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1話

よろしくお願いします。

 ミナミとは生まれた時からの幼馴染だ。


 あいつがミナミだからといって俺がタッちゃんじゃないのは明白で。俺の名はカズヒト。

 互いの家は斜向い(はすむかい)で眼の前、玄関開けたら徒歩一五秒というご近所さん。

 だからミナミとは幼稚園の通園バスも一緒だったし、小学校に上がってからも毎日一緒に登校していた。


 中学生にもなると異性を意識しすぎて幼馴染でも疎遠になるなんて話も聞くが俺たちはそんなことは微塵もない。

 互いに部活をしていたので朝練などで分かれることもあったができる限り行動を共にしていた。


 中二のときミナミに告白された。俺もミナミのことが好きだったから同じ気持ちだったのがとても嬉しかった。


 告白されたその日に初めてのキスを交わした。ミナミの柔らかいくちびるは病み付きになるほど甘美だった。

 その日から二ヶ月で初体験。身体を重ねることの幸せを知ってしまう。


 そこからはだいたい週に一~二回のペースでどちらかの部屋でセックスしていた。


 学校でも二人の関係は隠すことなく過ごしていたので、周りからは呆れられるわ羨ましがられるわだった。

 なにしろミナミはJC離れの大人びた可愛らしい顔立ちと女らしい体つきをした男女問わず羨望される存在だったから。


 俺らはただいちゃついてばかりでなくしっかりと勉強もしていた。二人で試験対策をしたり、予習復習も忘れずに行ったりするくらいには優秀なのだ。

 学力的に俺とミナミはだいたい同じ。なので、志望高校も同じだった。


 高校に入学すると残念なことにミナミとはクラスが別々になってしまった。俺が一組なのに対してミナミは六組。一番遠いクラスだ。


 それでも通学は一緒だった。駅まで歩き、同じ電車に乗って、また学校まで歩く。

 もう一〇年以上幼稚園の頃から続くこの行為を飽きることなく行っていた。


 その日までは。





 とある学校が休みの日曜日。いつもなら惰眠を貪り昼近くまで寝ているのだが、その日に限って七時前に目が覚めた。

 二度寝って気分でもなかったので、ささっと身支度を済ませてもし暇だったらミナミを誘って遊びにでも行こうと思って窓から斜向いの家を覗いてみた。


 ちょうど玄関が開き、中から一度も見たことのないような着飾ったミナミが出てきた。俺と出かけるときはジーンズにパーカーなんてカジュアルすぎる格好が多い。


 今日の服装は淡い空色のワンピースに白色のレースを施したボレロを纏い、やたらと気合の入ったような髪型をバッチリきめていた。


 ちょっと興味が湧いた俺はこっそりとミナミのあとをつけることにした。


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