいと思われます。


 淑女教育は毎日ではない。お母さまも、領地の教会や孤児院、女性会などに慰問や会合に行くことが多い。領主の夫人として、領民のことを第一に考えないといけない。私はもう少し領地の勉強をして、慣れたら行きましょうね、とにこやかに言われました。


 午前中、カイル、レオン、使用人や領地の子供たちと遊ぶ時もある。カイルも、レオンも4歳だが、読み書きの練習や剣術の練習もすこーしずつ始めて行く。貴族ほんと大変。


 私もカイルとレオンと一緒に剣術しよう。チャンバラになるような予感しかない。楽しそう。カイルとレオンとのチャンバラごっこ。紙で作った剣と盾で遊ぼうかな。

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