第36話 また、なぜこんなことに?
女子トークが続いていた。やっぱり女子はファッションよね。どの世界でも。
これぞ、女子会ってかんじ。
前世の女子会はファッションの話は全くなく、推したちの話だったけどね。ファッションの話は、推しの衣装のことしか言わなかったわね。
「髪飾りって、そんなすぐ作れるの?」
「レティ、例えば、色とりどりの布をつまみで重ねていってお花のようにもできるでしょう。このナプキンで作るとこんな感じに」
「「えっ、可愛い」」
「お花の形にして、そこにガラス細工でも合わせればゴージャスになるじゃない。宝石じゃなくていいのよ、ガラス細工のようなもので。いろいろ合わせればなんでもできるわよ」
「アイリ、誰も考えつかないわよ。みんな宝石をつけるのが当たり前だったのだから」
「そうよね。キラキラしている方が華やかだからね。輝いて見えるものね」」
「ねぇ、アイリ。今度、第二王殿下の婚約者として、隣国の要人が出席する晩餐会に出なければいけないの。お願い、一緒にドレス、髪飾りなど考えて欲しいの。」
「楽しそう、私も一緒に聞きたいわ」
「いやいやいや、隣国の要人の晩餐会なら、無難なので良いのではないの?お抱えのデザイナーやお店があるのではないの?ごめんなさい、いままで、やらかしアイリちゃんだったから、隣国の情報が全くわからないから、どんな国なの」
「アイリー、やらかしアイリちゃんって。
まぁ、いいわ。隣国は奥ゆかしいというか、派手な感じではないの。ドレスや宝石をギラギラさせず、私たちのようなドレスではないのよ。キモノというのかしら、ドレスのような装いではないのよ。だから、私たちがゴテゴテさせていると、逆に浮いてしまうのよ。」
キモノ、着物と言った?
「り、隣国の名前って何?」
「アイリー、隣国はジャポング皇国というのよ。私たちの国フォールズ王国より東に位置する皇国よ」
なんと、ジャパンとジパングとジャポ◯カを合わせたものではないか。うちには醤油はあるが味噌がない。味噌、米があるのかも。うひょー。お近づきになりたい。うちの領地は南側だから、ジャポングとは、反対側。ジャポングは、東。日本も日出処、東の国よ。
「レティ、ジャポング皇国の布やサテンの布やリボンなどとかあるかしら?」
「あるわよ」
「それを見せて欲しいの」
「いいわよ、今、メイドに取りに行かせるから待っていて」
レティはメイドに取りに行かせた。しばらくすると、メイドが布を抱えて持ってきた。
「とりあえず、今、できるか髪飾りを考えましょうか。まず布で花を作るタイプ。つまみ細工かな。ちょっと待ってて、作ってみるわね」
昔取った杵柄。お金がなかったから、端布で妹に髪飾りを作ってあげた。妹の成人式と結婚式にゴージャスな髪飾りとブーケを手作りして喜ばれたな。ブーケは生花と、ドライフラワーなどで作ったこともある。ここで役に立つとは。
カスミソウを生活魔法の乾燥で、ドライフラワーか生カスミソウどちらも作って合わせてみたが、なかなか良い髪飾りになった。
「これ、お母さまに見せても良い?待っていて」
「アイリ、すごいわね。私にも作って欲しいわ」
「マリアナはかわいいタイプがいいわよね。好きな色とかあるかしら?ピンク系に白を入れてワンポイントにオレンジか黄色、でも、水色もいいわね。少しグレードを上げるならレースとかオーガンジーとかでふわっとした飾りをつけるのもいいわよ。」
そこへ、レティとレティの母,公爵夫人がやってきて、一緒にお茶会に参加となった。
「これをアイリちゃんが作ったの?かわいいわ、それに宝石みたいなギラギラ感がないから、いいわ。私のも考えて欲しいわ。ジャポング皇国との晩餐会は控えめな装いというのが暗黙の了解で、いつも考えてしまうのよ。一緒に考えていただければありがたいわ」
日本も昔は奥ゆかしい、現代はファッションが様々だったけど、昔の奥ゆかしさが良いのかな。ケバケバしいのやギラギラしたものではなく、清楚さを醸し出すほうがよいかな。髪飾りに宝石は少しつけるぐらいが良いか。パールが良いけど。この世界にあるのかしら。
「パールはあるのですか?」
「パール?って」
「白くて丸い粒のようなものです」
「ジャポング皇国の真珠ね」
「真珠あるのですか?」
おおー、さすがジャパンじゃなくてジャポング。真珠があるなんて。
真珠は良いよね。落ち着く感じが良い。
その後、髪飾りのとこやドレスをみんなで話し合った。ドレスは裾の方が広がりのないパーティードレスのようなロングドレスを提案してみた。それこそマーメードラインなんていいじゃないかと思ったけど、斬新すぎるかな。とりあえず提案して、あとはお抱えデザイナーにお任せしましょう。テッシーさんなら、いろいろ話を聞いてくれるけど、格式のあるドレス屋さんは受け入れられるかはわからない。いまは、提案だけね。
楽しい女子会だった。これぞ女子会。今度は,色々な友達を紹介するわ、と言われたが、まだそこまでは参加したくないなぁ。
その後、レティがドレスを作るためのデザイナーに、なんとテッシーさんも呼ばれていた。テッシーさんはうちの商会のデザイナーだけどいいかな?
しかし、なぜ私もいるのかしら。成り行きできているけど、今回はうちの商会専属デザイナーのテッシーさんに頑張ってもらおう。
アラベルト公爵お抱えデザイナーはどうしたの?お抱えデザイナーに、この前のデザインを伝えたら、これは貴族が着るようなものではないと断られ、外交だから、今までのものよりゴージャスなドレスを提案されたから、お断りしたらしい。お客様のニーズに答えず、自分の考えを押し通してはいけないわよ。そのデザイナー。
「アイリ、びっくりしたかしら。テオドール様をお呼びしたの。もう、控えめなデザインをお願いしているのに、派手派手なデザインを勧めてくるのよ。困ってしまうわ。アイリが懇意にしているテオドール様に今回来てもらって、よかったらお願いするということにしているのよ。いつものお抱えの店ではなく、今回は色々なデザイナーに話を聞き、決めようとしているのよ」
競合させて、最後に誰が良いか決めるのね。入札?公募?みたいなものかしらね。新人登竜門、新人ではないか。公爵家に抜擢される機会を得たデザイナーたち。
「良い考えね。お抱えの店も公爵様御用達といって驕りや傲慢な態度なら、新しいデザインを生み出せないわ。それに人材育成にもならないわ。お灸を据える意味では良いのではないかしら」
「すごいわね、アイリ。15歳の考えとは思えないわ」
「おほほほ、レティ、みんなを待たせているわ。早くデザインを考え出しましょう」
「テッシーさん、今日はよろしくお願いします。色々アイデアを伝えるので描いてくださいね」
「もちろんよ、アイリちゃん。アラベルト公爵家の方々に選んでいただけるよう、誠心誠意頑張るわ。こんな機会をいただけるなんて、アイリちゃんに出会えてよかったわ」
「テッシーさん、まだまだ、選ばれるかどうかはこれからよ。ここに呼ばれたからそれでいいなんて考えず、デザインを選んでもらえるようにがんばりましょう」
「そうね、アイリちゃん。ここがゴールではないのよね」
「そうよ。これからが勝負よ。テッシーさん」
2人で手と手を取り合って、頑張ることを誓った。
テッシーさんは、うちの商会のデザイナーだから、私も加担して良いよね。
しかし、なぜまたこんなことになってしまったの?お願いします、今回はそんなにイベント的に大きくならないでください。




