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第125話 お互いのスキルについて話し合う

 スタンフォート領は農作物が多く収穫される。大麦、小麦はもちろん、野菜なども多く育っている。


 でも、加工品がないのよね。飢饉に備えて備蓄できるものを作ったりしないのかしら。魔法があるから大丈夫なのかな?


 そういえば、家では私がジャムを作って食べていたが、この世界ジャムがない?


 惣菜パンを作っていたが、ジェイシス様にそれらを渡したことがない。ということは食べた方がない。

 夕食時尋ねてみた。


「食物を加工?ジャム?ザワークラウト?いや、そういったものはない」


 私はこそこそと腰にあるマジックバッグポシェットからジャムを出した。


「これがベリージャム、チョコレートです。パンにつけて食べると美味しいですが、男の人は甘すぎるかなぁ。どうぞ」

 瓶詰めにしたジャムを渡した。


「あっ、これ料理長に食べてくださいと渡してください。パンにつけて食べるものですと言ってくださいね。あと惣菜パンも渡しておきます」

 いったいどこから出しているの?パンから湯気が立っているの?と不思議そうにぼーっとしていた近くにいるメイドのケーナに渡した。


「は、はい、料理長に渡して参ります」

 駆けるように行ってしまった。


「アイリ、はぁ、君のご両親やアレクセイの心中がわかるようだ。この屋敷の者にも契約魔法が必要だな。いろいろ言いたいことがあるが、このジャムをパンにつけるとうまいな。チョコレートは甘い。両方とも母上や姉上が好きそうだ。父上も好きだな。あれで甘いもの好きだから」


 ドアの向こう側がザワザワしている。


「料理長が?入れ」


 料理長が入ってきた。帽子を取り一礼した。


「お食事中大変申し訳ございません。先ほどアイリ様から賜りましたものはあれはどういうものでしょうか?パンにつけて食べるとは?それに色々なパンがあるのですが一体あれはどういったものでしょうか?」


 困惑している料理長。王都のタウンハウスの料理長とは色々一緒に作る仲だか、こちらの料理長とは初対面だった。こちらにきてから料理どころではなかったからね。


「訳のわからないものを渡してしまってごめんなさい。タウンハウスの料理長とは色々料理を作ったり話をしたりする仲だったから、こちらでも同じようにと考えてしまったの。混乱させてごめんなさい」


「いえ、アイリ様。あれはこちらがいただいてもよろしいのでしょうか?」


「試食で食べてみて。それからいろいろ作って欲しいかなぁと思っているのですが、一緒に作っていきませんか?」


「は、はい、ぜひお願いします。いつもタウンハウスの料理長のロペスから話を聞いていて羨ましかったのですが、アイリ様のお役に立つよう頑張ります」


「そういえば、お名前聞いていなかったわね」


「はい、こちらの料理長を仰せつかっておりますボスコと申します」


「ボスコね、これからよろしくお願いします。ちなみにこれはベリージャムなの。このパンにジャムを塗って食べるの。どうぞ?」


「は、はひ?え?あ、いや?」


「おほん、アイリ、はぁ。ボスコ、受け取って食べてくれ」


「は、は、はいー。い、いただきます」

 顔を真っ赤にして受け取ってくれた。あら直に渡してはダメだったかしら。


「う、うまい。パンにのせただけなのにうまい。えっ?」


「先ほど渡したパンやジャムは食べてくださいね」


「も、もちろんです。楽しみです。旦那様、す、すみませんでした。失礼致します」

 いそいそと料理長が戻っていく。


「アイリ、自重してくれ」


「今後、料理長や厨房の人たちと仲良く料理を作っていきたいと思ったのよ。ごめんなさい。やりすぎました」

 後日、厨房でのその後を聞いたら、惣菜パンやジャムやチョコレートは争奪戦になったとかならないとか。

 そして、美味しい、今後これらを我々が作れるのか?とみんなワクワクと私との交流を待っているらしい。そなたパンの話を聞きつけた執事、メイドや騎士団が厨房だけずるい、我々も食べたいと直訴してきたらしい。


「アイリ、本当に自重してくれ」

 とぼやくジェイシス様がいた。私はその時、厨房の皆さんと料理談議をしていました。


 時は少し遡り、就寝前に自分の魔法や魔力について話し合った。


「俺は龍人の血が流れているのは知っているよね。龍にはならないぞ。魔力量は多く、魔法属性はいくつか保持している。この前教会で自分の魔力量を調べたらまた増えていた」

 ?教会でやっぱり調べるの?そういえばお兄さまにステータスオープンで自分で見られるか検証してもらわなかったわね。ジェイシス様にお願いしますか。魔力量多そうだし。


「私は生活魔法です。生きていく上でとても便利です。戦争とかで戦いたくないので、十分なのです」


「え?生活魔法なの?なんだか、いろいろ持っていそうなかんじだったけど」


「先ほどジェイが教会へ調べに行くと言っていましたけど自分で見ることはできないのですか?」


「自分ではみられないよ。水晶に手をかざすと自分のスキルが書かれたボードが出てくるのだよ」


「そ、そうですか。あの、ちょっと検証したいのですが、ステータスオープンと言ってもらえないでしょうか」


「え?ステータスなに?」


「ステータスオープンです」

 出るかな、出ないかな。どうだろう。出なかったら恥ずかしいかな。言わせておくだけ言わせて何もないって。ドキドキ、ワクワク。


「わ、わかったよ。はぁ、ステータスオープン」


「は?何これ?教会で出た数値が出ている。スキルや魔法属性なども出ている。え?」

 ジェイが私の顔を見た。


「よかった、私だけが出るのではなく、みんな出るのかな?魔力量が多い人だけなのかな?そこがわからないけど」


「アイリ、このことはまだ誰にも言っていないのか?」


「そうですね、お兄さまに言うの忘れていました。詠唱無しで魔法発動できるのは教えたのですが、ステータスオープンはみんなできるも思っていたから伝えていませんでしたね。前世を思い出して、初めの方にお兄さまが教会で何かすると言っていたけど、これのことだったのかしら?」

「アイリ、アイリ、ちょっと待て、ちょっと待て。詠唱なしで魔法発動?頭が混乱してきたぞ。まず国王陛下、その前に父上に検証してもらうか。あとは信頼できる者に契約魔法をしてからやってもらうか」


 隣でジェイがぶつぶつ言って考え事をしているから、さっさと寝てしまおうかしら。そうよね、寝よう。ふかふかベッドで気持ちが良いのよ。


「アイリ、まさか寝てないよね?」

 上から覗き込まれている。


「ふえ!目を瞑ってようかなぁと思っていたところよ。オホホホホ」


「今から俺のステータスが見ることができるか試して欲しい」

 ステータスオープンと言って、私の目の前にジェイのステータスが表示された。


 ジェイシス・フォーダム・スタンフォート 26歳

 魔力量 135900

 魔法属性 水、風、土

 身体強化


 スキル 霊獣 従魔 


 にゃんすか、この霊獣とは?飼っているのかしら。


「アイリに見えるんだね、ステータスが」


「霊獣って何?飼っているのですか」


「飼ってはいないが、生まれた時から守ってもらっている。今度紹介しよう」


 ここにもファンタジーがいる。私のスキルとは全く違うハイスペックな勝ち組のやつだね。なんだか、私のがショボいぞ。えっ、私のも見せるの?


「いやー、私のは大したことがないからいいのではないかなぁ。ダメ?そうですか。では、ステータスオープン」


 魔力量が増えた。注釈もいつも通り着いている。追加メニューがあるの?収納が無制限になった。ほんとチートだね。


 魔力量 66800


 発火着火 

 火が出る。キャンプに便利。


 アクア 

 水が出る。キャンプに便利。


 風生成 

 風が出た。爆風ではなく扇風機のような風。


 収納 無制限 時間停止機能付き

 ものを収納できる

 生き物は入らない


 光源 光 照明。夜便利


 冷却 物、水を冷やすことができる


 加熱 物、水を温めることができる


 浄化 自分の身を綺麗にできる。食べる物を浄化できる。


 付与 物に付与することができる


 土壌改良 耕作

 追加:新種生成(思い描いた種ができる。品質良好)

 野菜、果物作りに最適


 リペア 修復


 裁縫


 鑑定:動植物の鑑定。そして物質の鑑定、物が何で作られているか、何が作れるかがわかる鑑定。

 追加:状態異常がわかる


 スキル:分解


「アイリ、色々聞きたいことがあるが、とりあえず寝ようか?聞いていると長くなりそうだ」


 ジェイ、思考を放棄したみたいだ。





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