表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/294

りんけーじ98 幼女リヴァイアサン

りんけーじ98 幼女リヴァイアサン


「ふう~、お腹いっぱいになった~!」リヴァイアサンは、仰向けにひっくり返り、ぱんぷくりんにふくれたお腹を満足そうに擦った。

俺たちは、上層の方で、魚を捕まえてリヴァイアサンに与えたのだった。

「さあ、じゃあ、先を目指すわよ!」鈴乃は、眼下に広がる底知れぬ暗黒を眺めた。

「そうだな」俺は同意した。

その時、誰かが俺の腕を掴んだ「まって!お姉ちゃん!」。

「!?」振り返ると、リヴァイアサンだった。

「お、お姉ちゃん…」俺は、呟いた。そうだ、俺は今は少女だった。

時々すっかり、忘れてしまうのであるが、股を開いてだらしなく座ったりすると、あかねや、ヴァールに叱られたりしていた。女性は大変だ。

「わたしも、連れって!」リヴァイアサンは俺にくっついた。

見た目は、人間で言うと低学年の小学生ぐらいにしか見えない。

こんな子が、先ほど俺たちと戦った深海の魔王とは全く結びつかない。

「お姉ちゃん…可愛いくて綺麗」リヴァイアサンは、俺を一瞥すると、再び、ひしっと、しがみ付いた。

「あらつ、随分好かれている様ね!可愛くて綺麗なお(・・・)ちゃん(・・・)」鈴乃は、嫉妬とも失笑とも取れない様な口調で言った。

「あのな~!?」俺は、頭を掻いて、じろっとリヴァイアサンを見た。

「ひっ、お姉ちゃん怖い」リヴァイアサンが、涙目になると、俺が小さい女の子を冷遇している構図が生まれ、周囲の女子たちから厳しい視線が注がれた。

「な、何かな~?」俺は、圧に押され優しい口調でリヴァイアサンの頭を撫でた。

「えへへへ、お姉ちゃんに頭撫でられた~♡」少女は、ぱあっと満面の笑みを浮かべた。

「わたし、ずっと一人だったの、寂しいかったの」少女は一瞬顔を曇らせた。

「だから、お姉ちゃんに着いて行く!」リヴァイアサンは、俺の腕に絡みついた。

俺は、困惑して周りを見回した。

「あなた、一人なの?」ヴァールが少女近寄るとしゃがみ込んで、訊ねた。

「…」少女は首を縦に振った。

「リーヴァ…、一人。だから、お姉ちゃんたちと一緒に行く!」リヴァイアサンは、

そう言うと、下唇をキュッと噛んだ。

それを見ていた凜が腕を組んだ。「しょうがないのう、深海の魔王がこう言っておるのじゃから、連れていっても損はないじゃろ」

「むー!リーヴァだよ!」少女は頬っぺたを膨らませた。

「リーヴァちゃん!可愛いお名前だね」あかねがよしよしと頭を撫でた。

「ローリィどう?」先ほどから周りの様子を窺っていた、ローリィに鈴乃が尋ねた。

「…」ローリィは少し間を置いて考えた。

「…おらを、おらを、食わなければいいっぽ」ローリィはえるにキュッと、しがみ付いた。

それを見ていたえるが、口を開いた「ローリィがこう言ってるけど、どう約束できる?」。

「さっきはごめんなさい」リーヴァは瞳に涙を溜めて頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ