エルザとルイージの物語
ある日、マックスが大学近くのバーから出てくると、たまたまルイージをみかけた。ルイージは元の大学近くに実家があったので、荷物をとりに街を訪れていた。
マックスは、ルイージを追いかけ、ルイージに話しかけた。
ルイージは何のようだ?といった具合だったが、マックスが謝りたいことを伝えると、マックスの言葉に耳を傾けた。
お前を殴って悪かった。俺はエルザが好きで、なんで、お前なんかがってずっと思ってた。あれからエルザは俺と口を聞いてくれない。なあ、教えてくれ、どうしたら、エルザは許してくれる?
ルイージは、マックスはどこまでも勝手なやつだと感じて、その場を後にしようとしたが、マックスが、俺は親父にもお袋にも金だけ与えられて、愛されたことがない。わからないんだ、と叫ぶと、ルイージは足を止めて、いっぱい飲むか。とマックスを誘った。
ルイージとマックスは、バーで買ったひと瓶を片手に近くの公園で話した。
エルザがいかに素敵か、マックスは長々と話し、ルイージは、ああ、こいつも、エルザの事が本当に好きなのだ、と気付くと、マックスに同情の気持ちすら湧いてきた。
あの日、花をエルザが受け取った日に起こったことをマックスは、ルイージに話した。
ルイージは、自分の誤解だったのか、と悟り、エルザにひどいことをした。エルザはもう許してくれないだろうという絶望感が湧いてきていた。
マックスは、悔しいけど、ルイージ、お前は、いい奴だ。俺がお前を殴ったときも、お前は誰にも他言しなかった。だから、俺はお前に本当の事を言う。
エルザは、多分、お前を待っている。
エルザはこの先もずっとお前を待ち続けるだろうと思う。と言った。
マックスは泣いていた。
そして、マックスはルイージに聞いた。
なあ、俺はどうしたら、愛を貰えるんだ?
教えてくれ、ルイージ
ルイージは、僕にはその答えはわからない。でも、今日 君と話して、君が本当の事を言ってくれて、僕は君を好きになった。
あんなに酷いことされたのに、不思議だよな。
ルイージはそろそろいくよといいマックスを後にした。
ルイージは、翌日エルザの家を尋ねた。
りんごを持って
エルザは 誰が来たのかわからずにドアを開けたが、りんごを持ったルイージを見た瞬間、泣き崩れた。
ずっと、待っていたのよー。バカー。
人にバカなんて言ったことないエルザが取り乱していた
ルイージは、エルザを抱き寄せて、ごめん、ごめんよ、と何度も何度もエルザにつぶやいた。
暖炉の前に座りながら、二人はコーヒーを飲んでいた。
エルザが優しい声で話し始める。
よくよく考えると、私ルイージの事、何も知らなかった。探そうとしても、家がどこにあるかも知らなかった。
エルザが悲しそうに言うと、ルイージは、
自分の家は、複雑だから、エルザには場所を教えたくなかったという事を伝えた
ルイージもまた、ぽつりぽつりと、自分の家族の事を話し始めた。
昔は、優しいお父さん、お母さんにかこまれて、わりと裕福な生活をしていたこと、
でも、お父さんが一緒に事業をしていた一番信用していた、仲間にお金を持ち逃げされて、事業が潰れたこと
それから、お父さんは毎日、お酒を飲むようになり、体を壊して、寝たきりになり、母にもあたるようになったこと、お母さんはそれでもまだお父さんをずっと大好きなこと それを見ていて、僕に力があれば、とルイージがずっと自分を責めて生きてきたこと
エルザは泣いていた
ルイージは悪くない
ルイージは悪くない
ルイージは悪くないよ
そうエルザは言って、二人でたくさんたくさん泣いた。
つづく




