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変異者  作者: 龍血
第一章 変異者と朝花岳学園
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第一話 吸血鬼化

 

 《俺は突然、吸血鬼化した。》

 《ただの人間だったのに。》

  突然、吸血鬼になった佐多(さた)(くし)

 正確にはなり始めの半吸血鬼という感じだ。


「とりあえず、高校生の俺は学校に向かおう」

  いくら、吸血鬼になったと言ってもどうする事も出来なかった櫛は普通の日常を過ごす。


 このことで転校し、別の高校に登校した。


 それから数日経ち、それなりにやってきた。

 今日は他の生徒と共に登校した。

  椅子に座り、ホームルームを待つ。


  待っていると、異変が起きた。

  吸血鬼特有の吸血衝動である。

 

  櫛は吸血衝動で心臓の鼓動が速くなり、呼吸も荒くなっていった。

  そして、理性が吹っ飛んで近くにいた生徒の首すじを噛みつく。


  周りは突然起きた出来事に逃げ・・・ない。

  それどころか櫛に対して向かってくるではありませんか。


「櫛を止めろ!」

「櫛君、どうしたの?」

「政、大丈夫か!」


  男性陣は櫛を止めようと、女性陣は櫛がどうしたのかと心配する。

  そして櫛に噛みつかれた政こと成志(なるし)政人(まさと)に心配する人も。


  意外にも吸血鬼化した櫛を簡単に取り押さえた男性陣は先生を呼ぶ。


(はる)先生、櫛君が政人君に噛みつきました」

「な、なんだと!それでどうした?」

「男性陣が取り押さえました」

「そうか、生徒指導室に連れて行け」


  春先生により、櫛は生徒指導室に連れて行かれた。


  男性陣が櫛を取り押さえながら待っていると、


「遂に出ましたか」


  生徒指導室に入って来るのは風紀委員のメンバーで風紀委員長の(あかね)菜那(なな)がそう言った。

 

「あ、風紀委員長だ。あとは頼みます」

「了解した。みんなで押さえていろ」


  男性陣は風紀委員と交代し、生徒指導室から出て行く。


「確か、佐多櫛だったか。とりあえず落ち着かせよう」


  と、言って櫛に注射を打った。

  打った後、櫛は暴れなくなって気を失う。


「よし、離していいよ」


  菜那の言葉で風紀委員のメンバーは櫛を離した。


  少し経つと、


「う〜、お、俺は何をしていたんだ」

「起きたか」

「あ、貴女は風紀委員長!」

「あぁ、そうだ。今までの事は何も覚えていないのか?」


  (確か、今日の朝に吸血鬼なって・・・ってまさか!)


  櫛は何故このような事をなったのかを考えて、今日から何かに変わってそして今の状況を把握する。


「吸血衝動か!」

「うむ、そうだろうな。完全に他の生徒を噛み、吸血したと報告を受けた」

「なら、何故今の現状に・・・」


  元々、人間だった櫛にとって吸血鬼なんてただの人間であるはずのここの生徒が対抗できるはずもないと思った櫛。


「む?普通に力でお前を取り押さえただけだが?それもお前のクラスメイトが、だ」

「え?」


  風紀委員長の菜那がそのような返答して、櫛は呆然。

  人間が吸血鬼に対抗できるのだって武術を取り組んでいる人が可能性があるかもというくらい対抗できる人は少ないどころかいないかもしれないのに何かの武術をやっているかもしれない風紀委員ではなく、櫛と同じクラスの生徒が取り押さえたから余計に思うのだろう。


「この学校で怪物、化物が出ても何も問題はない。生徒会、我ら風紀委員だけでなく、普通の生徒でさえ、取り押さえるのは可能だ」


  まさか、本当にできるだと言う風紀委員長こと茜菜那。


「そもそも、君は転校生ではないか?」

「そうですけど・・・」


  菜那が言うように櫛は転校生。

  今、2年生である櫛はこの年の5月と微妙な時期に転校して来た。

  現在、7月になり、他の生徒から声を掛けてくれるが、未だに友達の1人もいない櫛である。


「なら、知らないか」

「え、何の事ですか?」

「この学校に来る転校生は大抵お前のような奴が来るんだ。ある意味、この学校はそう言う奴らを抑えるための特殊な学校ということなるのかな。お前も急な転校の強制で驚いていたのではないか?」


  と、言われて「確かに」と思う櫛。

  2年生になって4月中に転校するように言われた。

  「何故」と思った。

  先生に聞いても「君は出来が良い」と言われただけだ。

  別に成績が良い訳がないのにだ。


  そして気になるのは転校先つまりは今いるこの学校があの朝花岳(あさかがく)学園である。

  朝花岳学園は文武両道であらゆる分野で成績を残す超名門学校ではあるが、行きたくても通常受験では入学できないと言われている。

  入学方法事態は知られていないが、偶に転校する人がいると噂があるくらいだ。


  転校する人は4月の身体測定で怪物、化物になる予兆を感知されたら、各学校の校長または理事長が朝花岳学園に報告。そして勝手に転校の手続きを組まれる。

  一応、転校後に寮に入り、生活費の殆どを免除してもらえる(勝手に転校するのに何もないのはいけないからだと思うからではあるが)。


  それだけに転校の話を親に話したら、最初は学校に追求しようとしたが、転校先が朝花岳学園と言った途端に了承したのだ。


「君以外にも君のようなに転校した来た奴はいるよ。例えば、君の先輩であるつまりは私と同じ3年生である人が1年生の時に暴れたよ。だから君のクラスメイト、主に君に噛まれた生徒は対処方法を知っていても行動ができなかった。それも突然に起きた事だ。まぁ、大抵は突然ではあるが、でもその生徒は大丈夫だよ。今頃、ピンピンしてんじゃないかな」


  他にもこの学校には自分のようになっている人はいるみたいだ。

  しかし、この学校の生徒ってどのくらい強いんだろうか。


「それで俺はどうなるんですか?」

「いや、別に。いつも通りに過ごせばいい」

「え?このままですか?」

「そうだ。さっき例に挙げた生徒も今も普通に学校生活を過ごしている」

「それでも俺の吸血衝動は起こりますよ」

「大丈夫だ。薬を渡しておく」


  菜那から貰ったのは薬。

  カプセルに入った薬を貰った。


「とりあえず、一週間分を渡す。金曜日に休日分、月曜日に学校分を渡すからその時は私の所へ来い。1日に2、3個で休日分は約6個、学校分は約15個になる」


  結構が多いのだが、現状は起こったばっかりで何もわからない。

  なので、学校分は家一個、学校一個または二個という計算をしたのだ。

  そう何回も起こらないと思うが、菜那は要観察という事にしている。


「は、はい。ありがとうございます」

「あぁ、またこのような事態にならないように注意してくれ」


  と、言って菜那が部屋を出て行き、風紀委員のメンバーも付いて行く。


「で、俺は教室に戻れば良いのか?」


  櫛はどうすればいいのかと思いながら教室に戻る。


  教室に戻るとクラスメイトが櫛の元に殺到する。


「おい、大丈夫だったか」

「櫛君、もう大丈夫なの?」


  クラスメイトは特に何かを咎める事なく、櫛を心配していた。


「あぁ、問題ない。心配かけた」


  櫛はクラスメイトに対して謝り、そして


「政人、いきなり噛み付いてすまなかった」

「いや、別に大丈夫だ。まぁ、ただびっくりはしたけどなぁ」


  櫛に噛まれた政人には深く謝ったのだが、政人は問題ないと笑っていた。


  その後も何もなく、学校が終わり、寮に行く。


「今日は散々な1日だったな」


  櫛はベッドに横になってそんな事を言う。


「朝、吸血鬼になって、学校に行くとクラスメイトに噛み付いてしまい、大事になってしまった」


  人間だった櫛が急に非人間になり、それによって学校で騒ぎなってしまっている事、それも転校してそんなにも日が経ってもいないのに。


「しかし、俺と同じ境遇の人が先輩がいるなんてな。会ってみるのもいいかもしれない」


  同じの境遇の人が先輩なら相談できると考える櫛。


「今日はさっさと寝るか」


  櫛は夕食、お風呂などをして早めに寝た。


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