逃走
そして俺はまた冒険者ギルドに行き例の如く奥の扉に入った。
「おうシウスどうした。」
「ダウス、単刀直入だが俺はこの国を捨てる。」
「......はぁ、いつかそうなると思っていたが今日かぁ。」
「なんだよ、驚かないのか?」
「あったりまえだよ。いつも疲れ切った表情で死にそうな顔をしてるのを見ると、いつか出ていきそうだなとか思ってたし。」
さすがダウス、よく分かってるじゃないか。
「俺は出ていくんだが、ダウスはどうする?」
ダウスは一応この国の冒険者ギルドのマスターだ。
そうそう簡単には辞められないとは思うが一応聞いてみた。
「じゃあ俺も着いて行こうかな。」
あれ、思ってたのと違う。
「ギルドマスターって忙しくないのか?そんなすぐに辞めれるもんなのか?」
「忙しいっちゃ忙しいが、今年中にやる仕事も終わらしたし、なんか緊急事態になっても副ギルドマスターがなんとかしてくれるだろ。」
「ここにそんな奴居たのか。」
副ギルドマスターなんて見たことない。
「あいつは、いつもサボっているからな。実力は凄いんだが、頭の方がちょっとおかしくてな。」
「なんかダウスここの冒険者ギルド嫌そうだな。」
「全くだ。シウスだって騎士嫌だったろ?」
「うむ。」
別になりたくて騎士になったんじゃないし、適当に依頼こなしてたらいつのまにか騎士入りして適当に過ごしてたら、過労死レベルの事させられてただけだし。
「ところでシウス、この後すぐ行くのか?」
「あぁ、ダウス準備とかいるだろ、待ってるよ。」
「いや大丈夫だ。準備ならここのギルドマスターになった頃からしてる。いつでも逃げれるようにな。」
久しぶりに見た友の笑顔を見て俺はほっとした。
「じゃあ見つからないようにとっとと逃げますか。」
「このマント持ってるよな。」
ダウスが持ってるのは俺が持っているのと同じ黒いマント。
「もちろん、いつも着ているぜ。」
このマントは認識阻害のマントだ。
かなりの上級者じゃないと見つけることが出来ないレベルの代物だ。
「逃げるぞぉ!」
「グッバイ、腐った国よ!」
俺達はそう言い、壁をぶち破って豪快に逃げた。




