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第129話 私はイベント企画担当者ではないのよ!

 いつの間にお父さまたちに手紙を送ったのだろう。

 スタンフォート公爵領にお父さまとお兄さまがいる。変な感じだ。


「お父さま、お兄さま」


「アイリ、またお前何をやったのだ?」

 開口1番それですか、兄上さま。


「お義父上、アレクセイ。急遽お呼びだてしてしまい申し訳ございませんでした」


「いやいや、お酒のことだと伺ったので早速伺いました。ドリガン親方たちもすでに来ているのですよね」


「ええ、今、炉を作るところを探しています」


「そうですか。ところで、大麦の関係ですか?我々の領地は塩害を克服とまではいかないまでも、土地改良をしてなんとか大麦などの育成成功はしているのですが、公爵領とは比較になりませんな」


「もし、内密な話ですが、公爵領で生産している大麦は余剰分が拡大しておりまして、もしよろしければお酒の業務提携をしませんか?我々は大麦をそちらに卸す形で考えてほしいです」


「お恥ずかしい話ですが、我々の商会は色々開発しているものがあり、本当のことを言うとお酒の方は手一杯なのです。我々はこのお酒を作った第一人者として特許も申請しています。特許分だけ我々に支払っていただき、あとは公爵様の方でいかようにも作り、売買していただいていいのですが、いかがですか?」


「いや、このお酒は絶大なる利益をもたらす。公爵家だけの利権とは行かない。それに、またアイリの方で新たなお酒を作ると言っているので、我が公爵家の専売特許となってしまったら均衡が取れないな。ただ大麦の余剰分を消費できるならお酒に力を入れてもいいのだが。提案ですが、お酒部門を合併しませんか?お酒部門は新たな商会を立ち上げましょう。それに、今後カイルやレオンが大きくなる。その時に商会を受け継ぐようにした方がいいと思う」


「はっ、カイルとレオン。そうだな。あの子達が大きくなって、将来何になるかもわからない。うちの商会を引き継いでもいい。選べる道を作ってもいいかもしれないな。ありがとう、ジェイシス殿」


 こうして、今度はお酒部門の商会を立ち上げることになった。会長、私??私はカフェをやりたいのよ。カフェ。今後も新しいお酒を作るかもしれないから、私が会長をしなさいって、ひどいよ。

 ジェイシス様と私のお父さまとジェイシス様のお父さまイーサン様が顧問となった。イーサン様はとても乗り気だった。スタンフォート公爵領地に籠っているイーサン様は大麦の収穫状況や余剰分の管理とそれに伴ってウイスキーがどれだけできるか試算を出した。多く作って熟成させてもいいだろうとなった。

 商会の名前は、ポワールでいいか。壊滅的な名前の選択かもしれない。ポワールはフランス語で飲む、だからいいわよね。安直かしら?


 それから、ジェイシス様は魔力量も多く、土魔法を使えるので、地下に貯蔵庫を作ってもらった。カッチカチの空間。ここで熟成をさせればいいと思う。

 倉庫のようなものを作り、そこで作業。

 ドリガン親方はお酒のことだから、タンクなどを作ることが早い早い。 

 あれよあれよと進み、いざワインから作成。また、魔法を使って早く進める。熟成も魔法で進める。魔法はなんでもありね。

 深みのあるワインができたと思う。


「ワインどうかな?ウィスキーとは全然違うと思うの」

 ジェイシス様やみんなに試飲してもらった。

「ウィスキーのように、ガツンとしたお酒の強さはないが、うまいな。上品だな」

 ジェイシス様の感想。


「ウィスキーの方がガツンと来るよな。ワインはお上品だ!」

 ドリガン親方の意見。


「色々な食事の場面で、違った種類のお酒が出るのがいいのではないか?」


 さすがイーサン様。肉料理が赤ワインが合うのよね?


 こうしてワインの第一歩となり、マスカットのようなぶどう探しをしよう。どこかにあるはず。近い将来ブランデーだ。醸造、蒸留酒を作ったら、色々果実の種類を変えたりすれば違ったお酒もできる。女性が嗜むお酒も開発できる。


 こうして自由にできるのもジェイシス様のおかげだな。私がどうして番なのかはわからないが、これからもジェイシス様と共に歩んでいく未来。こめかみをグイグイ押しながら私の話を聞いてくれるジェイシス様。


 今世、スローライフを掲げた目標は、全く違ういつも忙しい毎日。これからも楽しいことを考えながら企画していく未来しか見えない。スローライフはいつできるよ。私はイベント企画担当ではないのよ。


 いったん、この話はこれにておしまい。




ありがとうございました。一旦、このお話は終わりです。今後は番外編で色々なイベントと未来を書いていければなぁと考えてます。読んでいただきありがとうございました。

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