黄ばんだ畳の上で
いつか、誰からもチヤホヤされるような人間になりたい。
誰だって、そんな思いはあるだろう。
「…」
そんな思いを叶えられないどころか、捨てることもできずに、今日も俺は布団に転がる。
何もしたくない、ただ虚な目でテレビを見ることくらいしか出来ない。
廊下で足音がして、ドアが3回優しくノックされた
「…ゆーちゃん、もうお昼よ、出てこない?」
「うるせえババア!」
そこら辺にあった本をドアに投げつける。
ひっ、と向こう側から怯えたような声がした。
足音は遠ざかっていった。
それでいい、鬱陶しい、こんな粗大ゴミは捨てて勝手に死ね。
…どこで間違えた?
高校でずっとボッチだったところ?
大学で空気に馴染めず、後輩からもたかられる財布になったところ?
入った会社で、いじめられるようになったこと?
…生まれたところ、だったら悲しいなぁ。
寝返りをうつ。
長らくトイレより遠くまで歩いてないからか、足が動かない、仰向けでいると腹の贅肉で呼吸が苦しい。
「…しにてぇ、しにてぇ…」
違う、死にたくない、死にたいんじゃなくてやり直したいだけだ。
「あのクソアマも、くそ陽キャどももぶっ殺して」
お母さん、ごめんなさい。俺にわざわざ話しかけてくれたみんな、ごめんなさい。
「おれは、かちぐみだ、ニートはかちぐみ…」
俺は、卑屈で、社会に馴染めなかったゴミだ。
「おれは…」
俺は、どうしたらいいんだ。
『ならば、応えよう。君に新たな人生を』