表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/21

12話

「ただいま」

「おかえり、ヨースケ。どうだった?」


「傍から見ている分にはすげー面白かったぞ。当事者になったら頭抱えるだろうけどな」


 HRが過ぎて一限目の教師が来るまでの僅かな時間に彼と話をした。


 たぶん当事者って俺のこと言っているのだよな。

 お陰様で一限目の授業の内容は一つも入ってこない。




 二限目との間の休み時間にヨースケの撮ってきたビデオをミユキと見る。


 教室に入ってくるあの女。近づく須藤某。一言二言某が言葉を掛けると、金切り声をかげてあの女が殴りかかる。


「やべーな……」


 あとは何を女が言っているのかはっきり聞き取れない。ヒステリーのように見える。でも、()()()()って単語は聞こえる。


 狂瀾怒濤の教室内。

 担任が入ってきて騒動を抑えようとしている。


 女が拘束される。すごい形相だ。


『あんたが余計なことしなければカズヒトはウチから離れなかったのよっ! 全部お前のせいだ! 死ね!』


 最後にそれだけ言うとあの女は教師に引きずられて六組の教室からフェードアウトしていった。


「なんか……なんか、だな」

「ああ、お前が言葉を失うのよく分かるわ」


「ねえ、カズヒトの家にミナミが来たときもこんな感じだったの?」

「いや。穏やかな感じではあったけど、静かに狂っている……みたいな?」


 聞くところによると今日のところは家に帰らされたらしい。殴りかかってはいるが所詮女の手なので須藤某も怪我一つなかったのが理由。


 家族が迎えに来て、静かに帰っていったという。

 代わりに俺は家に帰りたくなくなった。あんなのが道路挟んで数メートル先にいると思うと落ち着かない。






 放課後。ミユキと一緒に帰宅の途。

 今朝のあれは俺だけでなくミユキにとってもショックだった。


「わたし、ミナミのことは大嫌いだけど、可怪しくなって欲しいとか消えてくれなんて思わない」


「うん」


「ただ、無関係ならそれでいいかなって」


「うん」


「でもカズヒトだけは救わないと、とは思ってたよ」


「俺?」


「うん。だってミナミ元よりあんなだもん。絶対にカズヒトには良くない」


「そっか」


「カズヒト。なんでミナミがカズヒトに告白したか知ってる?」


「知らない」


「カズヒトに想いを寄せていたある女の子からあなたを奪うため。単純にその子に対してマウント取りたかっただけなのよ」


「ほんとに?」


「うん。嘘告みたいなもんだったの、ミナミにとっては。でも本末転倒、自分のほうがカズヒトに惚れちゃったみたいね」


「それにしては浮気ばっかりだったけど?」


「ま、生来の閨狂ねやくるいは治らないんでしょうね。その結果がいま来ているんでしょうけど」


 ミナミのことよりもその「ある女の子」が誰なのか気になったけど教えてくれなかった。


ミナミ本人的には一途な思いを拗らせているだけなのですが、第三者から見るとそうは見えないようなので彼女用にタグ増やしました。パラノイアとは少し違うかな……と思い、大枠でメンヘラを。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ある女の子って誰だろー(しらんぷり) ミナミは地獄を美味しく味わえ(直球) そしてカズヒト相手は誰とは言わないけど、いつでもいいから付き合ったあとに結婚して幸せな家庭を築きやがれくださいお願…
2023/04/28 22:22 退会済み
管理
[気になる点] ん?悪口嫌いじゃなかったの??
[一言] こうなると避けて通れないのがビッチ川支店。(• ▽ •;)(見たいような、見たく内容な)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ