リミの池
「なぁダウス、リモの森ってこんな生物いたっけ。」
「うーむ、いたようないなかったような。」
俺は今左手に黒くて青いスライムのコアを持っている。
スライムと言ってもこの青いスライムは冒険者ギルド内の討伐リスト内の上の方に位置するやつだ。
基本的な雑魚スライムは無色で透き通ってる。
その次に水色、こいつはさほど雑魚と変わらない。
で、青色は並程度の冒険者が倒せるレベル。
次は朱色、こいつは火を飛ばしてくる。
最後に黒色、こいつは騎士と上等かそれ以上のやつで滅多に出てこない。
そして俺が今持っているコアのスライムは変色種というやつだ。スライムは色で危険か危険じゃないかを区別するんだ。
黒に近い青ということはまぁ危険だろう。
「リミの森はしばらく来てなかったからなぁ。特にこんな奥に入ったのは久しぶりだ。」
「仕事が忙しかったからな、休みぐらいくれよ...。」
愚痴を言いながらどんどん奥に入っていく俺たち。
突然眩しくなった。
「うわっ。」
「お、なんじゃこりゃ。」
俺たちは透き通った綺麗な池を見た。
ここだけリミの森とは違う雰囲気がある。
「リミの森にこんな所があったんだな。」
「あぁ、知らなかったぜ。」
池の隣には小屋がたっておりそのドアが開いた。
「ようこそ、リミの池へ。」
薄緑色の髪で黄緑色の目、真っ白な服、そして美声。
「君は誰だ。」
「お前は何者だ。」
俺たちは思わず身構えた。
こんな綺麗な女性、王国内では見たことがない。
「ここはリミの森の中のリミの池、私はノウと言います。」
(シウス警戒を解け。俺の目は大丈夫そうだ。)
(信じるぜダウス。)
(俺はこういう女性は苦手なんだ、頼んだぞ。)
「ノウ、質問いいかな?」
俺はノウに聞いた。
「はい。どんなことでもどうぞ。」
「君の種族は?」
「魔族です。」
「ここは王国領だぞ、知っているのか?」
「えぇ。勿論。」
「系統は?」
「世界樹の者です。」
「よし。分かった。ありがとう。」
(こいつは安全だぜダウス。)
(良かったぜ。)
「人間を見るのは久しぶりですね、貴方の名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「俺はシウスでこっちがダウス。ダウスは女性と話すのがちとトラウマなんだ、理解してやってくれ。」
「シウスとダウス、分かりました。では私の小屋へどうぞ。」
ノウはドアの中へ入った。
俺たちもその後を行く。
「失礼します。」
目の前には椅子4つとテーブル1つ。
左奥の方には女の子?が外を眺めながら座っていた。
「この子は気にしないでください。こちらの席へどうぞ。」
女の子とダウス、ノウと俺が対面するような形となった。
「私ことノウは世界樹系統の魔族ですがもう既に追放されています。」
「追放とは...?」
「その話をする前にこちらのお方を紹介させていただきます。」
お方?
「こちらは元魔王のクーム様です。」
魔王!?!?
ん?元...?
「クーム様、こちらを向いてください。」
女の子は俺たちの方を向いた。
「...私はクーム、元魔王よ。」
それだけ言いまた外の方を向いてしまった。
「クーム様は魔族が嫌いになり出て行きました。私はクーム様の側を離れてしまったので追放となりました。」
「...ノウは悪くないし。」
ぼそっと呟いた。
「その後、クーム様を見つけ、このリミの森へ辿り着いたのです。」
「そのリミの森で質問なんだが、ここはもとからあった場所なのか?」
「いいえ、リミの池は私が作りました。」
やっぱりか。世界樹系統の魔族ならこのような場所を作ることができるということを耳にしたことがあるからな。
「なるほど、では次に我々ですね。ここへ来た経緯をちょっと省略して身分を説明すると、簡単に言えば元勇者と元王国冒険者ギルドマスターです。俺が勇者でダウスがマスター。」
そう言うとノウは驚き、クームは「ふぇえ!?」
と急に奇声を上げていた。
「ふぇ!?ん!?え!え!え??」
とめちゃくちゃ困惑してたので落ち着くまで結構時間が掛かった。




