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第119話 カフェの話から始まるバイキング形式

 大盛況を納めた試乗会と試食会。男性は自転車、女性はスイーツに分かれた。そうなるわよね。


 学園に行き、クラスのみんなは自転車とスイーツの話で盛り上がっていた。


 昼休みにみんなで昼食を食べている。


「アイリ様、試乗会、お疲れ様でした」


「バイロン、お疲れ様。自転車の方大変だったでしょう。私は、途中スイーツの方とちびっ子たちの方に行ってしまって、お兄さまとバイロンに任せきりでごめんなさい」


「いえ、途中スタンフォート公爵様が仕切っていただいたおかげでスムーズに成約が進みました。国王陛下がお忍びでいらっしゃったのは驚きました。スタンフォート公爵様がいらっしゃって本当によかったです。私では緊張して対応できませんでした。大盛況で良かったですね」

 そうなのです。アグリ様を伴って、お忍びで国王陛下いらっしゃいました。様子を見に来たそうです。ジェイシス様がいらして本当に良かった。対応はジェイシス様にお任せした。アグリ様は、前回の領地でのジェットスキーと同様楽しまれていた。自由なお方だ。


「バイロンが頑張ってくれたから、今回成功したのよ。本当にありがとう」

 バイロンは照れて、頬をかいていた。


「アイちゃん、カフェのことはどうなの?スイーツバイキングとかしないの?」


「ルー、市民向けなら自分で取りに行って好きなだけ取るのはいいのだけど、貴族は自分で取りに行く?行かないわよね?」


「でもバイキングは自分で取りに行って、好きなものを好きなだけ取ってくるのが楽しいわけでしょ。私、そうなったらお忍びで行くわよ」


 ルーと前世のスイーツバイキング形式のことを話し合ったが、貴族にそれができるの?そこが問題なのよね。


「アイリ、ルルーシェ、カフェのことをお話されているの?」

 マリアナや他のクラスの女性陣が話に加わった。野外活動からクラスの女性陣みんなで食べるようになった。時々セドリック様の昼食の部屋にみんなで集まり食べることも多々ある。クラス全体が仲良くなった。今は中庭で食べている。


「マリアナ、そうなのよ。バイキングと言って自分で好きなデザートを好きなだけ取る形式にしようと思ったのだけど貴族の方々は自分で取りにいかないわよね。自分で選ぶのって、ワクワクするじゃない?そんな思いでデザートを堪能して欲しいのよ」


「そうねぇ、学園の食堂では自分で取りに行っているけど、セドリックさんのような高位貴族各は部屋で給仕されているわね。うーん、難しいかしら?」


「私たち、下位貴族は自分でなんでもこなすから、そういうバイキング?というものは大丈夫よ。好きなデザートを取りに行くなんてワクワクしてしまうわよ」


「本当よね。そういうカフェ行きたいわ」

 モニカ、ロッティ、チェルシー、ミーガンは頷き合っている。


「あら、私だって、自分で取りに行って選ぶことはできるわよ」

 マリアナはできると思う。食堂でも私たちと一緒に並んで食べている。


「平民と貴族を分ける構造にするのは店の規模的に無理よね。かなり大きい店の広さになってしまうわ。やはり、バイキングではなく、メニューを選びそれを提供する方がいいのかしら?」


「えー、私はバイキングがいい。サラダ、パスタやピザやカレーみたいに軽い料理が少しあって、ドリンク飲み放題、スイーツ取り放題で2000円ぐらいがいいわよ。アイちゃん」

 ルー、それまんま、あのお店ではないか。今はいくらになっているのだろう?2000円と言っているわよ。円、って。おい!ルー、曝けすぎよ。


「ルルーシェさんのその発想、すごいわね。とてもワクワクするわ。にせんえん?って何かしら?」


 マリアナ、それは気にしないで、聞き流してちょうだい。もう、ルーはポロリが多いのよ。


「オホン、ルーの発想は本当にすごいわ。そうだ、学園の食堂の人と協力して期間限定でバイキングをしてみようかしら」


 私は学園でランチバイキングができるかどうかポロリと言ってしまった。私もポロリです。ポロリ姉妹か?


「えぇ?それすごく面白そう。でも、学園長や食堂長に提案しないといけないわね。生徒会を巻き込む?カイやアレクなどを巻き込んで期間限定でしてみるのはどう?アイちゃん」

 ルーがやる気になっている。生徒会を巻き込むの?生徒会に入れ、と言われるから嫌なのだけどなぁ。絶対そのままずるずると生徒会入り決定なんて絶対イヤよ。


「アイリ様、あっいえ、アイリさん。楽しそうな企画のようですがバイキングとはそもそもなんですか?」


 バイロンって本当に優秀。ザッカリー商会をゆくゆく継ぐ者として、意識が高いのだろうなぁ。


「ごめんごめん、例えば、料理とデザートが一定の場所に置いてあり、自分たちでお皿に取り分けて、自分たちのテーブルで食べる。そして、また、おかわりの料理やデザートを取りに行くというシステム。食べ放題ということ。でも、時間制限はあるわよ。ずっと居座られても困るし」


 みんな口々に。楽しそう、色々な料理が楽しめるの、食べ放題?


「アイリさん、なるほど。本当に楽しそうですね。高位貴族は自分たちの部屋があるので、自分たちでとってそこで食べればいいですし、どのぐらいの人数になるかわからないですが食堂以外の部屋も使って食べてもらうということも有りだと思うのです」


 話が進んでいくわね。バイロン、あなたもまた私がポロリと言ったことを実現していくタイプなのよね。お父さま、お兄さま、ドリガン親方は魔道具を作る方、バイロンは企画を作る方なのよ。ジェイシス様は仕事を統括することに長けている。あら、私の周りは優秀な人が揃っているわね。丸投げし放題。あはははっ。


「アイちゃん、何ニヤニヤしているのよ。怖いわよ」


「いやー、みんな優秀だなぁと思って。実現できれば楽しそうだなぁと思って、ワクワクしていたのよ」

 丸投げし放題だ、わーい、なんて考えていたことは言えない。


「やっぱり、生徒会を巻き込みますかね?」

 みんな頷いた。


 心なしかみんなワクワクした顔をしている。


 さぁ、お兄さま、待っていてちょうだい。



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