りんけーじ97 深海の魔王リヴァイアサン
りんけーじ97 深海の魔王リヴァイアサン
「どうだ!吾輩の邪悪なオーラに恐れおののいたか、ひれ伏すがよい!さすれば、奴隷として使役して、命だけは助けてやろう!」リヴァイアサンと言う美少女は、牙を見せながら左手を腰に当て、右手の人差し指を伸ばし青い目をキラリと輝かせた。
一同、呆気にとられたが、ローリィだけは「こわいっぽ!」と言って、人間形態に戻ったえるの後ろに隠れた。
「大丈夫」そんな、ローリィを見てえるは優しく頭を撫でた。
「あのね…」鈴乃は右手で頭を抱えた後、続けた。
「あなた今、自分がどういう立場か分かってる?」
「だ、だから、吾輩はこの深海の魔王だ~!」リヴァイアサンは><目になって、伸ばした右手の腕をぶんぶんと、上下に振った。
鈴乃はわなわなと震えながら目を閉じた「もう一度、喰らわしてやらないと分からないみたいね!」杖を前に突き出した。
杖の先の玉が力を蓄えて輝きが増していった。
「すぅ!」それを見たリヴァイアサンは、眼にも止まらぬ速さで、飛び上がった。
「わっ!」あかねが上を向いて叫んだ。
「へっ!?」ヴァールが声を上げた。
リヴァイアサンはふわふわと降りてくると、そのまま手足を引っ込めた。
そして土下座した「ご、ごめんさい!もうしませんから、もうしませんから」
「は~っ」最初から攻撃する気は無かった鈴乃は、ため息を吐いた。
「…で、何で、ローリィを食べたの?」震えながら土下座する少女に鈴乃に尋ねた。
「それは…」リヴァイアサンの声が小さくなった。
「それは?」鈴乃は繰り返した。
「そ、それは…」リヴァイアサンはモジモジした。
「それは、何じゃ!?」凜が、問い質した。
「だ、だって、弱肉強食というか、食物連鎖というか…お腹ペコペコだったんだもん!」、
リヴァイアサンの声は、涙で震えていた。
「…ふーん」鈴乃は天を見上げた。
「うえっ、ひっく、うえっ」リヴァイアサンは、肩を揺らし、土下座の姿勢のまま右手で涙を拭った。
「しょうがないわね~!頭を上げなさい。ローリィどう?」鈴乃はえるの後ろに隠れているローリィの方を見た。
「…」えるにしがみ付いているローリィは、少し間を置いて口を開いた「もう、おらを食べないでほしいっぽ!」
「お腹が空いていなきゃ、食べない」おでこが赤くなったリヴァイアサンのお腹が、きゅ~っと、鳴った。
「つまり、空腹を解消する必要がありそうだな」俺は食べ物の調達について思案した。
「お魚でいいの?」ヴァールが優しく聞くと、リヴァイアサンはコクッと頷いた。




